毎年3月末に刊行している研究紀要と発掘調査報告書を紹介します。 研究紀要第15号 全6編、87ページ 研究紀要第15号です。当館の学芸員のこだわりの研究や大学教授との共同研究などの令和3年度の研究成果を集めています。掲載内容・執筆者は以下のとおりです。 山本 誠(〔公財〕兵庫県まちづくり技術センター埋蔵文化財調査部次長) 「三角縁神獣鏡は語る(1)」 藤田 淳(当館学芸員) 「兵庫県における古墳出土刀剣の把巻と把装具について -二本芯並列コイル状二重構造糸巻きを中心に-」 渡辺 昇(当館名誉学芸員) 「横穴埋葬の終焉 -カヤガ谷1号横穴出土遺物から-」 中川 渉(当館学芸員) 「福知山市夜久野町矢谷経塚出土の東播系須恵器甕とその系譜」 永惠裕和(当館学芸員) 「失われた台場を追え!Part2 -高砂市所在 高砂台場編-」 森本速男(兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科教授)・山本 誠 「磁気を用いた考古遺跡内の岩石・土壌の被熱履歴検出と被熱温度推定」 ※ 研究紀要は、当館のミュージアムショップにて1冊税込み1,100円でお買い求めいただくことができます。 * * * * * 続いて、令和3年度の遺跡の発掘調査報告書を紹介します。 令和3年度は5冊刊行しました。左から2番目の鍛冶田遺跡の報告書は、厚さが4㎝以上もあります。 兵庫県文化財調査報告書 第518冊 西脇市「津万遺跡群4」 【175号西脇北バイパス事業に係る埋蔵文化財発掘調査報告書】 津万遺跡群は、加古川西岸の平野部に位置し、加古川が形成した沖積低地に立地しています。この「津万遺跡群4」では、津万3区から8区までの調査結果を掲載しています。調査では弥生時代後期から古墳時代前期の竪穴住居址・大溝、中世前期の掘立柱建物址・墓址・井戸・水田遺構・粘土採掘坑を検出し、遺物では縄文土器・弥生時代後期末から古墳時代前期の土器、8~9世紀の須恵器杯類・転用硯、中世の土師器皿椀鍋類などが出土しました。 兵庫県文化財調査報告書 第519冊 揖保郡太子町「鍛冶田遺跡」 【(主)太子御津線社会資本整備総合交付金事業に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書】 鍛冶田遺跡は、揖保川本流の東、2.2km付近の微高地上に立地し、数万㎡...
弥生の村、史跡大中遺跡に隣接したフィールドミュージアムです。