今年度も竪穴住居復元プロジェクトが着々と進行中です。 明石工業高等専門学校の生徒さんやボランティアの方々のご協力を得て、少しずつですが 復元されてきました。 これは4月上旬の様子です。 4月末には1月に行った葦(よし)刈りで確保した葦による束作りの作業です。 この材料ができないと屋根のない住居になってしまいます。 単にひもで縛ればいいというものではありません。 力も必要ですが、後になって緩んでしまわないよう熟練の技が必要です。ただいまそれを生徒さんたちに講習しています。 束ねられたものを丁寧に美しく並べました。 因みにこの植物は「アシ」と「ヨシ」の二種類の呼び方がありますが、どちらが正解なのでしょうか? 実は両方正解です。「アシ」が「悪し」を想像させてしまうので、正反対の言葉の「ヨシ」も使うようです。こういった気遣いも日本文化の一部なんですね。 こちらは5月28日現在の様子です。 ヨシの束を固定していきます。この作業も束づくりと同様に熟練の技が必要です。 実は、この作業は住居の中の人と連携した作業となっています。 お互い声を掛け合い、あうんの呼吸で一気に縛っていきます。 まだまだ、完成までには時間を要しますが、要所要所で報告をあげていきますので、 お楽しみに。
(ほったん) 土器について勉強したし、次は早速展示室に行ってみよう。 ここは、テーマ展示室といって、「人」「環境」「社会」「交流」の4つのテーマごとに兵庫県内の遺跡から出土した古い 資料の展示や新しく発表された研究の結果が模型や映像などでわかりやすく並んでいるみたいだよ。 あっ!ゾウがいる!ここから 見てみよう。 これがナウマン象!やっぱりでっかい。でもおかしいなぁ さっき兵庫県内に関係したものが展示されていると書いてあったけど、日本にゾウはいないよ。間違っているんじゃないの? (学芸員) いや、 昔は 日本にもゾウがいたんだよ。これは今から 3 万年も前の様子なんだ。日本は今は島国だけど長い地球の歴史の中で、何度か他の大陸とつながっていた時期があったんだ。 気候が今とぜんぜんちがっていたので海面が低下し、瀬戸内海は川のように細かったんだ。 (ほったん) ゾウがいたくらいだから、相当暑かったんだね。 ところが反対にとっても寒かったんだ。九州でおこった火山の大爆発によって火山灰が西日本を覆い、人々はきびしい寒さを智恵を共有して乗りこえたんだ。 なるほど、狩りをしている人たちを見てみると動物の毛皮を着ていて、ヤリの先っぽには石が付いている。 入口で見た土器の古いものは3500年くらい前だったけど、そのずっとずっと前からいろいろな智恵を出し合って人々は生活してきたんだね。 このヤリの先には「チャート」という石でつくられた石器が付けられているよ。このチャートは、加工するのが難しく思うように割れなかったので小さい石器しか作れなかったんだ。でも、この表を見てわかるように時代が進むと先のとがったものやいろいろな種類が増えて狩りの道具も進歩してきているのがわかるね。