スキップしてメイン コンテンツに移動

狐狸ヶ池のヨシ刈り


12月14日、当館南側の狐狸ヶ池で、ヨシ刈りを行いました。
刈ったヨシは、「竪穴住居復元プロジェクト」竪穴住居復元の材料に使用します。
環境整備を兼ねて、毎年この時期に行っています。



狐狸ヶ池の西側に茂ったヨシ(葦)。
葦は古くから日本人とかかわりが深く、
日本書紀では日本を「豊葦原(とよあしはら)」と記しています。

「アシ」とも読むのですが、「悪し」と同じ音になるので、
縁起良く「ヨシ」と呼ぶようになった、とのいわれもあります。
刈り込みには、5台の草刈り機をフル稼働。準備は万端です。

近くで見ると結構な広さがあります。
ヨシを束ねる本隊が来る前に、刈り込みを終わらせておきます。

約40分後、大部分の刈り込みが終わりました。
今度はこれを、適当な太さにひもで束ねていきます。

刈ったヨシを束ねる方法を説明しています。
トックリ結びという、よく締まってほどきやすい結び方で束ねます。
あらかじめ雑草を鋤いて根元をそろえるのが大事なポイントです。

「竪穴住居復元プロジェクト」の明石高専の学生も手伝いに来てくれてます。
大勢での作業なので、順調にはかどっています。

刈り残しのないように、池の水際まで丁寧に作業します。
竪穴住居に使うには、アシが茶色くなって適度な硬さになったこの時期が、
ちょうどいいようです。

居場所をなくしたヌートリアが、行き場所を求めて?泳ぎ回っています。
本来は夜行性だそうですが、騒がしくて眠れなかったのかもしれません。

束ねられたヨシはリヤカーに積み込んで、
復元された竪穴住居のある大中遺跡公園に運びます。

水気を含んでいると腐ってしまうので、
刈ったヨシを立てかけて乾かします。
今日は50本近い束ができました。

お昼前に作業は終了しました。
「皆さん、お疲れさまでした」

明石高専の学生と一緒に、参加メンバーで記念写真です。
いいお天気で結構汗をかきました。

片付けが終わった狐狸ヶ池の畔。
すっきりして落ち着いた雰囲気になりました。


今回のヨシだけでは、竪穴住居を造るには足りないので、
年明けの1月に稲美町の加古大池でも、大規模にヨシ刈りをします。

一棟の竪穴住居をつくるには、想像以上に多くのヨシが必要です。
大中遺跡公園の「竪穴住居復元プロジェクト」は、多くの方々の協力ですすめられますが、
ため池のヨシもかけがえのないパートナーです。


このブログの人気の投稿

あなたは縄文人? 弥生人?

人の顔形はさまざま! 顔の輪郭、髪の毛、眉の形、目・まぶた・鼻・口の形は各人ちがいますが、 これらのパーツも縄文人に多い形、弥生人に多い形があります さて、あなたは 縄文人? 弥生人? まずは「自分の顔をつくってみよう」 縄文顔:四角い顔、太い眉、どんぐりまなこ、二重のまぶた、広がった鼻、分厚い唇、毛深い 弥生顔:面長顔、細い眉、切れ長の目、一重のまぶた、小さな鼻、薄い唇、ひげが薄い まず自分の顔をつくってみましょう これらのパーツをつかって・・・ 自分の顔をつくってみましょう そして、左のページを持ち上げ、右の顔に被せるように折りたたみます そして開いてみると 左に顔が移りましたが、 緑 と 橙色 のパーツに 緑は縄文人 橙は弥生人 各パーツが混じっています 現代人は 縄文人的な要素 と 弥生人的要素 が混じっているのです。 中国大陸や朝鮮半島などから各時代に渡来し、混血し、今の日本人になったと考えられます 「自分の顔をつくってみよう」 は 考古博テーマ展示室「人」のコーナーにあります 是非自分の顔をつくって、試してみてください!

