考古博物館の定番古代体験のひとつが「火おこし」です。今はライターやマッチで簡単に火が付きますが、昔は木の棒と板だけで火をおこしました。
古代の火鑽臼(ヒキリウス)
体験用の道具は、杉板の火鑽臼(ヒキリウス)とセイタカアワダチソウの揉鑽(モミギリ)です。ヒキリウスにはあらかじめくぼみと切目が入っています。このくぼみにモミギリをあてて回転させ、その摩擦熱で火をつけます。
体験用の火鑽臼(ヒキリウス)と揉鑽(モミギリ)
それでは学芸員のスゴ技をごらんください。実演は火おこし歴20年の中村弘学芸課長です。所要時間は約1分です。
火おこし動画モミギリ(約1分)
いかがだったでしょうか。簡単そうに見えるかもしれませんが、手のひらでモミギリをはさみこんで、ヒキリウスに押しつけながら回転させるので、相当力が必要です。
もう少し楽にするために二人で代わる代わるモミギリを回す方法もあります。実演は中村学芸課長と学習支援課の岡本さんです。
火おこし動画モミギリ二人(約40秒)
ピッタリ息があってるとは言えないかもしれませんが、一人でするよりはずいぶん早くできます。さらに楽にできるのがユミギリを用いる方法です。
火おこし動画ユミギリ(約40秒)
これは楽そうですね。でも昔の人はモミギリでももっと早くできたかもしれませんね。博物館が再開したら、みなさんもぜひチャレンジしてみてください。
(企画広報課 多賀茂治)