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ミュージアムとボランティア

本日(17日)令和5年度の「古代体験研究フォーラム」をオンラインにより開催しました。 「ミュージアムとボランティア-これまでの経験と、これからの体験-」をテーマに、今や博物館を運営していく中で欠かせない存在となっているボランティアの皆さんの活動やこれからのあり方などについて、県内博物館等に勤務されている職員からの発表やパネルディスカッションなどをTV会議形式で実施しました。 オンライン会議のメリットとして会場の定員を気にすることなく、全国の博物館・美術館などから多数の参加申込みがありました。 博物館・美術館等のボランティア事業は1970年代に生涯学習や高齢者の社会参加を目的として始まりました。 そして、現在では各館の重要な存在として活躍をされています。 ただ、構成メンバーの高齢化や求められる活動内容の変化、また博物館等に求められる役割・機能の変化や拡充などの外的要因などにより、いろいろな課題も生じています。 このフォーラムを通して、多様な館の特色あるボランティア活動報告や運営していく中での意見を参考・共有することで、全国の関係者が一緒になって考えることができる、いい機会になったのではないでしょうか。 兵庫県立考古博物館においても自主的なボランティアグループ「ひょうご考古楽倶楽部」はなくてはならない存在です。もし、ボランティアの方がこのブログを読まれていましたら、改めて御礼申し上げます。 「古代米をつくろう - 田植え - 」               「各種古代体験講座」 例年、当館では、3~5月にボランティアを新規募集します。 研修(8回程度)を修了した後、館にボランティアとして登録していただいた方々に活躍いただいています。 後日、館ホームページなどを通して募集を案内しますので、ご希望の方はお申込みください。 考古楽? 初めて目にしたときは漢字変換の間違いかと思いましたが、「楽」しむことが大事ですね。 同好会の活動を通じて、新たな仲間づくりもできますよ。
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令和6(2024)年度のイベント

せっかく 令和6年度イベントガイドの完成を紹介しましたので、その内容についても一部お伝えしたいと思います。 まず、春の特別展。 開幕は4月20日を予定しています。今回のテーマは「動物と考古学」に決定しました。 確かに展示室を見まわすとナウマンゾウ、犬、馬などいろいろな動物が登場しています。古代人にとっても動物はなくてはならない存在だ ったのではないか? その動物との関わりを「現代と同じくかわいがる、国家間の贈り物にする」、「角や骨を道具とし、田畑や工事現場での労働力とする」、「食料とする」といった観点で展示します。 次に秋の特別展です。 開幕は9月14日を予定し、「甲冑(かっちゅう)」に焦点を当てたテーマを設定して展示します。 「甲冑」とは「甲(よろい)」と「冑(かぶと)」のことで、これは敵を攻めるための武器ではなく、自身の身を守るために生み出されたもので、防御や機動性といった機能面とともに装飾の美しさも感じとることができます。 これらの甲冑の時代ごとの変遷など、歴史ブームで熱い視線を送る若い人たちにも大受け間違いなしの企画になると期待しています。 展覧会以外には、子どもたちにも大人気の「古代体験講座」です。 例年、たくさんの応募がある「まが玉のネックレスづくり」や「はにわくんをつくろう」、「藍の生葉で染めものづくり」などの定番プログラムについては、当然引き続き実施します。 また、新しい講座にも注目です。 これも一部ですが、タイトルをご 紹介します。 「縄文のブレスレット『貝輪』をつくろう!」 「縄文時代の食事かい」 「石包丁をネックレスにしてみよう!」 などなど。 今年度は「弥生のお昼ご飯」でしたが、「縄文」ではどんな材料を使って、どのような献立になるのかな? また、「 石包丁のネックレス」ってどんなものができるのでしょうか?  タイトルだけでもいろいろと想像が膨らみます。 お楽しみに! さらに特別展に関連した外部講師による講演会など、初めて当館で講演を行ってくださるという方々も決定しています。 違った視点からのお話が聞けるので興味津々です。 そして、最後に加西分館。 こちらは「古代鏡展示館」ということで鏡をメインとした展示になりますが、「漢(かん)」の時代に注目しています。 漢は、国家統一を成し遂げた秦王朝を継承した時代で、繁栄した社会経済を背景に 多種多様な銅

