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7月 13, 2025の投稿を表示しています

今年の夏季企画展はコスパがいいね!

ここ数年の夏季企画展では、①前年度に兵庫県教育委員会が実施した発掘調査の成果、②同年度に刊行した報告書掲載の資料、などを展示していますが、 今年度はそれに加えて、③丹波地域の弥生土器、④加西分館「古代鏡展示館」の逸品、も紹介しています。   ひと つの展示会で4種類の展示が楽しめるお得な企画となっています。   そこで、今回のブログは④「古代鏡」にスポットあててみました。  まず、古代鏡は何でできているのか。  ガラス? 確かに現代では透明なガラスに銀を貼り合わせて作るのが基本ですが、古代の鏡は、銅に錫(スズ)、鉛などを混ぜた合金でできています。金属に映すという意味では今も古代も同じですね。  アレ? 同じような合金で作られた展示品って最近目にしませんでしたか?  そうです。春季特別展で主役となっていた銅鐸と同じ「青銅」という 合金 でできています。  ですからこれらの鏡は「青銅鏡」(通称「銅鏡」)と呼ばれていて、年月が経過すると銅鐸のように青サビ(緑青:ろくしょう)により緑色になってしまいます。 (ちなみに古代の鏡は紋様のある面の裏側で映します)                                  環状乳神獣鏡  たまに、来館者の方から 「どうしてサビをそのままにして展示するのか? きれいに磨かないのか?」 といった質問を受ける時があります。  その答えは「資料の破壊につながる」のと、「緑青には良いサビもある」からです。  緑青は、サビの原因である酸素や水分、二酸化炭素などが銅合金に触れ、金属の表面に発生しますが、このサビが被膜を形成することによって金属内部を腐食から保護する効果が期待できるのです。緑青に覆われた屋外の古い銅像が朽ちてしまわないのはこのためです。  同じサビでもブロンズ病と呼ばれる悪いサビは、腐食、崩壊を進めるため、削り取ってしまう場合もあります。  それから、全面を きれいに ピカピカに磨いてしまうより、サビが進んだものを好むといった 日本人の特有の感性 があることも一因でしょう。まさに侘び寂び(わびサビ)の世界です。  さて、このような青銅の鏡を作りだしたのは古代(紀元前2,000年頃)の中国で、その後、弥生時代になって中国や朝鮮半島から日本に伝えられました。    以下は、常設展示室にある鏡...

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