明石駅・西明石駅のむかし

特別展「鉄道がきた!ー舟運・海運・馬車道・鉄道ー」 写真展 協力:西日本旅客鉄道株式会社神戸支社 明石駅・西明石駅のむかしの写真があります 明石駅・西明石駅のむかし 昭和9年の明石駅 昭和30年代前半の明石駅 昭和39年の明石駅 昭和47年の西明石駅(新幹線) 西明石駅の在来線と新幹線(昭和47年) 大阪ー神戸間開通140年記念写真展 是非ご覧ください 【お知らせ】 11月1日(土)10:00~16:00 兵庫県立考古博物館とその周辺を会場に 全国古代体験フェスティバル 2014を開催 雨天決行! ---------------------------------------------------------------------- 大阪ー神戸間開業140周年記念写真展 協力:西日本旅客鉄道株式会社神戸支社 11月30日(日)まで 1階エントランスホール ---------------------------------------------------------------------- 次回の特別展講演会 11月8日(土)13:30~15:00 「山陰山陽連絡鉄道敷設計画と播磨・境ルートの検証」 小西 伸彦 (吉備国際大学外国語学部准教授) ---------------------------------------------------------------------- 11月15・16日(土・日) 15日:12:00~15:30 16日:10:00~15:30    ミニSLやミニ特急列車に乗ろう!(ミニ鉄道走行会)    協力:OSライブスティームクラブ 兵庫県立考古博物館 体験広場にて    ※別途観覧券要・開始30分前から整理券配布・お一人様2回まで    ※小雨決行(天候により中止になる場合があります)。 駅そば・駅弁販売     ~駅弁の掛け紙は復刻デザイン!~    姫路名物駅そば、駅弁

#自宅でも考古博 23 「型式の移り変わり」

  当館では考古学の成果だけではなく、考古学での「考え方」についても、さりげなく展示しています。東エントランスを入ったところにある「ときのギャラリー」もそうですが、「発掘ひろば」にもそうした展示があります。  「発掘ひろば」の左奥、壁に丸い水筒のような須恵器が四つ並んでいます。これは古墳時代の「提瓶」(ていへい)と呼ばれる須恵器で、型式の移り変わりを実感していただくための展示です。  考古学では、型式の移り変わりを考える際にポイントとなる「ルジメント」という考え方があります。もともとは生物学の用語で、日本語では「痕跡器官」となります。例えば、人の尾てい骨のように、昔は機能していても、現在は退化して、痕跡のみとなっている器官の事です。  提瓶はこの「ルジメント」が判りやすいものですが、それにあたるのはどの部分でしょうか? 提瓶の型式変化    肩の部分に注目してください。右から丸い輪が両方についているもの、輪ではなく鉤状の突起が付いているもの、ボタン状になっているもの、何もついてないものと変化しているのが分かると思います。  これは提げるための紐を結ぶための部分が、その機能が失われることによって、時期が新しくなるにしたがって、退化していくことを示しています。つまり、展示でいうと右から左にかけて、型式が新しくなるということです。  でも、変化の方向としては「提げるという機能が追加されていくという変化(左から右)でもいいのでは?」というツッコミが入りそうです。実は高校の授業で提瓶を使って、ルジメントの説明をしたことがあるのですが、2回の授業とも生徒の圧倒的多数がそういう意見でした。  では、変化の方向を決めるのは何かを再度考えてみます。機能が追加されていく方向に変化するのであれば、紐がひっかけられないボタン状の段階は必要ありませんよね。したがって、型式が変化する方向は右から左ということになるのです。  ルジメントについて、何となくわかっていただけたでしょうか?実際の型式変化については、ルジメントだけではなく、層位学の考え方(古いものが新しいものより深い地層から出土する)なども加味しています。この考え方についても、「発掘ひろば」で紹介していますので、ご確認ください。  ところで、提瓶の変化はどうして起こるのでしょうか?

過去の記事一覧

もっと見る