5月1日にメインホール展示の入れ替えをしましたのでご紹介します。 開催中の春季特別展「弥生集落転生-大中遺跡とその時代-」に関連して、5~6月のメインホール展示は、大中遺跡と同時期の集落であったとされる淡路市岩屋の塩壺西遺跡出土の土器を展示しました。 塩壺西遺跡は淡路島北部に位置し、明石海峡を眼下に望む標高60mの山の上(現在の淡路ハイウェイオアシスのあたり)に営まれた弥生時代後期(今から約2,000年前)の遺跡です。 発見された13棟の竪穴住居跡の中には、大中遺跡と同様に北部九州由来とされる2本柱で屋根を支える長方形の住居跡が複数見つかっています。 【塩壺西遺跡出土の弥生土器】 左から器台、ミニチュアの小型壺、杓子(しゃくし)形土製品、甕。 塩壺西遺跡からは、弥生時代としては最大級の現存長13.6㎝の鉄鏃(てつぞく:鉄のやじり) なども出土しています。(上の写真:当館テーマ展示室で展示中) 手前の小さな土器は、杓子形土製品で、右側の突起部分に木製の柄を取り付けて、杓子として使われたのではないかと思われます。 大きな弥生土器甕の胴部にはタタキ板(羽子板のような形状で、土器の表面を叩き締めて形を整えるのに使用する道具で、叩く面には溝状に平行する凹みがあったようです)の筋跡が残っているのが見られます。弥生土器の特徴を示す筋跡ですが、この甕は口縁部の装飾にもタタキ板を用いた跡が見られます。これは他地域ではあまり見られない淡路の弥生土器甕の特徴だそうです。 メインホール展示は6月末まで。特別展示室やテーマ展示室と併せてご鑑賞ください。
弥生の村、史跡大中遺跡に隣接したフィールドミュージアムです。