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5月 12, 2019の投稿を表示しています

春の考古博は、学校見学のシーズン

例年以上に長かったゴールデンウィークが終わりましたが、 考古博物館ではもうしばらく、大勢のお客様でにぎわいが続きます。 新学期が始まったこの時期、近隣の小学校から 校外学習で見学に来ていただくからです。 当館の展示室は、「わかりやすく」をモットーにしているので、 楽しく学びにつながる「発見」があちこちに仕掛けられています。 (ちょっと宣伝です…汗) 館内の展示を、謎解きしながら見て回る、学びのプログラムも好評です。 あらかじめ、先生方と打ち合わせを重ねて、 学習活動や見学時間に合わせたプログラムになる工夫をしています。 *   *   * 考古博物館見学のもう一つの強みは、 隣に国史跡の大中遺跡公園があること。 今から1900年前の「弥生時代のムラ」が、 公園として保存されています。 当時の遺跡がどんな様子だったか? 復元された住居で体感できます。 案内や説明をされているのは、当館のボランティアの方々です。 遺跡では、弥生時代の暮らしを体で感じて、 想像していただきます。 昔の家は腰をかがめて入り口を入ると、 床が低くなっています。 どうしてこんな形になっているのかな? 電気もない時代だから、家の中は真っ暗。でも目が慣れてくると、 床に土器の復元品が置かれていることに気づきます。 これもボランティアの方々が、当時の作り方で焼いたもの。 「どうやって暮らしていたのだろう?」ちょっとした探検気分も味わえます。 このほかにも、遺跡公園の中には様々な「学びのネタ」が隠されています。 「自分で気づき・考える」きっかけも学んでもらえればと思います。 *   *   * 再び、博物館の中に戻ってきました。 次は何があるのかな? 中ではまが玉づくりを体験します。 昔の人がどのように道具を作ってきたのか? を学ぶきっかけづくりです。 安全のため、石の硬さや道具は変えていますが、 作り方は遺跡から出てくるまが玉と同じ。 自分の手を動かして、必要最小限の道具を使って、 「モノを作る」体験をしてもらいます。

特別展関連講演会「雪国の火焔土器文化」

新緑が眩しい5月11日(土)。 特別展関連の講演会「雪国の火焔土器文化」を開催しました。 講師は、新潟県津南町教育委員会の佐藤雅一学芸員です。 縄文文化を代表する火焔型土器について、本場の興味深い話が聴けるとあって、会場は満員になりました。 定住生活の始まった縄文時代における人間と自然の共生や縄文土器の文様について、 雪深い地域ならではの生活が縄文文化とどう結びつき展開してきたかお話いただきました。 また周辺に広がる火焔型土器を持つ文化の様相や、土器を作るとともにさまざまな文化を育んだ縄文人がどのように暮らしてきたかについて説明いただきました。 火焔型土器とともに出土する土偶や石棒など、自然とともに暮らす縄文人の信仰についても紹介され、 またカラムシなどの植物を編んだ〝アンギン"など、 防寒対策としても重要であった衣類の起源や縄文土器との関係など興味深い話もありました。 講演の終了後は特別に、佐藤先生が特別展の目玉や見どころについて解説をしてくださいました。 火焔型土器(新潟県津南町・諏訪前遺跡出土)を前にして、土器や遺跡にまつわるお話しをいただき、多くのお客様から感嘆の声が聞こえました。 展示室前には、同じく津南町の遺跡から出土した火焔型土器を手にとることのできる体験ブースを設け、こちらも多くの方が参加されました。 新潟県出土のホンモノの火焔型土器に触れていただいて、この土器を作った縄文人のココロを感じていただく機会になりました。 火焔のような皆さんの熱気がいつまでも残っているようでした。 特別展関連講演会、次回は5月18日(土)、 この「縄文土器とその世界」を担当する当館学芸員が、 「いま明らかになる兵庫の縄文」というテーマでお話しします。 次回もどうぞご期待ください。 ご来場お待ちしております。

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