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古代体験講座「粘土でつくる古代の駅鈴」

  今回作成する「駅鈴」は”駅家”を利用するためには、必ず許可を得て携えておかなければならない重要な通行証のようなもので、公的な使者にのみ支給されていました。 これがなければ駅馬を利用し食事・宿泊などのサービスの提供を受けることができませんでした。 本来は青銅でつくられていましたが、この講座では粘土で作成します。 まずは、駅鈴がどのようなものか特別展の展示品(模造)を見学です。学芸員さんからの解説がありました。 現在残っている現物は 、 島根県隠岐の島町の玉若酢命(たまわかすのみこと)神社が保管している2口のみで国の重要文化財に指定されています。この駅鈴は昭和51年の郵便はがき(当時は20円)の切手部分のデザインに採用されています。 いよいよ体験学習室で作成に入ります。 駅鈴の設計図にあたる型紙をはさみで切ります。 のし棒を使って板状に成形していきます。 型紙のサイズに合わせてカッターで切り、側面、底面、上面、そして中に入れる玉をつくります。 これらを接合して組み立てていきます。 頂部分には紐を通すための穴を、そして側面には飾りの突帯を付けます。 駅鈴の形ができあがったら鈴口(鍵穴のような開口部分)を開けて、全体をきれいに整えていきます。成形には竹やつま楊枝を使って丁寧に行いますが、粘土が柔らかいので優しく扱わないといけません。 倒れないように底面に足を付けて、最後に側面に「驛」「鈴」と書き入れて完成。 できあがり! この後、乾燥させてから焼き上げます。 駅鈴のお渡しできる日は10月29日(日)以降になります。 どんな音が鳴るのか、完成をお楽しみに!

講演会②「賀古駅家と邑美駅家を語る」

  講演会「播磨の駅家を語る」シリーズ全 4 回の第 2 弾になります。 講演は、それぞれの駅家の発掘調査を担当した中村館長補佐が賀古駅家(かこのうまや)を、中川学芸員が邑美(おうみの)駅家について解説を行いました。 賀古駅家(加古川市野口町)は印南野台地の西端に位置し、様々な古文献から古大内遺跡がその駅家であると注目されていました。 平成 19 年に当館は開館しましたが、まず取り組むべき調査研究事業として「古代官道と駅家」が決定すると同時に、最初の発掘調査対象として賀古駅家が選定されました。 当館にとっても大事な駅家となっています。   古代官道の駅家に備えられる馬の数は重要度により 5 ~ 20 頭と定められていますが、この賀古駅家にはなんと 40 頭の馬が備えられていたということが、平安時代の文献『延喜式』に記されています。 全国一のものが私たちの近くにあるということで、もっと注目されてもいいのではないかと思いました。           邑美駅家(明石市魚住町)は印南野台地の東端に位置し、崖上から南東方向の明石駅家に延びる山陽道を見下ろせる、駅家としてまさに好適地に立地しています。 この遺跡は、当初地形図を作成していたところ、水田の畦の方向がこの部分だけ違う東-西、南-北の方向に向いていたため、周辺をレーダー探査で地下の調査を行った結果、畦の内側に明瞭な輪郭が確認され、それを基に発掘調査を行うこととなりました。   発掘してみると大量の瓦片が出土しました。このことから駅家には瓦葺きの立派な建物群が存在していたと考えられます。駅家を利用できるのは駅鈴を携えた使者のみであったことから、海外からの賓客に対して、我が国日本でもこのような施設を作る国力があるということを示したかったのでしょう。 講演会「播磨の駅家を語る」シリーズも半分が終了し、残り2回となりました。 まだ、2回とも申込みが可能ですので、ご興味のある方はご参加ください。ただし、第③回は既に申込期間を過ぎているため先着順での受付となります。ご了承ください。    10月21日(土) 播磨の駅家を語る③「高田駅家と大市駅家を語る」   先着順  11月25日(土) 播磨の駅家を語る④「出土遺物からみた山陽道の駅家」 申込11/...

