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研究紀要と発掘調査報告書

 毎年度末に発刊している研究紀要と発掘調査報告書を紹介します。  4月25日からの緊急事態宣言発出に伴い、考古学情報プラザを閉鎖していたため、ご覧いただくことができず、ご紹介が遅れていました。   研究紀要 第14号 石野博信名誉館長米寿記念号 全33編、265ページに及ぶ大部です。 当館和田館長による研究紀要の序文です。名誉館長への想いを語っています。 *掲載内容は以下のとおりです。   石野博信/邪馬台国時代の居館と古墳 和田晴吾/アルタイ山中にクルガンを訪ねて 久保弘幸/兵庫県における旧石器時代研究の課題 藤田 淳/兵庫県出土の黒曜石製石器 大本朋弥/辻遺跡の研究(その2) -但馬東部地域の縄文時代中期末後期初頭土器の一段階- 園原悠斗/弥生時代における石鏃の刃部平面形同定と地域性Ⅰ -北摂ニュータウン内遺跡を中心として- 山田清朝/淡路型器台について 多賀茂治/弥生時代竪穴建物のかたちと機能 山本 誠/権現山51号墳の三角縁神獣鏡は語る 中村 弘/古墳時代の印南野地域と吉備 大平 茂/古墳時代の瀬戸内航路と兵庫県内の祭祀遺跡 渡辺 昇/カヤガ谷横穴出土の装飾大刀 仁尾一人/上佐野1号墳の石室構築について 大賀克彦・田村朋美・池田征弘/兵庫県出土鉛製耳環の鉛同位体比とその考古学的評価 新田宏子/古代山陽道駅家と土器埋納遺構 中川 渉/坂元遺跡における古代の掘立柱建物群の検討 西口圭介/人名墨書土器と雅成親王妃伝説 -豊岡市 宮内堀脇遺跡出土の追善供養資料から- 山上雅弘/喜多・城山城跡の構造変遷と帯曲輪 村上泰樹/兵庫県播磨北西部の中世製鉄遺跡について -小茅野後山遺跡調査報告書のまとめにかえて- 藤川祐作・柏原正民/資料紹介 ~遊女塚宝篋印塔の矢穴痕~ 松岡千寿/近世丹波焼の施釉技法 -赤土部甕を中心に- 長谷川眞/丹波焼の流通・消費に関する予察 藤原清尚/加古川流域の竜山石製社寺近世石造物の分布 -石材産地別と岩質特性からの細分類- 永惠裕和/失われた台場を追え! -播磨町所在 古宮台場編- 長濱誠司・鈴木敬二/播但線に残る明治期の煉瓦造構造物 深井明比古/珉平焼窯跡出土陶器・タイルの収蔵展示再編 -博物館研究・活用・交流の実践と生涯学習的観点から- 髙瀨一嘉/土器容量の算出について -フリーソフトを利用した方法と有効性- 岡田章一/印山越王陵 村...

