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体験講座「古代人の生活体験」 夜の大中遺跡と博物館

10月15日(土)、古代体験講座「古代人の生活体験-体験!古代の夜-」を開催し、大中遺跡と考古博物館の夜を体験してもらいました。



16時30分、博物館前の広場では、早くからボランティアさんたちが準備をして参加者を待っていました。幸いお天気も良く、10月半ばにしては夕方でも少し汗ばむ陽気でした。

まずは、火おこしから。初めてとのことでしたがうまく呼吸を合わせて…、

なんと、ほんの10数秒で火種ができました。素晴らしい!

17時、博物館が閉館しましたので、ナイトミュージアムの開始です。館内の灯りは非常灯と、危険防止のために要所に置かれたランタンの灯りだけで、暗い館内を一人で歩くには怖そうです。

石棺を展示しているコーナーでは、ボランティアさんが古代人の衣装を着て石棺から出てきたので、少し驚きました。館内には、何か所かこういうトラップが仕掛けられていました。

1時間ほどナイトミュージアムを体験して外の広場に戻ると、すっかり暗くなっていました。
さっきの火を使って、ボランティアさんたちが、土器でご飯を炊いていました。うまく炊けるかな?

ご飯ができあがるまで、夜の大中遺跡を探検します。大中遺跡は博物館の閉館時間と同時に閉門しますので、これも貴重な体験です。松明代わりのランタンの灯りがとても明るく感じます。

竪穴住居に入ってみました。古代の人たちは、床の中央のくぼみで焚火などをして暖と灯りをとっていたようですが、かなり暗かったと思います。

大中遺跡の探検を終えて広場に戻ってくると、夕食の準備ができていました。
今回の食事は白米に赤米(古代米)を少し混ぜたご飯と、狩りで獲ってきた(つもりの)食材を焚火で焼いておかずにします。「豚肉は狩りで獲ってきたイノシシ、ジャガイモは山で掘って取ってきた自然薯だと思って食べてくださいね」と担当の学芸員が “説明” していました。

早く焼けないかな~ ワイルド感が出てますよ。

ご飯ができあがりました。うまく炊けたようです。赤米を混ぜているので、赤飯を思わせるような色合いです。おこげもありそうですね。

ご飯は竹の皮に盛りました。お箸は竹を切って使います。古代の人達は、豪快に手づかみで食べたようです。
赤いのは梅干しです。これは古代にはなかったでしょうね…、おまけです。

お肉をガブリ、うまく焼けてますか?

ボランティアさんがデザートに焼き芋を作ってくれていました。「おいしい」と皆さん喜んでくれました。

今回、10数年ぶりに閉館後の博物館を使って体験をしていただきました。体験の合間には、参加者のみなさん同士や、参加者と博物館職員やボランティアとの会話も弾んでいたようで、素敵な秋の夜でした。

写真右上の角に写っている白い点は木星です。大きく輝いていました。

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