淡路市の佃遺跡では縄文時代後期(約3,500年前)の土器・土製品・石器・骨・種子などが多数出土しています。
今回は当館テーマ展示(環境)の一つ、佃遺跡から出土した「土偶」です。
佃遺跡では10点の土偶(破片を含む)が出土していますが、そのうち特徴的な2点を紹介しましょう!
人の形をした土人形ですが、時代によっても大きさや形はさまざま。
人の生死や自然に対する”まつり”に使われたとの説もありますが、詳しくは不明です。
テーマ展示 環境のコーナーにあります
たくさんの土器とともに出土したのです
全長約27cm(西日本最大級)の土偶
写真の面は背中側。胸側は剥がれています。ばらばらな状態で出土しました。
愛知県今朝平(けさだいら)遺跡から出土した肉体的な土偶(膨らんだ下腹部、太い脚)と似ています。
この肉体的な土偶は時間の経過とともに、西方(熊本県)に影響を及ぼし、大型土偶がつくられました。
顔の部分は出土していませんが、今後見つかるとしてもこのタイプの土偶では顔の表現はないと考えられます。
胴体と片手がのこる土偶
乳房はありませんが、おなかの真ん中に「へそ」。
そこから放射状にのびる「妊娠線?」。
とても珍しい土偶で、おへそやそこから伸びる線が描かれた土偶は栃木県常見遺跡から出土しています。
また下腹部に平行線が描かれたものは愛知県今朝平遺跡から出土しています。
この土偶も「東方の影響」で作られたものと考えられます。
詳しくは当館情報プラザの書架にあります「佃遺跡」の報告書をごらんください!!
【予告】
9月28日(土)
「ループ組紐ー上級編ー」
考古学研究最前線「古墳時代 準構造船の復元」兵庫県教育委員会文化財課 主査 中村弘さんの講演があります。
是非ご参加ください!!!