小学生の田植え体験

 毎年恒例の赤米の田植えを、博物館西側に隣接する水田で行いました。  昨年は、新型コロナウイルス感染症対策のため、当館職員と当館のボランティアグループ「ひょうご考古楽倶楽部」のメンバー、蓮池小学校の先生方で植えましたが、今年は蓮池小学校5年生の児童たちが田植え体験をすることができました。    植えるのは、種子島赤米、ハリマモチ、ヒノヒカリ、壱岐黒米、対馬赤米の5品種です。兵庫県立農業高等学校の生徒たちが育ててくれた苗です。  職員とひょうご考古楽倶楽部の皆さん、すでに準備万端です。  蓮池小学校5年1組の児童たちが到着しました。1組から4組まで順番に入れ替わりで体験します。  弥生時代の服装「貫頭衣」を着た担当職員から田植え作業の説明です。「苗の束を受け取ったら3本ずつ抜いて植えてください。苗は深くしっかり突き刺してください」  当館館長の挨拶です。「ぜひ貴重な体験をしてください」  裸足になって、田んぼに入ります。足を入れた途端いっせいに声があがりました。田んぼに裸足で入って、くるぶしの上までヌルっと浸かる感触は、今の子どもたちにとっては稀有な体験です。  苗を受け取り、いよいよ田植え体験が始まります。  張られた紐につけられたしるしに3本ずつ植えていきます。「ちょっと本数が多いな、もうちょっと深く、その隣も植えてよ・・・」ボランティアが子どもたちにやさしく教えます。  2組の児童たちがやってきました。「こんにちは~」と、元気にあいさつしてくれました。  1組の児童たちの作業が終了しました。足が泥んこです。  田んぼの溝の清流で足を洗います。冷たい水が気持ちよさそうで、キャッキャと声が上がりました。  すっかりきれいになりましたね。  2組の児童が1組の後を受け継ぎます。  3列、4列と植えていくと作業も早くなっていきます。  4組までの作業が終了、お疲れさまでした。  児童たちは、「楽しかったですぅ~」と、元気に学校へ戻りました。  今度は10月、稲刈りに来てくださいね。  児童たちの頑張りで、ほとんど植えられましたが、時間の都合で少しだけ残ったところは職員とボランティアで植えました。あっという間に終了、さすがです。弥生人にも負けていません。  児童たちの頑張りで植えられた苗、秋まで元気に、おいしく育ってほしいですね。

特別展、あと2週間です。

兵庫県の緊急事態宣言が本日20日で解除され、明日からまん延防止措置に切り替わります。 それに伴い、当館でも6月22日(火)から発掘プールやまが玉づくりなどの体験が再開されます。楽しみにしてくださっていた皆さん、お待たせしました。 まだ一部ご利用いただけないサービスもありますが、感染症の収束状況により順次再開いたします。( 22日からご利用いただけるサービスはこちら :PDFが開きます) 講演会については、感染防止対策に留意して、引き続き予約制で実施していきます。 先週の土曜日には、特別展「弥生時代って知ってる?」の関連講演会・第2弾「発掘でわかったひょうごの弥生時代」を開催しました。講師は、今秋開館予定の県立兵庫津(ひょうごのつ)ミュージアム整備室の多賀茂治氏です。 広い県域と多様な環境や地理的条件をもつ兵庫県で、弥生時代がどのように始まり、展開し、古墳時代へと移行したのか。当県の遺跡や発掘成果を中心に、弥生文化の特徴と魅力を紹介していただきました。 詳しい話は、特別展図録中の各論でお読みいただけますので、ご興味のある方は当館 ミュージアムショップ等 でお買い求めください。(ちょっと宣伝です。) 特別展の会期もあと2週間。おでかけを自粛されていた皆さんも、この機会にお越しいただければとお待ちしております。 公式 インスタグラム でも情報発信中です。 学芸員が展示の見どころをこっそり紹介していますので、 あわせてお楽しみください。 フォローもお願いします!

