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8月 8, 2021の投稿を表示しています

講演会「権現山51号墳の三角縁神獣鏡は語る」

7月31日(土)に、連続講演会「兵庫考古学研究最前線2021 古墳時代の兵庫②『権現山51号墳の三角縁神獣鏡は語る』」を開催しました。 講師は (公財)兵庫県まちづくり技術センター埋蔵文化財調査部の山本 誠 次長です。 旧石器時代がご専門ですが、岡山大学在学中に近藤義郎先生のもとで権現山51号墳(たつの市御津町)の発掘調査に参加されたことから、古墳時代の三角縁神獣鏡についての研究をされています。 講演では始めに、権現山51号墳の発掘成果や発掘調査時の貴重なエピソードをご紹介くださり、三角縁神獣鏡という考古資料が語る 歴史、 王権の動き等 をお話しいただきました。 そして「ここからは僕の妄想ですが…」と前置きがあり、 古墳からの景観から推測した持論を聞かせてくださいました。 風土記などの文献や地名などの情報、実際の現地調査をふまえ、 三角縁神獣鏡が出土する古墳は、港と密接な関係があるのではないか?とのこと。   さらに、「船が停泊する港のなかでも、海の港ではなく"川港”の位置に注目し、 海を眺望したとはいえない地域にある古墳でも、川港であれば可能性がある。」 また「大きな前方後円墳だけではなく、なぜ小さな円墳や方墳にも三角縁神獣鏡が見つかるのか。これのことが解明にもつながるのでは」とされ、「今後の調査に期待したい」とのお話でした。 さらに、「現在まちづくり技術センターで調査中の登リ田遺跡(姫路市継)にも、『播磨国風土記』にみえる継潮(つぎのみなと)の可能性がある。調査成果はいずれ報告書や博物館の展示などで紹介するので、そちらにも注目していただきたい」とお話しされました。 *  *  * 今回の講演でとり上げられた三角縁神獣鏡のモデルとなったとされる中国の鏡「神獣鏡」は、 当館の加西分館「 古代鏡展示館 」で見ることができます。 こちらへもぜひ、おでかけください。

古代のお祓い ひとがた流し

8月7日(土)、旧暦で6月末の「夏越しの大祓(おおはらえ)」の日に、当館のボランティア団体「考古楽倶楽部」の皆さんが人形(ひとがた)流しのイベントを実施されました。 自分の身についた悪いものを人形に移し、それを水に流してしまおう、というもので、飛鳥時代には行われていたようです。 一年に2回、夏越しの大祓(なごしのおおはらえ)と、大晦日の大祓(おおみそかのおおはらえ、年越しの大祓ともいう)の2つが大きな祓の儀式で、それ以外にも月末の晦日の祓や、臨時の祓もありました。 今回は、儀式の再現映像でどんな行事かを知っていただいたあとで、 実際にひとがた流しを体験していただきました。 これがお手本と、儀式に使われた祭具の復原品です。 金や銀の人形(ひとがた)や、いっしょに流したとされる舟、馬など、いろいろあります。 では、ひとがた流しをやってみます。 まず人のかたちをした板に、 自分の姿を描きます。 きれいな水で手を清めて、 お祓いをうけます。 館の敷地内の祭壇には織物や酒、あわびなどが供えてあります。 人形を体にこすりつけて悪いものを移し、祈りをこめて、「えい!」と流します。 古代の人は、現在の新型コロナウィルス感染症のような疫病に対して、お祓いをすることで対抗したようです。 新型コロナウィルス感染症の一日も早い終息を願って。

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