ようやく、完成しました。

  イベントガイドようやく完成です。 令和6年度に行う考古博物館での展覧会やイベントについて、各関係者が集まっていろいろと検討を 重ねてきました。 侃々諤々(かんかんがくがく)、喧々囂々(けんけんごうごう) の話し合いの末、ようやくまとめることができました。 今後、 「 イベントガイド」 という冊子をHPの掲載だけでなく、各施設への送付や館内での配架により皆様のお手元にお届けすることになります。 こちらは、そのイベントガイドの表紙です。近年、イベントガイドの表紙には銅鐸にQRコードを埋め込んだデザインを使用しています。令和4年度はできたての 銅鐸、令和5年度は錆びた銅鐸でしたが、来年度は大きく違うところがあります。 < イベントガイドへ > お気づきになりましたか? そうです。銅鐸がバラバラになっています。 これはもしかかして、厳しい話し合いのなかで職員がバラバラになってしまったことを表しているのでしょうか? いえいえ、心配ご無用です。 銅鐸は通常そのままの形で埋められることが多いのですが、弥生時代が終わる頃にはバラバラに壊されて埋められることもありました。 ご存知の方も多いかも知れませんが、兵庫県は全国最多となる67個の銅鐸が見つかっている県で、全国総数(約520個)の1割以上を占めています。 そこで、兵庫県の博物館として、その謎について少し触れてみたいと思います。 銅鐸とは弥生時代に製作された神様を祀る祭具でした。 弥生時代の前期の終わり頃にあたる紀元前300年頃から製作されていましたが、古墳が造られる頃になると叩き壊されることもありました。 神様を祀る祭具ということは、現代に置き換えてみると仏像やキリスト像に相当するものになるのでしょう。それを叩いて壊すなんて、なんと罰当たりな行為でしょうか。 その行為のヒントとして考えられるのが、「銅鐸が壊されていた時期が弥生時代の終わりから古墳時代のはじめにかけて、つまり邪馬台国に都を置いた卑弥呼が 倭国の女王として 登場したころであった。」 ということです。 卑弥呼が新たな時代をつくるために旧来の宗教(銅鐸)をこわして、新しい宗教(鏡)とする宗教改革だったのでは?との想像も浮かんできます。 気象学の先生よると、「 この時期はアジア全体で天候不順が続いていた」といわれていて、同時に食糧危機が長期間続いていたそうです。 その

「 梅 見 頃 」

梅の花もいよいよ満開です。 当館ホームページに新たに「 遺跡公園の開花情報 」というコーナーを設けましたので、お出かけの参考にしてください。 《トップページから「利用案内」の中にリンクを貼っています。》   梅(ウメ)は古代から日本人の生活に関わってきた植物です。 遺跡発掘時に、梅の種が出土することがあります。種は植物学的には「核(かく)」という名称のようですが、この部分はご存知のとおり、かなり堅い部分なので遺物として残る確率も高くなるのでしょう。(子どもの頃はこの種を噛んでその中身を食べたりしていましたが、今の私の歯では絶対無理だと思います)   この堅い部分の中にある食べられるところ「仁(じん)」は一般的には「天神様」と言われています。 これは学問の神様の菅原道真が梅を好んでいたところから、そのように呼ばれるようになったということなので、「頭が良くなりますように」と念じながら梅を観賞することで、何か御利益があるのではないでしょうか。 私も毎日眺めています・・・。           梅は中国からの外来植物です。 遺跡からは、弥生時代中期以降に出土しています。 用途ははっきりとはわかっていませんが、単に部材や食用としてだけではなく、薬用、または観賞用としても古代から日本人に親しまれてきたのではないでしょうか。   また、昔から親しまれていた根拠として『万葉集』があげられます。「梅」の字が入った歌が 100 首以上 あり、この数はなんと桜の2倍以上になります。 奈良時代には梅は鑑賞用として梅を愛でる習慣があり、大伴旅人が「梅花の宴」が催した際には、「梅花歌 32 首」が披露されていました。 この「梅花歌 32 首」の序文が、今の年号の 「令和」の典拠とされたため、よく知られるようになりました。 「 初春令月、気淑風和、梅披鏡前粉、蘭薫珮後之香 」からの引用だそうです 。 〔初春の令月にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫(かおら)す〕 意味は、「新春の好(よ)き月、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装よそおう白粉(おしろい)のごとく白く咲き、蘭は身を飾った香の如きかおりを漂わせている」です。【国文学研究資料館HPより】 たくさんの方々が公園内の至るところで写