子どもたちが戻ってきました! -今年度初の学校団体来館-

 例年4~6月は、東播磨地区を中心に県下の小学6年生が授業の一環で当館に来館されるのですが、新型コロナウイルス感染症対策による緊急事態宣言発出のため、校外学習が行われていませんでしたが、6月から来館していただくことができるようになりました。  今年度の最初は、加古川市立平岡東小学校の児童たちです。元気に駅から歩いて来られました。  入館前のオリエンテーションです。見学のしおりには、竪穴住居が可愛く描かれていました。  入館時の感染症対策、手指消毒です。児童たちにも協力していただき、順序良く静かに入館してくれました。  「これはマンモスではなくて、ナウマンゾウですよ。」当館学芸員が説明します。 確かに良く間違われます。皆さん覚えましたか。  みんなメモをきっちりと取っていましたね。  「弥生のくらし、まちがいさがし」全部分かったかな?  古代船の大きさに驚く児童もいました。なかなかの迫力です。「ほんまに浮くんかなぁ」と一声ありました。  実際に浮かべた映像があるので、見て帰ってくださいね。  地下1階のネットワーク広場から、地下2階の遺物整理室の様子を見ることができます。土器の破片を組み合わせる作業を見てメモをしています。  特別展示室も見学しました。学芸員に積極的に質問していました。  見学に当たっては、クラスごとに、そしてさらにクラスを半数に分けて、密にならないよう協力していただきました。  館内見学の後、大中遺跡公園への移動中。これから竪穴住居におじゃまします。  竪穴住居体験です。住居は結構広いですが、密にならないよう、更に少人数に分けて入ります。  午後から見学の加古川市立野口小学校が到着しました。  先にお昼ごはんの時間です。密にならないよう指定された場所でのお弁当です。  発掘ひろばの見学です。重機に人気があります。  興味がわいたら、ぜひまたゆっくりと見に来てくださいね。 *  *  *  *  *  ご来館予定のお客さまへ。   当館では7月半ば頃まで、平日は学校団体の受け入れをしています。その様子はこのブログでご覧いただいたような状況です。できるだけ密にならないよう留意し、また、皆様のご観覧に不自由がないよう計画的に案内しており、児童たちもおとなしく見学しております。  万一、混雑が気になるという場合がございましたら、本館のホームページのトップにあ...

特別展講演会「望塚銅鐸を復元する」

 開催中の春季特別展「弥生時代って知ってる?」に関連する講演会が開催されました。  特別展で展示している望塚(ぼんづか)銅鐸の復元に関するお話です。  昨年、兵庫県立相生産業高等学校機械科の3年生が、青銅器製作の授業で加古川市出土の望塚銅鐸の復元に取り組みました。  今回の講演会は、コロナウイルス感染症対策強化で、定員の半数72名をさらに60名にして開催しました。  講師の相生産業高等学校の竹下先生(右)と、兵庫県まちづくり技術センター埋蔵文化財調査部の篠宮課長(左)です。  講演の第1部、鋳造実験。相生産業高校が銅鐸を作成した方法で、竹下先生が実際に銅鐸づくりを再現しました。  砂を炭酸ガスで固めた鋳型に黒鉛を塗り、重ね合わせた時に剥がれないよう接着剤を鋳型の周囲に塗る作業です。三田市の平方遺跡出土の小銅鐸を見本にして鋳型を作りました。  2枚の鋳型を重ね合わせます。ずれないように、器具を使ってしっかり固定します。  1,280度に熱せられた青銅(銅90%、錫3%、鉛7%)を鋳型に注入します。1,200度がちょうどよいらしく、80度高いだけでも微妙だそうです。  密を避けるため、見学人数を30人ずつに分けたので、後半に見学する方は講堂で篠宮課長の解説付きで生中継をご覧いただいています。  後半の再現が終了し、前半に作成した銅鐸を講堂内で確認しました。 残念ながら失敗でした。注入した銅が、鋳型の中の2㎜の隙間にいきわたらなかったのが原因のようです 上手くいけば、こんな風にできていたのですが…。後半に挑戦した銅鐸に期待しましょう。  第2部は竹下先生の講演です。平成26年度から相生産業高校で銅鐸製作をするようになった経緯から、地元企業の協力を得て試行錯誤しながら製作し、銅鐸の厚さを薄くするという課題を著名な金工作家の指導と助言を受けながら、厚さ1~2㎜の薄い銅鐸の鋳造に成功したということを熱く語られました。  その後は、淡路の「慶野銅鐸」や国宝「桜ヶ丘5号銅鐸(神戸市立博物館蔵)」のレプリカを作成し、地元の学校に寄贈したり、当館の特別展「青銅の鐸と武器」でレプリカを展示したりと活動が大きく進展し、平成29年度にはBS番組「ガリレオX」で全国に紹介されるなど、昨年の本館と共同での望塚銅鐸の復元までの道のりをビデオ上映も交えて解説していただきました。  第3部、討論会です...

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