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古代体験講座 古代の木製農耕具を作って使おう

令和4年2月6日(日)、古代体験講座「古代の木製農耕具を作って使おう」を開催しました。

弥生時代の米づくりに使われた「木包丁」(きぼうちょう)と「竪杵」(たてぎね)をナイフで木を削ってつくった後、その道具を使って穂摘みや脱穀の体験をしていただきました。

はじめに学芸員が、当館に展示している資料などを紹介しながら、古代の農耕について解説しました。木包丁(正しくは木製穂摘具)は、石包丁(正しくは石製穂摘具)と同じく穂摘みをする木製の道具で、竪杵は、臼とセットにして脱穀(だっこく:稲穂からモミを外す作業)に使う道具です(おもちをつく道具ではないですよ)。

              

兵庫県で出土している弥生時代終わりから古墳時代の竪杵の樹種は、カシやツバキ、コナラ、クヌギ、木包丁はクヌギ、ヤマグワが多いんですって。今回の講座では、竪杵はコナラ、木包丁はケヤキでつくりました。

<木包丁>
木目によって刃がギザギザとなるよう、特徴的な木取りによって板材をつくります。それに紐を掛ける孔を2つあけます。

溝をほり、石器のキリで穴をあける

刃をつける

孔のところに溝があるのが石包丁とちがうところ

竪杵と臼でもみすり(モミをもみがらと玄米に分離)

箕(み)に入れて風選(風の力でもみがらを飛ばす)

現代は、ここからさらに玄米を精米して、白米にします。

奈良時代には「米」「白米」「黒米」「赤米」「糯米(もちごめ)」「酒米」「飯米」「粥米(かゆごめ)」と表現された米の種類、あるいは米の精米状態があったことが、出土した木簡(木の札)からうかがえます。

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