2月15日(土)、シリーズ講演会・兵庫考古学研究最前線2019 「古墳時代の玉かざり」を開催しました。 講師は、当館 埋蔵文化財課の鐵 英記(くろがね ひでき)課長です。 今回の講演では、古代歴史文化協議会による共同研究「古墳時代の玉類」および 「玉―古代を彩る至宝―」展に関する研究成果 を中心に、 考古資料としての「 玉」についてお話ししました。 「玉」は、大きく分けて ①器種=形( 勾玉、管玉、丸玉、棗玉など )と、 ② 材質( ヒスイ、碧玉、メノウ、水晶など) の2つの要素で構成されます。 それを連ねたものを玉飾り(頸飾り、頭飾り、手足飾りなど)と呼んでいます。 ちなみに、形象埴輪にも見られる2重のネックレス状の玉飾りは、 主に女性が使っていたものだと考えられています。 考古学的に重要な ポイントとして、 玉の穴のあけ方(穿孔の方向)で どの地域で作られたか 推測できるとの話がありました。 上の写真は広瀬古墳群(養父市)出土の管玉です。 展示室ではおそらく穴は確認できませんが、開催中の当館企画展に展示しています。 「玉」の役割は 、主に① 装身具(アクセサリー)と②祭祀具 に分かれ、 遺跡の場所と、発掘時の 出土状況から判断します。 古墳など埋葬施設で出土した場合は、 被葬者の胸部や手首付近に置かれたものは装身具、 棺内でも体から離れた位置にあるものや、ばらまかれているものなどは 祭祀具とみられています。 三木市の大池7号墳の調査では、墳丘中に葬られている6人のうち、 3人は玉を持ち、3人は持っていなかったことから、 同じ家族(一族)のなかでも違いが見られたのが興味深いと話しました。 古墳時代前期の玉飾りは「ヒスイの勾玉・碧玉の管玉・ガラスの丸玉(小玉)」の 組み合わせが一般的だったようですが、中期には金属製の飾りも登場するなど、 器種と材質の組み合わせは 多様性がみられます。 兵庫県では金属と石の玉がセットになった出土事例は多くありませんが、 渡来系集団と関係の深い宮山古墳(姫路市)などで見つかっています。 また、埋葬施設以外にも、祭祀遺跡や集落遺跡からの出土例をあげました。 集落...
弥生の村、史跡大中遺跡に隣接したフィールドミュージアムです。