スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

2025の投稿を表示しています

古代の米づくり体験

 古代の米づくり体験 今年も播磨町立蓮池小学校5年生の皆さんにお手伝いいただき、田植えを実施しました。 当日は曇りで気温は平年よりやや低めということで、絶好の田植え日和となりました。 今回植える品種は「ヒノヒカリ」と「ハリマモチ」の2種です。 ヒノヒカリはコシヒカリと黄金晴との交配で生まれたお米で、炊き上がりが日の光のように輝いていたことから名付けられたそうです。粘り、香り、味のバランスがよく、とても人気のある品種です。 ハリマモチは兵庫県産のもち米で、柔らかくて弾力があり、時間がたっても硬くなりにくい性質があるということで、どちらも成長が楽しみですね。 学芸員の笛の合図で一斉に苗を植えていきます。 しっかりと泥の中まで苗を差し込まないと、大雨の時に浮いてきてしまいます。 1組が終了。最初はコワゴワでしたが、終わってみると満足そうな表情が見られました。 足の泥がそれを物語っています。 田んぼの隣にある神社の神さまも静かに見守っておられることでしょう。 お米と神さまは古代から深い関係があり、神さまにお供えする食事、御神饌(ごしんせん)で最初にお供えされるのはお米です。 それから、”お米には七人の神さまが宿る゛といわれていて、それは、水、土、太陽、風、雲、虫、そして人(作り手)という七つの自然を指しているのだといわれています。 ところで、このイベント「古代の米づくり体験」とありますが、本当に古代の人はこのように田植えをしていたの?と思いませんか。 実は田植えのやり方は弥生時代のころからほとんど変わりなく今でも続いているのです。 もちろんトラクターやコンバインなどの機械はありませんが、湿地帯や水路を作って水を引き込んだ区画をつくり、そこに苗代で育てた苗を植えていたようです。 美乃利遺跡(加古川市)の水田【弥生時代前期】 【 兵庫県教育委員会 1997『美乃利遺跡』 】 農作業で使用する木製の鍬(くわ)、鋤(すき)、お米や種モミを保管するための高床式倉庫なども各地で見つかっています。 当館では秋の収穫時には、弥生人にならって石包丁を使った刈り入れを行っています。 田植えが終われば用水路で足をきれいに洗い流します。 弥生時代にもこのような光景があったことでしょう。 最終の3組も無事に終了。途中2組から「がんばれ!」の応援もありました。 残りの区画は職員とボランティアさ...

ほったん 懲りずに銅鐸見学

    (ほったん) この前は、銅鐸の下敷きになってえらい目にあったよ。全身 絆創膏だらけだ。 やっぱり学芸員さんの注意はよく聞かないといけないな。 でも、こんなことぐらいで、落ち込むほったんじゃないからね。 今日も特別展で面白そうなものはないか見てみよ~っと。 銅鐸は青銅器という合金でできているということだったけど、作るためには 溶かした金属を入れる型、「 鋳型(いがた)」というものが必要なんだね。 鋳型は土で作るんだけれど、初めのころは石でも作っていたんだね。 これがその石製の鋳型の模型だって。          復元模型(茨木市立文化財資料館 所蔵) (学芸員) やぁ ほったん懲りずにまた見学に来てくれたんだね。 そりゃあ 何といってもボクは将来の館長候補だからね。 この復元模型は、彫り込んだ鋳型に高温で溶かした金属を流し込んでいるところを再現しているんだ。 大阪府茨木市の東奈良遺跡では日本で唯一、完全な形を保った銅鐸の鋳型が見つかっているよ。  東奈良遺跡出土銅鐸鋳型及び鋳造関連遺物(茨木市立文化財資料館 所蔵) へー。石を彫るなんてとても大変そうだね。そのうえ細かい文様まで入れるなんて、ほんとに出来たのかな? こっちの鋳型を見てごらん。これは赤穂市で見つかった石製鋳型で、銅鐸の上側の鈕(ちゅう)といわれる部分だよ。       上高野(かみこうの)銅鐸鋳型(赤穂市立歴史博物館 所蔵) 上の部分だけでこのサイズということは、全体は相当大きかったんだろうね。なるほど、丸い形の凹みもはっきりわかるよ。     高さは80cmくらいで石の鋳型としては最大規模なんだよ。これは大正時代に千種川の川原で発見されたんだ。でも発見当時は“銅鐸の鋳型”とは思わなくて、あるものに使われていたんだけれど、何かわかるかい? こんな大きな石を持ち運ぶだけでも大変だから、使いようなんて無いんじゃないの? その重さがヒントになるんだけれど、実は「漬物石」として使われていたんだって。 え~っ。こんなに貴重なものを・・・  ビックリ! でもその後、さっき言っていた丸い形の文様がお地蔵様の光背(後光)のように見えたので、お堂を建てて、そこにおまつりしていたんだ。 それならよかった。漬...