♪東播磨高校吹奏楽部🎺の「冬の寄り道コンサート📯」♪

    「高校生による音楽会」を開催しました。 このコンサートは平成29年1月に第1回が開催され、今回で第8回目になる定例のコンサートとなっています。   2部構成となっており、第1部は、アンサンブルコンサート、第2部は全員による合奏というプログラムです。 第 1 部のアンサンブルコンサートとは、二人以上の編成で演奏するもので、今回は各パートを主体とした楽曲を6曲披露していただきました。   1 曲目はアメリカ音楽の父と呼ばれ、「おお、スザンナ」や「草競馬」で有名なフォスターの楽曲のメドレーです。各パート楽器の個性が生かされるように編曲されていて、観客の皆さんにも耳なじみのある曲なので、講堂が一気に音楽ホールに変身しました。   2曲目からはトランペット3重奏など、主にパート楽器ごとの編成による演奏でした。   こちらは、金管と木管楽器のコラボによる混合3重奏です。 アンサンブルの語源どおり、調和のとれた美しい演奏が続きます。    バリチューバによる演奏です。バリトンとチューバという中・低音楽器ですが、バリトンはユーフォニアムと言った方がわかりやすいかもしれません。 これらの楽器は普段「縁の下の力持ち」のように思われている人もいるかもしれませんが、全然違います。 この演奏のように縁の下も上もこなせるオールラウンドプレーヤーなのです。     第2部は、合奏ということで全員によるパワーが集結しました。 演奏する曲目も絶対全ての人が聞いたことがあるポピュラーソングばかりで、これで盛り上がらないはずはありません!   4曲目の「昭和アイドルコレクション」はまさに、観客の皆さんにとってもドンピシャの名曲ばかりだったのではないでしょうか。   とっても素敵なコンサートでした。 心温まる演奏で観客全員が心ゆたかになる時間を過ごすことができました。   最後に東播磨高校吹奏楽部の定期演奏会のご案内です。 3月27日(水)に稲美町のコスモホールで開催されます。 今回は例年と異なり夜公演 《17:30開場,18時開演》を行うということで、しっとりとした曲目もあるのも知れません。   今日会場にお越しの皆さんはもちろん、「聴き逃した!」と言われる方も、ぜひぜひ足を運んでみてください

ひょうごミュージアムフェア

  ひょうごミュージアムフェア 21日の日曜日に県立兵庫津ミュージアム(神戸市兵庫区)において令和5年度「ひょうごミュージアムフェア」が開催されました。 前日は雨模様のため天候が心配されましたが、何とか朝のうちに雨もやみ、晴れ間も見える天気のなか実施できました。 会場の兵庫津ミュージアムです。近代的な建物の「ひょうごはじまり館」と1868(慶応4)年に誕生した兵庫県の県庁を復元した「初代県庁館」の2館が一体となった施設です。 この催しは兵庫県内の博物館や関係施設が連携し、博物館等の魅力を広く発信するため、親子向け「ものづくりワークショップ」によるPR活動を通じて、博物館を身近に感じていただき、来館のきっかけとなるようなアピールの場として実施されています。 ・・・・といった難しい説明は置いておいて、オリジナルのキーホルダーや缶バッジの作成、神経衰弱のゲーム、天体・宇宙の観察などなど面白そうなブースがたくさんあります。 今回は20の博物館等の施設が参加しています。 考古博物館からは、過去のイベントでも大人気だった「土器の立体パズル」で参加。 このパズル、ほんとうに難しいですよ。今までの経験から感じるのは大人、子どもの年齢の違いは関係なくて、すぐにできる人(子)、辛抱強く取り組む人(子)、みるみる上達する人(子)、、、などなど、個性がよく表れる体験のようです。 わたし? もちろん才能ありませんでした。でも、いいんです!「楽しめる時間が長かった」と思えばいいんです。 考古博物館のブースは正面入口を入ってすぐところ。一等地でした。 お隣は県立人と自然の博物館。箱の中に手を入れて、何が入っているのかをあてるゲーム「さわって!はてなボックス」でした。 試しに挑戦させてもらいました。 こちらも才能ありませんでした・・・ 考古博からは「ほったん」も特別参加。あっという間に子どもたちに取り囲まれてしまいました。どこに行っても人気者! 建物の2階、3階にもいろいろなブースが出店しています。 3階です。明石市立天文科学館さんのブースがありました。星座早見盤が自分でつくれるなんて、自分が小学生の頃にこんな催しがあったら星空を楽しめたのになあと思いました。 尼崎信用金庫さん 世界中の貯金箱が並んでいます。 今日一日たくさんの方々にお越しいただきました。土器パズルをはじめ、いろいろなブースで楽し

