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1月 13, 2013の投稿を表示しています

―東北復興発掘だより―凍ッタ土ニモ冬ノ寒サニモマケズ

平成23年3月11日東北地方を襲った東日本大震災、被害の大きい東北3県に対して兵庫県・関西広域連合は復興支援のための職員派遣を行っています。 考古博物館も復興を担う埋蔵文化財業務の専門員として、職員2名を東北に派遣しています。 宮城県に派遣している職員から、このブログに寄せて東北復興発掘だよりが届きました。 宮城県に震災復興支援のために派遣されて、3ヶ月が経ちました。 1月 14 日から 2 日間降り続いた雪は、通常雪の少ない仙台市内でも 25cm ほど降り積もり、 1月としては 8 年ぶりの大雪となりました。 10 月末から石巻市の牡鹿半島で、津波で被災された方々が高台移転する予定の小高い丘で 縄文時代前期(約 6000 年前)の遺跡の発掘調査に取り組んでいます。 私の担当するこの中沢遺跡の復興調査の様子を紹介しましょう。 「東北の宮崎」と言われる石巻ですが、年末から常時ほぼ氷点下の世界となっています。 高台移転を1日でも早く待っている地域の方々のために冬季も調査を続けています。 朝、養生用のブルーシートをめくると、遺跡は氷に覆われていました 土の表面が凍ってしまい、なかなか削ることができません 凍った土をがんばって掘ると、長さ 15cm ほどの立派な尖頭器(槍先)が     近隣の仮設住宅で暮らされている方々も一緒に参加しておられ、自らの移転先を掘っておられる方も。 高台移転先に 6000 年前に暮らしていたご先祖様たちの息吹を感じながら。 厳しい自然環境の変化や災害にも負けず、縄文時代を見事に生き抜いた東北の縄文人。 サウイフモノニワタシハナリタイ。

赤米麺&赤米ちらし寿司の味は!?

県立農業高等学校食品科学科の生徒さんが、赤米を使った加工品の講習会を開きました。 材料は当館が栽培している赤米と赤米の酒から造った酢(赤米酢)です。 クセのある材料を工夫して、麺と寿司を完成させました。 今日は、博物館ボランティアのみなさんを対象に作り方教室を開きました。 写真で紹介します。 すこし緊張しながらみんなの前で説明 笑顔千両! 頬かむりじゃないよ、ハマダさん。 赤米粉は小麦粉とフードプロセッサーで混ぜます パスタマシーンから麺が出てきて・・・ 出来た赤米麺 ~モンブランの上のやつみたい~ きっかり、3分ゆでる こちらは、赤米と白米を混ぜて酢飯づくりの最中 完成した赤米麺(左)とちらし(右) 割り箸の置き方が逆かな? いただきま~す 肝心の味は、結構いけます。 何回も試作した成果が出て、難しい材料をよく工夫されています。 「さすが、専門家はちがうなぁ」と参加者から声があがりました。 今日つくった加工品は、まだ博物館の講座に出せるものではありませんが、 いずれ、何らかのかたちで古代体験メニューにしたいと思っています。 赤米を材料にして加工食品づくりに挑戦するプロジェクト、ことしで3年目になります。 これまで、クッキー、酒まんじゅう、シュークリーム、おかきなどを試作してきました。 高校生の自由な発想は新鮮でとても参考になります。 なにより、博物館内に若い空気が満ち、華やいだ雰囲気になりました。 今日は若者の音楽イベントHaRiMa Wiinter Palet Live も開催され。  寒さ厳しい冬の、ほっこりした一日となりました。

いろんな所で準備中

イベントガイド 考古博物館で行う行事・イベントなどは、1年以上前から内容の検討や日程調整を行っています。 このイベントスケジュールがお客様に一目でわかっていただけるよう、年度ごとにイベントガイドを作っています。 今のイベントガイドは、この3月末まで。 みなさんが興味を持てて 、 喜んで来館していただけるような内容をについて、 予算などを考慮しながら館内で協議を行っています。 こちらでは、イベントガイド最終ページのアクセス地図をより分かり易くするために、デザインし直しています。 企画展ひょうごの遺跡 vol.5 -調査研究速報- こちらでは、兵庫県の発掘の状況をいち早く公開する、 企画展ひょうごの遺跡 に展示するための遺物が集められています。 キャプションの制作や展示スペースの検討を行って、近々展示作業に入ります。 今回は、県下各地の20遺跡のものを展示し、講演会も行います。 博物館での案内はこちらです。 備前焼甕 丹波焼甕  HaRiMa Winter Palett Live  こ ちらは明日講堂で行う音楽会の準備中です。 照明、音響そして観客席の準備が進んでいます。 19日(土)の13:00開場、13:30開演となっていますので、よろしくお願いします。 博物館での案内はこちらです。     日  時  平成25年1月19日(土)  13:00 開場 14:00 開演   場  所  県立考古博物館 講堂   入場料   無料   出  演    第1部 13:00~                      TEEDA(民族楽器等)                                            エスペランサ(フォルクローレ)         第2部 15:50~                      ルミエールジャズカルテット(JAZZ)                      インチウォーム(ゴスペル)                      エンディング大ジャムセッション こ

たたら製鉄 大成功

博物館前の体験広場の一角、竪穴住居跡で、ボランティアのみなさんが集まり七輪を3つ重ね合わせて作り上げた炉の組み立てがはじまりました。 今年春の特別展に合わせて、砂鉄と木炭を使った たたら製鉄 のイベントを計画中で、本日はその予行演習となります。 事前に学習し、知恵を出し合ってつくりあげた自慢の炉ですが、果たしてうまくいくでしょうか。 横のパイプから風を送ります 炭を細かくします 「 播磨国風土記 」に「 敷草村(しきくさむら) 」で「 鉄を生す(まがねをいだす) 」と記されている宍粟市千種町の千種川から砂鉄を集めてきました。 砂が混じっている砂鉄 磁石を使い砂鉄だけを選別します 木炭を入れて点火し、炉の温度を上げていきます。 なんと1,600度となり温度計が溶けて計測不能となってしまいました。 炉の様々な箇所が熱によるダメージを受けています。 粘土を使って穴をふさぎ直します 炉の中にオレンジ色の光がみえます 状態を見ながら、木炭を入れて、砂鉄を入れて、また木炭を入れます。 うっすら炎の中の竪穴住居 火の用心 追加で炭作り たたらでは砂鉄と木炭を炉に入れて燃焼させ、砂鉄を還元して鉄を製造します。 そのとき、砂鉄に含まれる不純物は高温で溶融し、 のろ いわゆる鉱滓、スラッグとして排出されます。 火入れから3時間半後、この「 のろ出し 」を行いました。 流れ出るのろ 冷ますと割れてきます 割れたのろ 専門の鍛冶屋さんから のろ も鉄づくりのために必要であり、 のろ の中で鉄が成長することや のろ づくりのための粘土の使用方法、炉の工夫など聞いているうちに、いよいよクライマックスの時がやってきました。 温度を上げすぎても鉄が燃え尽きてしまうとか。 たたら製鉄 は5年間やり続けて成功しなかった大学もあるという程難しいことと聞き、期待と緊張が走ります。 1段目の取り外し 2段目の取り外し ここから けら という粗鋼を取り出す、いわゆる「 けら出し 」作業になります。 炭を取っていきます やった! けら が出来てい

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