ほったん銅鐸の裏側を覗く

  (ほったん) 今日は特別展の銅鐸を見に来たよ。 実は兵庫県は日本一銅鐸が出土しているんだって。ボクも兵庫県民として鼻が高いよ(ゾウの鼻並みに)   「銅鐸」は弥生時代を代表する青銅器なんだよ。かっこいいね。 ところで、青銅器ってな~に? あの学芸員さんに聞いてみよう。   (学芸員) 青銅器は複数の金属を溶かして、混ぜあわせた「合金」の一種なんだよ。 「合金」ってなんかカッコいいね。ということは、これは特別な材料でできた高級なものじゃないの? ところが、結構一般的にあるんだよ。 たとえば身近なものでは、お金だね。 5 円玉は銅+亜鉛、 10 円玉は銅+錫(スズ)、 100 円玉は銅+ニッケルの合金なんだ。 銅が主な材料となっていてプラスされる金属によって色が変わるんだよ。 5 円玉は黄銅、 10 円玉は青銅、そして 100 円玉が白銅というように呼ばれている。 銅鐸は 銅と錫の合金なので 青銅器と呼ばれるんだ。ただ、銅鐸には形を整える鋳造(ちゅうぞう)を簡単にするため鉛も混ざっているよ。 こちらの展示では、青銅に使われている金属の割合による色の変化が分かるよ。 なるほどね、でもよく考えてみると青銅って言っているけれど茶色じゃない?。茶銅が正しいと思うけど。   確かに元の色は赤みのある茶色から金色なんだけれど、実は銅は錆びやすくて、その錆は緑青(ろくしょう)と呼ばれていて青緑色をしているんだ。青銅というのは本来の色ではなくて錆びた状態を表しているんだ。             神種銅鐸(姫路市)復元品                        松帆銅鐸1・2号(南あわじ市所蔵) これは望塚(ぼんづか)銅鐸と 復元したものと並べて展示しているけど、 なるほど、こうしてみると色の変化がよくわかるね。 それにしても合金なんて、弥生人はそんな難しいことをよく知っていたね。 恐らく、手に入る金属を様々な割合で混ぜて、試してみたんだろうね。現代でも銅鐸を再現しようと実験してみたけれど、作業の途中で割れたり、穴があいたりの連続でかなり高度な技術と知識が必要だっ...

春季特別展「弥生の至宝 銅鐸」開会

  4月26 日(土)に開会する春季特別展「弥生の至宝 銅鐸」の内覧会を実施しました。   会場の様子です。来賓をはじめたくさんの方々にお越しいただきました。   15時開会。 はじめに菱田館長からの挨拶です。 あいさつの中で、「ひょうご銅鐸めぐり」スタンプラリーの紹介も。県内9か所の博物館等とあわせて今回の春季特別展もぜひご来館ください。                              来賓として平野播磨町副町長、岡兵庫県議会議員、山本兵庫県議会議員そして兵庫県まちづくり技術センターの上田理事長をお招きし、代表して平野副町長からの挨拶がありました。    明日の開幕日には、播磨町の大きなイベント「はりま春風フェス」があります。どちらも楽しんでいただけたらと思います。   今回の特別展担当の藤原学芸員から本展覧会の概要、見どころについての説明がありました。   主な展示品の紹介の後、最後に県立相生産業高等学校で作製された複元銅鐸(単なる複元ではなく、縦横の大きさをはじめ厚さや材料の銅と錫の割合まで再現したほぼ本物といっていいものです)を使って実際に音を出してみました。 弥生時代の音色が会場に響いたところで、特別展示室に移動して、実際に展示品を目にしながら詳細説明がありました。   16時終了の予定でしたが、多くの方が17時を過ぎても熱心に説明を聞いたり、質問されたりしていました。   せっかくの機会なのでおすすめ展示品を少しだけご紹介します。 こちらが、準備作業を紹介した時点では、梱包されたまま置かれていた大型銅鐸です。 やっと実物を見ることができました。 東京国立博物館から「里帰り」してきた川西市加茂出土の『栄根(さかね)銅鐸』です。高さは113.7cmもあります。 しばらくは実家の兵庫でゆっくりしていってください。       他の銅鐸と比べてみるとその大きさの違いは歴然   こちらは銅鐸をつくるための鋳型です。なんと石でつくられています。鋳型は土製のものが多...

R7春季特別展 準備快調!

   いよいよ、今週26日(土)から始まる 令和7 年度 春季特別展「弥生の至宝 銅鐸」 の準備の様子です。   今日(22日)は準備も最終段階で、銅鐸などの展示物を特別展示室に並べる作業(列品)を行っています。   25 日(金)には内覧会があるので、残り 3 日ほどしか時間がありません。 「この状態で間に合うの?」と思われるかもしれませんが、この最後のラストスパートが担当学芸員の腕の見せ所です。 「もっと早く並べておけばいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実は理由があります。 この梱包の箱のままで置いておくのは「空気に馴染ませる」という工程が必要だからだそうです。全国各地から当館に運ばれ、いきなりその場の空気に触れると環境の急激な変化によって、劣化等の悪い影響がある場合があるので、これらの展示物も1週間この状態で静かに展示室内に保管されていました。 ちなみに、先ほど写っていた大きな箱は東京国立博物館からやってきた銅鐸で高さは1mを超えているそうです。銅鐸としては最大級のものだそうで、早く中身が見たいですね。 展示品は並べるだけでなく、倒れたりしないように慎重に透明な糸(テグス)を使ってしっかり固定していきます。 展示方法もできるだけ皆さんにわかりやすいように、テーマを決めてどのような流れですすめていくか? 頭の中では完成していても、実際に展示物を飾ってみるとイメージと少し違うような ・・・  試行錯誤の連続です。 もっと紹介したいところですが、今日のところはこれくらいで・・ その他、「具体的な銅鐸のつくり方」など観覧者目線で謎や疑問が解決できるような展示が行われていて、見どころ満載です。 ぜひ お楽しみに!!   さらに 宣伝をふたつ。 今回は一般の方々にも親しみやすい「銅鐸」をテーマとしていることから、他施設との連携事業も行っています。   「ひょうご銅鐸めぐり」     < 詳細はこ ち ら >            県内で銅鐸を展示している9か所の博物館・資料館が連携し、スタンプラリーを開催!(4月26日(土)~ 6 月 29 日(日))   ...

過去の記事一覧

もっと見る