奈良時代のお昼ごはん

古代体験講座「あをによし奈良の都のお昼ごはん」が開催されました。 これは、今回秋の特別展で奈良時代を取り上げているので、そこに連動して、この時代の食事を再現してみようという企画です。 ごはんづくりをして、その後みんなで試食をします。     ごはんは発掘しても見つからないので、食器や木簡・古文献で調べて再現しています。 まずは、材料の下ごしらえから 鶏肉を切っています。指に気をつけて! 外での作業は、まず火おこしから この緑色のかたまりは葉っぱ。蒸し料理に使うのかな? 土器を使って米を炊いたり、お汁を作りました。お汁は具だくさんのようです。何が入っているのでしょうか。 学芸員さんから奈良時代のごはんについて、いろいろなお話がありました。 「昔は食事は1 日に2 回の朝・晩だけで、3 食食べるようになったのは江戸期以降のこと」だそうです。 そして、お昼ごはんのできあがり。 当然、お米は古代米(赤米)で、おかずとして魚やふきなどが添えられています。汁ものにはとり肉やキノコが入っていました。 結構おいしそうですね。 こちらは蘇(そ)といい、牛乳を煮つめてつくります。こげないように、根気のいる作業ですが最後はチーズのようなものができあがります。 食べた人の感想では「味の薄い粉ミルク」のようだということでした。 試食タイム。 気持ちいい秋空のもとおいしくいただきました。 当時は現代と違って超格差社会だったので、身分や官位によって食べるものは全く違うものだったそうです。 何でも食べることができる、現代に生まれて良かった・・・

やって来ました。コウノトリ

やって来ました。コウノトリ  先日の新聞に「明石市のため池にコウノトリが十数羽飛来した」というニュースが載っていたので、もしかして、博物館の近くにも来てくれないかな~ と思っていました。   実は先週の日曜日、播磨町さんがお隣の狐狸ヶ池のかいぼり(池の水を抜いてメンテナンスや外来種の駆除を行う)を行ったところなので、エサを求めていろいろな鳥が来ていました。 かいぼり作業の準備風景と捕獲された魚たちです。   そしたら、今朝。なんとコウノトリが 5 羽(確認できただけで実際はもっと多かったかもしれません)もいるではありませんか。   今回の発見場所は電信柱の上で悠然としているところしか、見ることはできませんでしたが、恐らくお腹いっぱいで休憩していたんじゃないかと想像しています。 コウノトリ さま 休憩が済んだら、秋の特別展「駅家発掘!」やってますよ。  

講演会「古代山陽道 駅路と駅家」

  9月30日に開会しました秋季特別展「駅家発掘!-播磨から見えた古代日本の交通史-」に関連した講演会が開催されました。 「播磨の駅家を語る」をテーマとして全4回の実施を計画しています。 今回はその第1回として、たつの市立埋蔵文化財センターから岸本道昭館長をお招きして「古代山陽道 駅路と駅家」のタイトルのもとご講演いただきました。 定数を遙かに上回る応募があったようで、会場も熱気ムンムンでした。   最初に「駅家」についての基礎知識として「山陽道とは」「駅家とは」そして「播磨国の駅路と駅家」についての説明がありました。 播磨国には9つの駅家があり、その大きさはだいたい80m四方(一部は除く)、また駅家には近くにお寺が隣接しているといった一定の法則があるとのことでした。 古代道路と播磨国駅家の様子を写真を交えてわかりやすく紹介していただきました。 ポスターやチラシにも使用されている「鬼瓦」の写真です。 瓦は当時、官の施設(公立)と私の施設(私立)のものでは、全く異なる文様の瓦が使用されていました。造立者によって瓦の生産・流通のシステムが異なっていたようです。 日本で最初に駅家 と確定された「布勢 駅家」と 小犬丸遺跡(たつの市)周辺の様子です。 播磨地域は駅家の研究では先進的な成果を上げており、各地の駅家遺構の調査モデルになっています。これは自慢できますね。 今回の講演では、駅家に関する概観を説明いただきましたが、始まったばかりの特別展や今後3回実施される講演会の導入としても、とてもわかりやすい素晴らしい講演でした。 講演会の終了後、特別展示室においてミニ解説もありました。 秋季特別展の主担当の中川学芸員からの解説の様子です。      講師の岸本館長にはいろいろな質問が投げかけられていました。皆さん興味が尽きないようです。      連続講演会は始まったばかり。2回目以降もぜひご期待ください!

