大震災にみまわれた東日本。
その中で岩手県、宮城県、福島県での東日本大震災の復旧・復興事業に伴う埋蔵文化財調査は文化庁や地元教育委員会の主導のもと、全国の教育委員会等から派遣された約60名の埋蔵文化財専門職員も加わり発掘調査等を支援しています。
兵庫県教育委員会は兵庫県立考古博物館の職員を昨年度に引き続き、福島県に1名と宮城県に1名を派遣しています。
今回、福島県に派遣されている甲斐昭光職員から便りが届きましたので、紹介しましょう。
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瓦礫と秋のヒマワリ―福島だよりー
福島県に派遣され、震災復興の発掘調査支援をしています。浜通りで仕事をしていますが、仕事の合間に撮影した田んぼの写真2枚から福島の今を感じていただければ幸いです。
◆仕事場の周りでは、あちらこちらの田んぼで草刈りや瓦礫拾いの作業等が行われています。
写真の手前に映っている袋には瓦礫が詰まっています。大きな瓦礫は機械で既に撤去されていますが、それに漏れた小さな瓦礫が田んぼの中に散乱しているので、市が雇用した地元の方がこれを拾い集めているのです。津波前の生活を物語る「瓦礫」をどんな想いで拾われているのでしょう。
◆国道を走っていると、沿道一面に黄色い花が。近づくと小さなヒマワリでした。十分な実証研究はないようですが、ヒマワリは根から放射性物質のセシウムを吸収すると言われています。枯れたヒマワリを放射性廃棄物として処分することを繰り返し、土壌の除染を意図したプロジェクトが行われています。はなやいだ気分を前向きな気持ちにつなげたい、という想いも感じられます。
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兵庫県から遠く離れた赴任地での発掘調査
地元の思いを感じつつ発掘を続けています
随時、支援職員だよりをアップしたいと思います。