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5月 26, 2019の投稿を表示しています

「ちょこっと体験」はいかがでしょうか。

沖縄・奄美から九州にかけて梅雨入りが発表された日本列島。 でも考古博物館の周辺はカラッとしたよい天気でした。 時折の強い日差しに汗ばむくらい。 日差しがきつい時間帯は、屋内でクールダウンしたいもの。 おかげさまで?天気の良い日は考古博物館に来られる方も増えています。 好評開催中の特別展「縄文土器とその時代」ご来場いただけましたか? 今日は特別展ではなくて、その横にあるテーマ展示室の意外な?一面をご紹介。 *   *   * テーマ展示では、兵庫県内の古代について様々な展示品でご紹介していますが、 様々な体験メニューが隠されているのをご存知でしょうか。 その一つが毎週土曜日に開催の「石棺に入ろう」 なんと、展示品である「王墓の石棺」に、実際に入ることができるのです。 ふつう博物館で、展示品のなかに「実際に入ってみる」なんてことはできませんが 兵庫県立考古博物館では、できます! 古代の王は、自分の墓として大きな古墳をつくり、 大きな石をくりぬいた棺を置きました。 この石棺に使われた石の多くが兵庫県の高砂でとれる「竜山石」です。 テーマ展示室には、竜山石を使って古墳に置かれていたものと同じ サイズに復元した「石棺」を展示していますが、 自分でその大きさを確かめることもできます。 このほかにも、古代の衣装を身に着けるというコーナーもあったりします。 フォトジェニックなコスプレ写真が撮れるかも。 *   *   * 他のプレイスポットではなかなかできない、 ちょっとした「古代の体験」が、考古博物館ではできます。 自分だけの「ちょこっと体験」を見つけに、考古博物館へ是非どうぞ。 この時期は、日差しを避けるクールスポットとしても、お越しください。 お待ちしております。

特別展関連講演会「土器棺墓ー生と死を媒介する土器ー」

折り返し地点を過ぎ、ますます熱い盛りあがりをみせる当特別展。 5月25日(土)に関連講演会「土器棺墓―生と死を媒介する縄文土器―」を開催しました。 講師は、奈良県立橿原考古学研究所の 岡田 憲一 指導研究員です。 近畿地方を中心に縄文時代の研究をしておられる岡田先生に、 「墓」として使われた縄文土器を切り口にして、縄文人の精神に関するお話しをいただきました。 はじめに、今の人類に先んじて活動したネアンデルタール人が、遺体の下に花を敷いて埋葬していた跡が見つかったイラクのシャニダール洞窟の発掘例から、「死んだ人を悼む」意識があったとされる学説をご紹介いただきました。 今からはるか数万年も前より「葬る」ことが意識されていたかもしれないことは驚きました。 続いて、植物や動物の骨などから判る旧石器時代から縄文時代にかけて、 埋葬法や墓のうつりかわりについて、 それぞれの特徴を解説いただきました。 遺跡から出土した“人骨”について、見つかった当時大きな話題になった辻井遺跡(姫路市)出土の人骨や、館の常設展示にある日笠山貝塚(高砂市)出土の縄文人の人骨についても説明がありました。 土器に死体を入れて、棺にしたものを広く「土器棺」と呼びます。 縄文時代の終わりごろに各地でみられますが、九州が特に盛んで、時代を経て近畿地方に広がりをみせます。 遺跡ごと/地域ごとの特徴について説明がありました。 土器棺墓の特徴について、焼いた骨が出土した事例がすでにあることや、 骨の変質から一度どこかに葬ったものを改めて埋葬し直した様子があることを紹介されました。 土器を死者の棺として利用したのはなぜか?という問いに対しては、「想像を含めて」と前置きされながら、 「煮炊きにつかう土器が「食べる=生きる」ことのシンボルとして捉え、その器をつかうことで生死の過渡期をつなぐものだ」とする説や、土器棺に葬られた骨が離乳期前の幼いものが多いことなどから、土器を母体に見立てたとする説を語られました。 講演の最後には、周辺の環境と折合いをつけながら生活していた縄文人が、どのような気持ちを抱いていたのか。その手がかりを一つ一つの事例から読み解いて縄文人の想いに近づけたい、との熱い想いを語られました。 時をこえて人の気持ちに迫る大

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