貴志(きし)・下所(しもんじょ)遺跡は、兵庫県三田市中心市街地の北西約2km、武庫川西岸の平地部にある集落遺跡です。
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調査A地区 |
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調査B地区 |
既に周辺は三田市教育委員会により、9次に渉る調査が行われてきました。
今回の発掘調査は、武庫川西岸を南北に結ぶ県道「黒石三田線」の右折レーンの設置、歩道の設置・拡幅などの交通安全施設等の整備に伴い、実施されました。
堀立柱建物から離れた谷部の上層部から石を敷き詰めた中世の溝跡が発見され、更に掘り進めていくと祭祀跡が見つかり、多数の土器と1,890点もの臼玉(うすだま:古墳時代の祭祀(さいし)用の玉。厚さ2~3ミリ、径5ミリ前後。形が茶臼に似ていることから名付けられました。)が出土しました。
このような大量の臼玉は、古墳時代の豪族の館近辺の溝や落ち込みなどから出土することが多く、近くに大型建物をもつ住まいがあったのかもしれません。
中世溝跡
古墳時代土器
古墳時代の土器と玉
以前の調査結果から、今回の調査地は村はずれにあたり、狭い場所であることから、調査員は簡単に終えることが出来ると聞いて、調査に出かけたようです。
しかし掘ってみると、上下二層構造となっており、上層部の中世の溝の大量の石を実測して図面に起こすのが大変であったところに出現した下層部の土器群、そして極めつけは、臼玉1,890点。
竹串を地面に差しながら、その場所を図面にプロットして調査を行い、記録していきました。
季節は夏の暑いときで、休憩できる日陰はテントのみ。
暑さの中で大量の遺物と格闘した、大変な記憶に残る遺跡だったようです。