令和5年、新年のメインホール展示は、干支に合わせてうさぎを題材にしました。
うさぎは長い耳で福を集め、幸運を招き、祈願成就、子孫繁栄、子授け、安産、家内安全など、縁起が良い動物といわれているので、焼き物の意匠として用いられているのだそうです。
今回ご紹介するうさぎの縁起物は、兵庫津遺跡から出土した19世紀前半の肥前(佐賀県)系磁器の皿です。
青みを帯びた白色の内面中央に、丸く身をかがめ、飛び跳ねたうさぎを描き、背景には風にたなびくススキと、ただよう霧をあしらっています。
丸いうさぎの体は満月を暗示し、秋の夜景を表現していることがわかります。
【秋草兎文染付磁器皿】
この皿はロクロで成形し、生乾きの時に型に押し付ける「型打ち技法」でつくられ、体部から口縁部にかけては、花弁状に仕上げられており、口縁部には「口紅」と呼ばれる鉄釉を施しています。
冷気を感じる秋の夜空と愛らしいうさぎのデザインの対比が面白い作品です。
1月31日まで展示していますので、ぜひご覧ください。
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毎年恒例の「インターネットミュージアム干支コレクションアワード」が今年も開催されています。
当館は、この「秋草兎文染付磁器皿」でエントリーしました。現在ベスト3を目指して頑張っています。
ちなみに当館の加西分館「古代鏡展示館」も出品しています。(ベストテン目前です)
皆さんも是非ご参加ください。投票よろしくお願いします。(1月26日15時まで)
「ミュージアム干支コレクションアワード2023 兎」