風土記1,300年記念特別展
「播磨国風土記―神・人・山・海―」から その(3)
本日は、Ⅱ 天皇と国造 のコーナーを紹介しましょう。『播磨国風土記』には多くの天皇が登場しますが、何といっても応神天皇(品太天皇)の伝承がダントツです。加古川中流域の託賀郡と賀毛郡、市川流域の神前郡と飾磨郡、揖保川下流域の揖保郡の5郡に48回も登場します。
応神天皇の陵墓に治定されているのが藤井寺市にある日本第2位の前方後円墳、誉田御廟山古墳で、展覧会では「応神天皇陵古墳」として紹介しています。
この古墳からは、これまでに様々な埴輪が出土しており、宮内庁書陵部が所蔵しています。さすがに完形のものはないのですが、それでもあるていど形がわかるものは、かなり大きく、当館のケースで展示するにはちょっと無理がありました。
そこで家形埴輪の破片2点(写真右側)をお借りしたのですが、これだけでは全体の形がイメージできません。そこで、羽曳野市教育委員会が調査した応神天皇陵古墳の陪塚から出土した入母屋造の家形埴輪を一緒に並べることにしました。
応神天皇陵古墳の2点は、切妻屋根部分の網代表現のある部分と寄棟屋根のコーナーで、両者を見比べると、応神天皇陵古墳の埴輪がいかに大きいものであるかが理解できると思います。じっくりと比べて、天皇の権力の大きさを感じてください。