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2月 3, 2013の投稿を表示しています

池ノ下遺跡 企画展 ひょうごの遺跡Vol.5から

企画展に伴う遺跡紹介、今回は、長越遺跡と同じく播磨国、姫路市南西部の苫編(とまみ)、町坪(ちょうのつぼ)、飾磨区高町に所在する池ノ下遺跡です。 名称の元となった「池ノ下」の小字は、北側に位置する四ツ池(北から町坪池、玉手池、中池、苫編池)の下方に位置することから付けられたと考えられます。 遺跡周辺には平安時代から中世の集落である豆田遺跡や大淨口遺跡、村東遺跡があり、遺跡密度が高いところです。 池ノ下遺跡遠景(南西から) 今回の調査は、周辺部での適切な市街化推進のための土地区画整理事業により実施されています。 本発掘調査区域は東西900m、南北260mと広大であったため、工区を8つに分け、調査も3ヶ年5次に亘って実施されました。 A地区全景 B地区全景 C地区全景 D地区全景 E地区全景 F地区全景 G地区全景 H地区全景 池ノ下遺跡の遺構と遺物は旧石器時代から中世に渡っていますが、企画展では弥生時代から古墳時代はじめにスポットを当てて展示しています。 池ノ下遺跡でも長越遺跡と同じく庄内式甕が出土します。 庄内式甕の説明は 播磨・長越遺跡 でどうぞ。 さらに、吉備、讃岐、阿波、河内、丹波、但馬、山陰など他地域の土器がみられます。 これらは、姫路市の南部のこの時代の遺跡の特徴です。 土器溜り 出土土器 また、ほぼ完形となった 縄文土器 をメインケースに展示しています。 優美なくびれを持ち、全体に精緻な文様を施した 「中津式」 と呼ばれる瀬戸内沿岸部に広く分布する土器です。 縄文をつけた後に囲った線の外側の縄文を消す 「擦り消し(すりけし)縄文」 技法が使われています。 こんな状態で埋まっていたものが、接合されて生まれ変わっています。 この縄文土器を発掘した調査員は、この地域ではなかなか完全な形となる縄文土器はないため、この時は「もしやと、胸高まらせていた。」と語っています。 ここまで完全なものは極めて珍しい縄文土器です。 もう一つメインケースに展示しています。 それは注ぎ口が水差し形をした 唐三彩(とうさんさい)の弁口瓶(べんこうへい) です。 唐三彩は 中国、唐代に作られた軟質陶器で、白地に

播磨・長越遺跡 企画展 ひょうごの遺跡Vol.5から

今回紹介するのは姫路市飯田の 播磨・長越遺跡 です。 兵庫県の南西部に広がる播磨平野は旧播磨国の主要部分であり、加古川、市川、夢前川、揖保川などの河川が、播磨灘に流れ込んでいます。 姫路市の市街地から南部の飾磨にかけては、船場川が流れています。 長越遺跡遠景 南西上空から 船場川はかつて市川の本流であったと言われていますが、1601年頃、池田輝政が姫路城を大規模に拡張するとともに、市川の流れを大きくして東の方に迂回させ本流化する改修を行いました。 その際、併せて船場川を城の防御として生かす改修も行いました。 その後水運にも利用されてきましたが、たびたび大雨や台風による水害にみまわれてきました。 今回の発掘調査は、船場川流域治水対策事業に伴って行われたものです。 兵庫県による船場川の解説は ここ です。 全景 南から 長越遺跡は昭和31年の下水道埋設工事の際に土器が収集されて確認されていましたが、昭和49年から2カ年にわたる姫路バイパス建設に伴う調査で知られることとなった、兵庫県を代表する弥生時代から古墳時代初頭の集落跡です。 弥生時代から古墳時代初頭と言えば、まさに卑弥呼がいた時代となります。 出土土器 昭和9年豊中市立庄内小学校緒立て替えの際に、弥生時代と次の古墳時代の特徴をもつ土器が見つかり、研究の結果、弥生時代と古墳時代の中間の時代の土器とされ、発見場所にちなんで 庄内式土器 と呼ばれました。 代表的なものは煮炊き用の甕であり、以下のような特徴を持っています。  ○土器の表面をタタキ板と呼ばれる刻み目のついた板で叩きながら細かい刻み目をつけて表面を仕上げる。  ○内側を削って薄く仕上げる。  ○底が弥生時代の平底から古墳時代の丸底の中間で、 尖りぎみである。 甕を台のようなものにのせて下から火を炊いたと考えられています。 こうすることによって煮炊きに要する時間が短くなります。 主な出土地域は、大和・河内を中心とする地方で播磨地方ではわずかしか出土していません。 それも船場川流域と姫路市の隣の太子町に集中していますが、長越遺跡はその中で最初に多量の 庄内式甕 が出土した遺跡です。 企画展 展示品 この他、讃岐や出雲、但馬・丹波、河内など他地域の特徴をもつ