秋季特別展 内覧会

    明日30日(土)から開会する秋季特別展「駅家発掘!-播磨から見えた古代日本の交通史-」の内覧会を実施しました。   会場の様子です。来賓をはじめたくさんの方々にお越しいただきました。 15時開会。 はじめに和田館長からの挨拶です。 「当館で駅家をテーマとして取り上げるのは2回目ですが、駅 家は当時の人の流れの中心でとても重要なインフラでした。今回は播磨地域を中心に担当学芸員の熱い思いもあり、欲張った展示となっています。」 つづいて、来賓を代表して佐伯播磨町長からのご挨拶がありました。  何と、今日は佐伯町長の誕生日ということで、とても元気なお言葉をいただきました。「今後とも博物館と播磨町がコラボして、いろいろな事業を行っていきたい。」 来賓紹介 佐伯播磨町長、兵庫県まちづくり技術センターの竹森常務理事のご紹介 後援・協力企業や祝電披露のあと、今回の特別展を担当しました館職員の紹介がありました。   紹介に続いて主担当の中川学芸員から本展覧会の概要、見所についての説明がありました。 中川学芸員は当館開館時に職員として勤めており、以降の16年間の成果を披露したいということで、館長の挨拶どおり熱い思いを語っていただきました。   特別展示室に移動して、実際に展示品を目にしながらの説明がありました。  「 駅家は今でいうサービスエリアのようなものですが、これは誰でも利用できるものではなく、使者であることを保証する駅鈴(えきれい)を備えた特別な人しか利用できませんでした・・・。」 詳細、ていねいな説明が続きました。   手前に写っているのが、ポスターやチラシのモデルとなっている「鬼瓦(辻ヶ内遺跡)」です。 明日から開会です。 「駅家」は当館が開館以来、調査を継続している重要なテーマです。 学芸員の皆さんも前日ギリギリまで準備をしていました。 みなさまのご来館を、こころよりお待ちしております。    

秋の特別展 まもなく開会します。

    このまま夏が終わらないのではないか、と思っていた暑さもようやく一息付けるようになりました。 ふと、公園内を見回してみると彼岸花が・・・  秋ですね。 と、感傷に浸る間もなく、秋の特別展です! 秋季特別展「駅家発掘!-播磨から見えた古代日本の交通史-」、いよいよ開幕直前となりました。 当館は開館 ( 平成 19 年 ) 以来、播磨における駅家(うまや)の遺跡を継続的に調査しています。 学芸員の皆さんの準備も佳境に入っています。   今回は、出土品を並べる作業(列品と言います)やその説明に使うパネル設置などの準備についてレポートします。 特別展示室の準備は1週間前から始まっていました。 解説ボードの設置作業、9月24日の様子。   まず、展示する資料を、一時保管庫から特別展示室に集めます。 とても、丁寧に梱包されています。もちろん、これはほんの一部ですよ 。 慎重に荷ほどきを終え、展示ケースに並べていきます。 「順番はどうしようかな? とりあえず、並べてみてから考えよっと。」 壊れやすい出土品はクッション性の高い敷物の上にそろ~り並べていきます。 大型ポスターも特別展示室入口に掲示OK です。             受付横の展示室入口のバナー(上部) 今日のところはこのぐらいで、後は、お・た・の・し・ み。 完成した様子はぜひ特別展の会場でご確認ください。   館外の掲示も秋の特別展バージョンに衣替え。皆様のお出迎えの準備は万全です。   9月30日(土)から、いよいよ開会。 お待ちしています!

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