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10月 11, 2020の投稿を表示しています

古代米の稲刈り作業 -小学生の古代体験-

 青空に恵まれ、秋の一日、考古博物館恒例の稲刈りを実施しました。  例年は、地元蓮池小学校の5年生が、6月に田植えをして、それを自分たちで刈り取るのですが、今年はコロナウイルスの関係で、当館のボランティアが田植えをしました。  奥から種子島赤米、ハリマモチ、ヒノヒカリ、壱岐黒米、対馬赤米がたわわに育っています。赤米と黒米は古代米です。  児童はクラスごとに、4班に分かれて順次稲刈りをします。  最初に担当職員から注意事項があり、簡単に稲刈りの歴史について学習をします。  古代体験として、石包丁を使ってみます。右きき用と左きき用があります。  児童たちは、一列に並んで目の前の稲を刈っていきます。田んぼの担当者が、けがなどしないように注意しています。 最初は石包丁で稲穂摘みの体験です。 穂のすぐ下の部分に刃を当てて、素早く手首を返してカットするのがコツです。 一本ずつ行うので大変な作業です。古代ではこうして苦労して収穫していたんですね。  続いて鎌の使い方についての説明です。今回使っている鎌は、刃がのこぎり状になっているものなので、単に引いて切るのではなく、少し回転させるようにして切ると簡単に切れます。  早速実践です。できるだけ地面に近い部分を切ります。  切った稲を3束ほどまとめ、切り口をできるだけ揃えて、後ろに控えている結束作業のボランティアに渡します。  結束班は、けっこう人数はいるのですが、児童が作業になれてくると大忙しで大変です。 児童が入れ替わるたびに、結束作業をするビニールシートを移動させます。 大分、刈り取りが進みました。  今回はかなり田んぼがぬかるんでいたので、運動靴はドロドロになりました。  後ろの児童はお腹まで泥が付いています。よく頑張ってくれました。ありがとう! 楽しかったかな?  時間切れになったので、残りは職員とボランティアで刈り取りました。  田んぼの整理をして稲刈りは無事終了。  これらのお米は、11月に脱穀したあと、1月に蓮池小学校の給食のご飯になります。  自分たちが刈り取ったお米、どんな味がするのかな? おいしいかな?  楽しみにしていてください。

現地説明会レポート「古代の港(継潮:つぎのみなと)関連遺跡―姫路市登リ田遺跡」

10月4日(日)、兵庫県教育委員会が(公財)兵庫県まちづくり技術センターに委託して調査を行っている登リ田遺跡(姫路市)の現地説明会が開催されました。少し雲が多い空模様でしたが、200名近くの参加者がありました。今回の説明会も密を避けるため、複数の担当者が一定数の参加者を引率して解説を行いました。 登リ田遺跡では飛鳥時代から平安時代にかけての建物が13棟以上見つかっています。 建物は棟の向きが異なる3つのグループ(ほぼ南北方向に向くもの、東に12度振るもの、東に約28度振るもの)に分類され、建てられた時期が異なっているものと考えられます。 遺跡周辺の地盤は、川が近く砂を含み軟弱なため、柱穴の底に石(礎盤石)を入れ、柱の沈下を防いでいました。 また、新聞記事でも取り上げられた飛鳥時代の馬の墓については、資料保護のため実物を公開できないため、写真パネルで説明を行ないました。 出土した遺物には播磨地域の役所・寺院で使われた播磨国府系瓦(古大内式軒丸瓦)・緑釉陶器・製塩土器・墨書土器・土馬があります。 それでは登リ田遺跡はどのような性格の遺跡なのでしょうか? 規則正しく配置された建物跡、播磨国府系瓦をはじめとする遺物の内容から、役所的な要素がうかがえます。遺跡の周辺は、古代においては播磨国飾磨郡美濃里に含まれます。『播磨国風土記』には「美濃里 継潮(つぎのみなと)」とあり、このあたりには港が置かれていました。登リ田遺跡は「継潮」に関連する施設ではないかと思われます。今後の調査でさらに遺跡の詳細が明らかになっていくでしょう。 当ブログでは今後も兵庫県教育委員会が(公財)まちづくり技術センター埋蔵文化財調査部に委託して実施する発掘調査の情報をレポートしていきます。お楽しみに。

特別展「兵庫ゆかりの武将たち」開会式報告

台風14号接近に伴う雨の中、秋の特別展「兵庫ゆかりの武将たち-明智光秀とその時代-」の開会式を、ご来賓をお迎えして実施しました。 春の特別展が、新型コロナウイルス感染拡大のため開催中止になりましたので、1年ぶりの開会式です。今回は今人気の明智光秀や同時代に活躍した武将たちに焦点を当てた展覧会です。 感染症予防のため、座席間隔を開けて30席を設けました。 いつもの半分以下です。 雨で館内が少し暗いので、スポットライトを用意しました。 なかなか好評でした。 10月9日午後3時、開会式が始まりました。 最初に当館館長、和田晴吾が挨拶いたしました。 光秀人気のため、展示資料が思うように集まらず苦労したことなど、裏話を交えて今回の見どころを紹介しました。 ご来賓の皆さまです。左から 播磨町長 清水 ひろ子 様 兵庫県議会議員 岡 つよし 様 兵庫県東播磨県民局長 伊藤 裕文 様 公益財団法人兵庫県まちづくり技術センター理事長 古川 直行 様 ご臨席ありがとうございます。 ご来賓を代表して、播磨町長 清水ひろ子様から祝辞をいただきました。 兵庫県議会議員 山本敏信様からは、お祝いのメッセージをいただきました。 ご来賓の皆さまと、当館館長によるテープカットです。 「どうぞ」の声と共に一斉にシャッター音が鳴り響きました。 開会式直後、特別展示室の扉を開き、内覧会にお客様をご案内しました。 新型コロナウイルス感染症対策のため、2班に分けてご観覧いただきました。 担当学芸員が展示物の見どころを詳しく紹介しました。 特別展は、11月29日(日)までです。秋の行楽の1ページにぜひ考古博物館での観覧をご予定しておいてください。 ご来館をお待ちしております。 * * * * * -お願い- 今回の特別展は、写真や動画撮影が全面禁止となっています。悪しからずご了承ください。 記念撮影については、会場入り口横に場所を設けています(上の写真)のでご利用ください。

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