加古大池ヨシ刈り

  今日は冬の恒例行事「 加古大池ヨシ刈り」です。 天気は快晴でこの時期としては特に寒くもなく絶好のヨシ刈り日和になりました。 刈ったヨシは大中遺跡の竪穴住居の屋根を復元するため使います。     この日に備えて軍手もワークマンで新調し、準備万端でのぞみます。   まずは準備体操。ケガの無いように身体をほぐします。 今年も館職員の他に ボランティアの ひょうご考古楽倶楽部 の方々と国立明石高等専門学校の生徒さんたちの応援がありました。心強いです。 作業は草刈り機による刈り込み係、刈ったヨシを集める係、ヨシに混ざっている草やゴミを鋤きとるガンジキ係、そしてそれを束ねる結束係とそれぞれの担当に分かれて手際よく進められていきます。 途中に 1 回の休憩を挟み、午前中で目の前のヨシは全てきれいに刈り終えました。   ただ、今年のヨシの生育状況はもう一つのようで、例年ならもう少し背も高く伸びていて 、運び出すときにトラックの荷台から飛び出してしまうところが、ほぼ荷台内に収まってるような状況でした。   昼休憩の後は、場所を移動しての作業でしたが、風がかなり強く吹いてきて、雨もポツポツということで皆さんの表情にも少し疲れが見えていました。 そのような状況でしたが、ヨシの生育状況の関係で刈り込む面積も例年より少なかったことから3時前には無事に作業を終えることができました。 刈り取った ヨシは博物館に戻って保管場所に立てかけて乾燥させて保存します。 この ヨシたちが竪穴住居になる日が楽しみです。   例年より作業は楽だったようですが、引っ付き虫の草(名前がわかりません)が多く、せっかく新調したカエル(軍手)もホツレて満身創痍になってしまいました。

令和6年 辰年

  明けましておめでとうございます。 なかなか、年明けからいろいろな出来事が続いており、手放しに「おめでとう」とは言えない状況ですが、本年もよろしくお願いします。 今年は「辰年」ということで、上向きの世の中になるよう祈っています。 ところで、考古博物館の分館「古代鏡展示館」(加西市)では、毎年恒例の企画として干支の動物が描かれた古代鏡の展示を行っています。 神戸新聞(1月4日付です)でも紹介されていましたが、今年は龍にまつわる所蔵品を展示しています。 「 雲龍紋八花鏡 (うんりゅうもんはっかきょう) 」といって天を翔る龍の姿が中央に描かれており、周りの花弁状のデザインは平和であった中国の唐の時代に流行したそうです。 ぜひ、古代鏡展示館にも足を運んでいただいて、この鏡を通して運気上昇を願っていただければと思います。(3月10日まで展示しています) そして、本館(播磨町)でも2日(火)に恒例行事となります『考古博DEお正月』を開催しました。 古代文字カレンダーのブースです。たくさんの方々がオリジナルカレンダーの作成に挑戦されていました。 テーマ展示室を利用した「クイズラリー考古博パワースポット巡り」の様子です。パワーを感じる展示スポットが8箇所あります。 展示室前では「土器パズル」。人気急上昇中です。 こちらは当館の「辰(龍)」。メインホールに展示している珉平焼(南あわじ市出土)の小皿です。 当日は、天気も良く1月とは思えないような暖かい日和でした。凧あげなどのお正月らしい風景はないかと大中遺跡公園を散策してみましたが、キャッチボールなどで楽しんでいるご家族の姿ばかりでした。 ただ、梅の木に目を移してみるとつぼみも着実に膨らんでいて、「春も近づいているんだなぁ」という初春気分を味わうことができました。

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