スキップしてメイン コンテンツに移動

展覧会終了後の撤収作業

 展覧会の準備作業は毎回お伝えしていますが、今回は夏季企画展「淡路島発掘」の撤収作業について、簡単にご紹介します。

 大きな遺物は二人掛かりで慎重に箱詰めします。力仕事なのは列品作業の時と同じです。

 館所蔵の遺物ですので、収蔵庫までのわずかな距離の移動ですが、破損しないようきちんとクッションを入れて備えます。

 目玉資料などを入れるガラスケース(覗きケース)です。蓋は、それ自体はかなりの重量ですが、油圧で軽く開きます。

 小さな遺物は、一つ一つ保管場所を記載したシールと照らし合わせてビニール袋に入れていきます。

 ガラスケースの下部です。ケースの底に調湿剤を入れておくスペースがあります。湿気の調整は遺物展示の大事なポイントで、展示物に合わせて一定に保つことが重要です。

 遺物にはそれぞれどこかに番号などが貼られて、管理されています。展示の時に見えない場所、もしくは見えないように展示するなど工夫します。この番号により同じような大きさ、形状の遺物が複数あっても特定できます。

 この遺物に貼られた番号と同じ575と書かれた袋に収めます。この袋には保管場所などを記載したメモが入っています。

 ごく小さな遺物も一つ一つ分けて袋に入れます。

 他館からお借りしてきた遺物や資料は、間違えの無いように借用時のデータと照合しながら収納します。

 靴を脱いで、きちんと正座して袋詰め作業をします。厳かです。背筋がピンと伸びます。

 この資料は、引き続き別の場所で展示される人気者です。
 後日遠方から借用に来られました。

 説明ボードや、遺物のキャプションボードもすべて撤収しました。

 ほぼ撤収作業が完了しました。

 お借りした資料を返却しに行きます。

 公用車のワゴンの荷台に積み込み、これから出発です。
 今回のテーマ「淡路島発掘」の名の通り、淡路島各市を回ってお返しに上がります。
 展覧会へのご協力、ありがとうございました。

*  *  *  *  *

 次回の展覧会は、秋季特別展「屋根の上の守り神-鴟尾(しび)・鯱(しゃちほこ)-」が10月2日(土)から開催されます。
 月末になりましたら、準備作業などもご紹介いたします。

 特別展の内容につきましては、ホームページをご覧ください。

 どうぞ、お楽しみに!

   

このブログの人気の投稿

あなたは縄文人? 弥生人?

人の顔形はさまざま! 顔の輪郭、髪の毛、眉の形、目・まぶた・鼻・口の形は各人ちがいますが、 これらのパーツも縄文人に多い形、弥生人に多い形があります さて、あなたは 縄文人? 弥生人? まずは「自分の顔をつくってみよう」 縄文顔:四角い顔、太い眉、どんぐりまなこ、二重のまぶた、広がった鼻、分厚い唇、毛深い 弥生顔:面長顔、細い眉、切れ長の目、一重のまぶた、小さな鼻、薄い唇、ひげが薄い まず自分の顔をつくってみましょう これらのパーツをつかって・・・ 自分の顔をつくってみましょう そして、左のページを持ち上げ、右の顔に被せるように折りたたみます そして開いてみると 左に顔が移りましたが、 緑 と 橙色 のパーツに 緑は縄文人 橙は弥生人 各パーツが混じっています 現代人は 縄文人的な要素 と 弥生人的要素 が混じっているのです。 中国大陸や朝鮮半島などから各時代に渡来し、混血し、今の日本人になったと考えられます 「自分の顔をつくってみよう」 は 考古博テーマ展示室「人」のコーナーにあります 是非自分の顔をつくって、試してみてください!

明石駅・西明石駅のむかし

特別展「鉄道がきた!ー舟運・海運・馬車道・鉄道ー」 写真展 協力:西日本旅客鉄道株式会社神戸支社 明石駅・西明石駅のむかしの写真があります 明石駅・西明石駅のむかし 昭和9年の明石駅 昭和30年代前半の明石駅 昭和39年の明石駅 昭和47年の西明石駅(新幹線) 西明石駅の在来線と新幹線(昭和47年) 大阪ー神戸間開通140年記念写真展 是非ご覧ください 【お知らせ】 11月1日(土)10:00~16:00 兵庫県立考古博物館とその周辺を会場に 全国古代体験フェスティバル 2014を開催 雨天決行! ---------------------------------------------------------------------- 大阪ー神戸間開業140周年記念写真展 協力:西日本旅客鉄道株式会社神戸支社 11月30日(日)まで 1階エントランスホール ---------------------------------------------------------------------- 次回の特別展講演会 11月8日(土)13:30~15:00 「山陰山陽連絡鉄道敷設計画と播磨・境ルートの検証」 小西 伸彦 (吉備国際大学外国語学部准教授) ---------------------------------------------------------------------- 11月15・16日(土・日) 15日:12:00~15:30 16日:10:00~15:30    ミニSLやミニ特急列車に乗ろう!(ミニ鉄道走行会)    協力:OSライブスティームクラブ 兵庫県立考古博物館 体験広場にて    ※別途観覧券要・開始30分前から整理券配布・お一人様2回まで    ※小雨決行(天候により中止になる場合があります)。 駅そば・駅弁販売     ~駅弁の掛け紙は復刻デザイン!~    姫路名物駅そば、駅弁

#自宅でも考古博 23 「型式の移り変わり」

  当館では考古学の成果だけではなく、考古学での「考え方」についても、さりげなく展示しています。東エントランスを入ったところにある「ときのギャラリー」もそうですが、「発掘ひろば」にもそうした展示があります。  「発掘ひろば」の左奥、壁に丸い水筒のような須恵器が四つ並んでいます。これは古墳時代の「提瓶」(ていへい)と呼ばれる須恵器で、型式の移り変わりを実感していただくための展示です。  考古学では、型式の移り変わりを考える際にポイントとなる「ルジメント」という考え方があります。もともとは生物学の用語で、日本語では「痕跡器官」となります。例えば、人の尾てい骨のように、昔は機能していても、現在は退化して、痕跡のみとなっている器官の事です。  提瓶はこの「ルジメント」が判りやすいものですが、それにあたるのはどの部分でしょうか? 提瓶の型式変化    肩の部分に注目してください。右から丸い輪が両方についているもの、輪ではなく鉤状の突起が付いているもの、ボタン状になっているもの、何もついてないものと変化しているのが分かると思います。  これは提げるための紐を結ぶための部分が、その機能が失われることによって、時期が新しくなるにしたがって、退化していくことを示しています。つまり、展示でいうと右から左にかけて、型式が新しくなるということです。  でも、変化の方向としては「提げるという機能が追加されていくという変化(左から右)でもいいのでは?」というツッコミが入りそうです。実は高校の授業で提瓶を使って、ルジメントの説明をしたことがあるのですが、2回の授業とも生徒の圧倒的多数がそういう意見でした。  では、変化の方向を決めるのは何かを再度考えてみます。機能が追加されていく方向に変化するのであれば、紐がひっかけられないボタン状の段階は必要ありませんよね。したがって、型式が変化する方向は右から左ということになるのです。  ルジメントについて、何となくわかっていただけたでしょうか?実際の型式変化については、ルジメントだけではなく、層位学の考え方(古いものが新しいものより深い地層から出土する)なども加味しています。この考え方についても、「発掘ひろば」で紹介していますので、ご確認ください。  ところで、提瓶の変化はどうして起こるのでしょうか?

過去の記事一覧

もっと見る