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4月 12, 2020の投稿を表示しています

#自宅でも考古博 1「お茶碗はちゃんと手に持って食べなさい!」の習慣

 みなさんも一度は「お茶碗はちゃんと手に持って食べなさい!」と怒られたことがありますよね。ところが、お隣の韓国や中国では器を手に持って食べる習慣はありません。  それでは、日本のこうした習慣はいつごろはじまったのでしょうか? 弥生時代の子供たちも同じように怒られたのでしょうか? ときのギャラリー   考古学では、遺跡から出土した物を観察し、そこから昔のさまざまな情報を引き出します。今回は、当館の東エントランスにある「ときのギャラリー」に並ぶ「器(うつわ)」の変化を見てみましょう。 須恵器「坏」   奈良時代には写真のような器が使われていました。「坏(つき)」と呼んでいます。底径が大きく、手で持つには不都合な形をしていることから、器は手に持たず、お膳の上や床に置いたままで食事をしたようです。   須恵器「椀」     平安時代の中頃の写真の器を見てみましょう。奈良時代のものと比べて、ずいぶんと底径が小さく、側面も丸みをもち、今のお茶碗とよく似た形をしています。 このような形の器、「椀(わん)」は置いて食べるには少々不安定な形で、手に持つとなじむような形をしていることから、この頃には、器を手に持って食事をするようになったようです。  器の形の変化から、食事方法の変化を推測してみました。どうやら、奈良時代より昔の弥生時代の子供たちは、「お茶碗はちゃんと手に持って食べなさい!」とは怒られなかったようですね。 (学芸課 中村 弘) 

「自宅でも考古博 ーこころに届く展覧会ー」 の開始について

 平素より当館の事業につきまして、ご理解、ご協力いただき、厚くお礼申しあげます。  現在、日本をはじめ世界では、新型コロナウィルスの猛威により、日常生活にさえ支障をきたすようになり、感染防止の手段として、外出の自粛「 stay at home 」を促す報道がくりかえされています。  当館でも、一時の開館を除き、3月4日(水)から休館が続いています。それにより、二つの展覧会の開催も影響を受け、楽しみにしていただいていた皆様には大変残念な思いをさせてしまうことになってしまいました。  そこで、こ の度、在宅でも当館の魅力、考古学の魅力をお伝えできるよう、これまでのブログの中に新たなシリーズを設けることにいたしました。  当館を熟知する専門職員が様々な角度から情報を発信しますので、当館の魅力をさらに深く感じていただき、自宅での自粛が少しでも過ごしやすいものになるよう、お役に立てれば幸いです。  皆様のご健康をお祈りするとともに、開館後に再びお会いできる日を楽しみにしております。  どうか、お元気でお過ごしください。   令和2年4月17日      兵庫県立考古博物館    館長 和田晴吾 【「自宅でも考古博」最新記事はこちら】

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