当館秋の特別展「埴輪の世界」、いよいよ開幕直前となりました。
各地から様々な種類の埴輪が集まる今回の展示会。
ご覧いただく皆さんに、喜んでいただければと
担当学芸員を中心に知恵を絞って準備を進めてきました。
展示の見どころについては、当館のホ−ムページをご覧いただくとして
(ちょっと宣伝です…汗)
今回も、ただいま大急ぎで進めている準備作業をご紹介します。
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前回は各地の博物館から、展示する埴輪を借りてくる作業をご紹介しました。
今回は、その埴輪たちを、ご覧いただけるように展示室に並べる作業
(列品と言います)をレポートします。
まず、展示する資料を、仮置き場から特別展示室に集めます。
みなさんにお伝えしたいテーマに沿って、展示室のどのケースに
置くかを決めます。
どうやったら思いが伝わるかな?順番だけでも結構悩みます。
運搬の時に壊れないよう囲んでいた木の枠を外して行きます。
同時に借りる前の様子と、どこか違ったところはないか?
念入りに確認します(この時は結構緊張します)。
展示品の中には、人の背と同じ高さのものもあります。
重たいし、置いてみて初めて、不安定さがわかる場合も。
しっかり設置できるまで、安心できません。
ケースに並んだ後は、さらに透明な糸で倒れないように固定します。
糸がかかって壊れては何もならないので、学芸員がどこを固定する
か、慎重に探りながら展示業者と共同で作業を進めます。
こうしてようやく展示ケースに埴輪たちが並んできました。
あれこれ考えて計画を立てますが、ケースに並んだときの
見え方が大事なので、間隔や場所を微調整します。
奥の壁には、解説のパネルを取り付けます。
ちょっと展示室の外へ。別の作業室では埴輪をより深く
知ってもらうための、説明用パネルを作っています。
専用の大型プリンターで打ち出した用紙を、
のり付きのパネルに慎重に貼っていきます。
ずれたりシワができないよう、違った慎重さが必要です。
展示室では、ケースのほかにも展示用のスペースを作ります。
これは木の台を使って、展示品を並べる台を作っているところ。
こんな感じで台が出来ました。この上にも埴輪を並べます。
ガラスケースと違って、できるだけ埴輪を間近にご覧いただく
よう工夫しました。どんな埴輪が並ぶかな?
完成した様子は、ぜひ特別展の会場でご確認ください。
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博物館では、資料を並べ終わったところをご覧いただきますが、
2回に分けて、博物館の展示準備をご紹介しました。
さあ、いよいよ作業も大詰め。準備万端で開会を迎えます。
特別展「埴輪の世界ー埴輪から古墳を読みとくー」は、
令和元年10月5日から、いよいよスタート。
皆さんのお越しをお待ちしています。