スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

10月 3, 2021の投稿を表示しています

講演会「赤穂の終末期古墳-祇園塚型石室-」

 兵庫考古学研究最前線2021のシリーズ「古墳時代の兵庫」の最終回となる第5回目は、「赤穂の終末期古墳-祇園塚型石室-」と題して、10月2日に開催されました。  緊急事態宣言は解除されましたが、感染症対策をとって、定員60名で行われました。  講師は、赤穂市教育委員会文化財課の山中良平学芸員です。  本日の内容は、旧赤穂郡(赤穂市、相生市、上郡町)で6世紀(古墳時代後期末)から7世紀(古墳時代終末期)にかけての特殊な横穴式石室について解説していただきました。  古墳時代終末期とは、前方後円墳がつくられなくなった時期のことで、この時期に小さな横穴式石室の古墳が、数多くつくられたとのことです。  ちなみに、飛鳥時代と古墳時代終末期とは年代が重なりますが、考古学ではこの時期のことを飛鳥時代とは言わず、古墳時代終末期と呼ぶことが多いそうです。  今回のテーマの祇園塚型石室とは、横穴式石室の中ほどに間仕切りがあり、前室と後室が分かれた形をしています。  赤穂市有年地区にある特殊な横穴式石室の数々。  【祇園塚型石室の構造(赤穂市教育委員会資料から)】  一般的な横穴式石室は、一番奥に玄室という遺骸を埋葬している場所があり、その玄室の入口部分を玄門と言いますが、有年地区の北にある塚山古墳群には、玄門部に間仕切りを持つ祇園塚型石室が確認されています。上の石室の写真を見ると、内側に張り出した「間仕切り」というのがよくわかります。この祇園塚型石室は兵庫県下では赤穂周辺でしか発見されていないそうです。   600年前後(6~7世紀)には全国的に小さな古墳が群れるように特定の場所に築かれるようになります。これらを「群集墳」といいますが、赤穂市でもこの時期に集中して多くの群集墳がつくられました。  その中で、旧赤穂郡を中心に「類横口式石槨」と言われる、玄室に当たる部分が異常に狭いものが発見されています。  狭いために、木棺の埋葬は不可能で、火葬骨などが納められた可能性が高いそうです。  祇園塚型石室や、一般的な畿内型横穴式石室とは異なる埋葬方法を行っていたとも考えられることから、特殊な集団の墓ではないかとも考えられているそうです。 7世紀の旧赤穂郡に特殊な古墳があるということ、旧赤穂郡が7世紀に集落が増加したこと などから、7世紀に新集団が現れたと考えることもできるようです。  祇園塚型古

ついに来ました! 狐狸ヶ池にコウノトリが

  10月5日朝、出勤した職員が、狐狸ヶ池にコウノトリがいると知らせてくれたので、早速カメラを持って走りました。  先日ブログでご紹介しましたサギの群れ、カモたちと共に住み着いたみたいです。その中に一羽、羽先が黒いコウノトリが悠々と歩いていました。  立ち止まっては餌をついばむようなしぐさを見せます。  サギとコウノトリがまるで挨拶でもしているかのようです。  このあと、羽ばたきの瞬間を待っていたのですが、また餌をついばみ始めたので、急ぎカメラのレンズを望遠に取り替えて戻ってきたら、すでにコウノトリの姿はありませんでした。  当館 インスタグラム に動画を載せています。少しだけですが、どうぞご覧ください。  また見かけましたらご報告します。

秋季特別展 地元テレビ局の取材

 秋季特別展開幕後の最初の土曜日、地元テレビ局、「サンテレビ」の取材がありました。  サンテレビさんは本展覧会の後援をしてくださっています。  インタビューに応える本展覧会の主担当、池田学芸課長です。展覧会の見どころを話しています。  展示資料の紹介です。展示品の具体的な説明をするときは、思わず力が入ります。  カメラマンさんが館内の様子や展示資料を撮影しています。この写真を撮るときに、映像にシャッター音が入らないかなど、撮影の邪魔にならないようにと気を使います。  何を撮っているのでしょうか?  これです! 江戸時代に建立された、三木市の伽耶院本堂の鯱瓦です。  鯱瓦は12点展示していますが、それぞれ「顔」が違うので、見比べてみるのも面白いです。  

秋季特別展「屋根の上の守り神-鴟尾・鯱-」 開会式の報告

 緊急事態宣言が解除となった10月1日(金)、秋季特別展「屋根の上の守り神-鴟尾・鯱-」の開会式が挙行されました。  古代寺院の屋根や城の天守など、建物の目立つ位置に飾られた 鴟尾(しび)と鯱(しゃちほこ)について、詳しく解説する展覧会です。  緊急事態宣言は解除されましたが、感染症対策で座席は当初の予定通り30席で設定しました。  ご招待の皆様をお迎えし、館長がご挨拶をします。  「 鴟尾や鯱のかけらなどは、一見ガラクタのように見えるかもしれませんが…、」と、館長の挨拶はいつもクスっと笑いを誘う言葉でお客様の心をつかみます。  続いて主催者を代表して、西上 三鶴 兵庫県教育長がご挨拶いたしました。 ご来賓を代表して、博物館の地元、加古郡選出の岡 つよし県議会議員からご挨拶をいただきました。 山本敏信県議会議員、石川憲幸県議会議員からお祝いのメッセージをいただきました。  本展覧会の主担当の池田学芸課長(右)、副担当の松井学芸員(左)です。  右から西上教育長、岡県議会議員、和田館長によるテープカットで開幕です。  開会式後の内覧会です。担当学芸員が展示内容について詳しく説明しました。    特別展の展示解説が、10月24日(日)と11月14日(日)に開催されます。当日受付で、13時30分から14時に行いますので、ぜひご来館ください。お待ちしております。 *  *  *  *  *  特別展関連の講演会「鯱の歴史」(講師:当館学芸課長)が11月20日(土)13:30~15:00に開催されます。事前申し込みで11月2日(火)まで受け付けします。興味のある方は当館ホームページでご確認下さい。  【 お申込みはこちらから(申込みフォームが開きます) 】

過去の記事一覧

もっと見る