平成23年3月11日東北地方を襲った東日本大震災、被害の大きい東北3県に対して兵庫県・関西広域連合は復興支援のための職員派遣を行っています。 考古博物館も復興を担う埋蔵文化財業務の専門員として、職員2名を東北に派遣しています。 宮城県に派遣している職員から、このブログに寄せて東北復興発掘だよりが届きました。 宮城県に震災復興支援のために派遣されて、3ヶ月が経ちました。 1月 14 日から 2 日間降り続いた雪は、通常雪の少ない仙台市内でも 25cm ほど降り積もり、 1月としては 8 年ぶりの大雪となりました。 10 月末から石巻市の牡鹿半島で、津波で被災された方々が高台移転する予定の小高い丘で 縄文時代前期(約 6000 年前)の遺跡の発掘調査に取り組んでいます。 私の担当するこの中沢遺跡の復興調査の様子を紹介しましょう。 「東北の宮崎」と言われる石巻ですが、年末から常時ほぼ氷点下の世界となっています。 高台移転を1日でも早く待っている地域の方々のために冬季も調査を続けています。 朝、養生用のブルーシートをめくると、遺跡は氷に覆われていました 土の表面が凍ってしまい、なかなか削ることができません 凍った土をがんばって掘ると、長さ 15cm ほどの立派な尖頭器(槍先)が 近隣の仮設住宅で暮らされている方々も一緒に参加しておられ、自らの移転先を掘っておられる方も。 高台移転先に 6000 年前に暮らしていたご先祖様たちの息吹を感じながら。 厳しい自然環境の変化や災害にも負けず、縄文時代を見事に生き抜いた東北の縄文人。 サウイフモノニワタシハナリタイ。
弥生の村、史跡大中遺跡に隣接したフィールドミュージアムです。