水鳥形埴輪miniを試作しました。

平成25年春の特別展「播磨国風土記-神・人・山・海-」の期間中に開催する体験講座「水鳥形埴輪miniづくり」の試作をボランティアのみなさんと行いました。 焼かなくても大丈夫な「埴輪粘土」を使って、古墳から出土した水鳥の埴輪をモデルに試作してみました。 このイベントは「播磨国風土記が書かれた1300年前に、加西市や小野市が「賀茂郡」と呼ばれていて、その名前の由来が鴨が卵を産んだことを吉祥としたこと」という記載にもとづいて考案しました。 右上の大きな埴輪もボランティアさんが、実物の埴輪をもとに作ったものです。 こんなかわいらしい埴輪ができました。詳しいお知らせは2月下旬に展覧会のチラシができあがってからご案内します。ご期待ください。

東沢1号墳  企画展 ひょうごの遺跡Vol.5から

企画展 ひょうごの遺跡Vol.5 に展示している遺跡についてお知らせします。 今回は、東沢1号墳です。 調査地全景 北上空から 東沢1号墳は兵庫県のほぼ中央に位置する加古川市にあります。 加古川市は、古代以来交通の要衝であり、 奈良と太宰府を結ぶ山陽道のルート上に あり、古代においては「加古駅家(かこのうまや)」が置かれ、 江戸時代以降は 「加古川宿」として役割を担ってきたところです。 古墳は 東播磨南北道路建設工事 に伴って発掘されました。 市東部の加古川左岸の八幡町上西条に 位置し、八幡南インターチェンジ東側の本線部分にあたる箇所となります。 東播磨南北道路 の1番のところが、八幡南インターチェンジ予定場所です。 東沢1号墳 北西から 東沢1号墳は一辺約20mの方墳(四角形の墳)ですが、後世の開墾(耕地整理)により平らに削り取られ、南北方向に12mが残っていたものの、埋葬施設はありませんでした。 築造された時期は古墳時代中期、5世紀前半と考えられます。 ここ西条地区には他にたくさんの古墳があり、西条古墳群と言われていますが、同時代の古墳としては、行者塚古墳、人塚古墳が知られています。 古墳の東側には、祭祀を行っていたと考えられる造り出し(5m×1m)と呼ばれる部分があり、造り出しをもつ県内初の方墳となっています。 造り出しには家形埴輪と壺形埴輪が並べられ、韓式系土器や初期須恵器、ミニチュア土器などを用いて葬送に伴う祭祀が行われていたようです。 造り出し供献遺物群 渡来人か、渡来人との交流に大きく関わる役割を果たしていた人が葬られていたと考えられます。 東沢1号墳を含む今回の調査地の中央には、大正時代に銅鐸が出土したといわれる「望塚(ぼんづか)」もあり併せて調査されましたが、出土以後に実施された耕地整理後に造られていたことが明らかになりました。 発掘調査前に溝が確認されていて、この遺跡は単なる集落跡と予想されていました。 ところが掘り進むうちに溝が曲がって方墓と確認され、造り出しも出てきて、調査員にとってはたまらない遺跡となりました。

咲いた 咲いた 梅の花が咲きました

咲いた咲いた梅の花 大中遺跡公園に春の雰囲気が漂いました 大中遺跡公園には梅林があります・・・・・・でもまだ蕾です ここではありません 大中遺跡公園の梅林  まだまだ蕾  どこで、咲いてるのかな・・・ 場所はここ  ヒント・・・・・考古博物館の西入り口付近 今週の土日から見頃です この木です まだまだ、寒い日が続きますが、是非見にきてください

考古博の年中行事イベント 節分-鬼瓦のお面で鬼退治-

2月3日(日)に考古博物館恒例の年中行事イベント 節分-鬼瓦のお面で鬼退治-を実施しました。                 このイベントは加古川市の古大内遺跡で鬼瓦の破片を発掘したことを契機に始まりました。               元の形を復元するとこんな模様になります。 お面は切り抜いて色を塗るだけ。誰でも参加できます。                     鬼瓦のレプリカで拓本体験にもチャレンジ。 みんなで少しずつ墨をつけてゆきます。                  考古博の豆まきは、秋に大中遺跡公園で拾ったドングリを使います。 籠もボランティアさんが作ってくれました。      鬼の的をめがけて元気よく豆まきします。 実はこの後、あっと驚くハプニングが・・・・。 それが知りたければ来年ご参加ください。 (今年、参加した人は内緒にしていてね。)

作品展示と販売 東はりま特別支援学校

今日から金曜日までの4日間、東はりま特別支援学校による「東はりま作品展」が行われています。 これは、日頃の学習の成果を発表することを通して経験を豊かにしたり、学校を理解にしてもらう機会とするため実施されているものです。 まず、 ネットワーク広場 で行われている 作品展示 です。 中学部、高等部の美術部作品や授業の中で仕上げた児童生徒の作品等が発表されています。 どれも力作ばかりです。 先生方の笑顔が並んでいます。 体験学習室2 では、高等部作業班(食品加工・織物・縫製・陶芸・木工・農園芸班)による 製品販売 が行われています。 売り切れご免 となっていますので、お早めにどうぞ! 平成24年度「東はりま作品展」    期間 平成25年2月5日(火)~2月8日(金)    場所 考古博物館 ネットワーク広場(展示)        体験学習室2(販売)

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