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キネとウスでもちつき体験


今冬一番くらいのひんやりしたお天気の中、
ひょうご考古楽倶楽部主催の「もちつき」が体験広場で開催されました。

収穫した古代米などを使って、昔ながらのもちつきを体験。
初めての方から昔取ったキネヅカでさっそうと杵(キネ)を振り下ろす方まで、
多くの方に参加していただきました。

もちをつくる杵と臼(ウス)。杵は大小2種類用意しました。


まず、もち米をやわらかくするため、水につけたあとカマドで蒸します。
もちつきにはこの作業が欠かせません。


今回のもちつきでは、播磨産のもち米に、
秋に小学生が稲刈りをした古代米の一つ、壱岐の黒米を少し混ぜています。
どんな味のもちになるでしょうか。


臼をセットして、つく準備が完了したら、
程よく蒸しあがったもち米を中に入れます。


まず、杵でもち米をつぶしながらこねます。
この作業を怠ると杵をふる回数が多くなってしまうので、素早くこねます。


腰を入れて、振りかぶるようにして杵を振り下ろします。
上手くお米に当たらないと杵をにぎる手がしびれて痛いです。

もう一人は、臼の中のもち米をひっくりかえして、
うまくつぶれるようにリードします。
リズムを合わせて、二人の呼吸が大事です。


小さな子どもも体験します。
お父さんと呼吸を合わせて「エイっ」とつきます。


つきあがったおもちです。
壱岐の黒米がどんな色を出すのか楽しみでしたが、結構黒いおもちに仕上がりました。
あんこが入っているようなイメージですね。


つきあがったおもちは独特のネバリがあるので、
餅とり粉をたっぷりつけて手形を整えます。
冷めるとできあがりです。


できあがったおもちは、ぜんざいにして参加された皆さんに試食しました。
思ったより口当たりが滑らかで、柔らかいおもちに仕上がってました。

「おいしい?」「うんっ、おいしいィ~」
小さな子どもたちも喜んでくれました。
少し肌寒かったので、あったかいぜんざいが最高でした。


もうすぐお正月。もちを食べる機会が多くなります。
米を蒸して・ついて食べることは、古代から行われてきました。
今ではスーパーで買うことが多くなったもちですが、
いざつくるとなると、時間がかかる大変な作業だとわかります。

おめでたい日の食べものとして今に伝わっているわけは、そんな
手間や人手がかかるからなのかも知れません。


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