兵庫県立考古博物館の埋蔵文化財課では国・県・公団等の開発事業に伴う埋蔵文化財の有無や発掘調査の必要性などを調整しています。
現在、西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)が計画施工している「新名神高速道路箕面ー神戸間(兵庫県域)建設工事」に伴って、兵庫県教育委員会が(公財)兵庫県まちづくり技術センターに委託して発掘調査をすすめています。
観音寺跡の発掘調査現場「兵庫県川辺郡猪名川町猪渕」を訪ねました。
山腹を開削し段をつくって、中世の墓や寺院がつくられました。
写真下に見える未舗装の道路部分は昨年度発掘調査を完了した「広根遺跡」の一部分です。
工事が進み、あっという間に元の地形が変わっていきます。
職員が調査現場の最前線に立ち、発掘を進めています。
観音寺の本堂跡と考えられる建物付近からは丹波焼の大甕が出土しました。
墓地から「一石五輪塔」が落ち込んだ状態で墓が発見されました。
手前(観音寺跡)から東方(向かいの山裾)にかけて広根遺跡が広がります。
平成23・24年度に広根遺跡の発掘調査が完了し、鎌倉時代から室町時代の多田源氏の荘園の一部である有力農民の”むら”が発掘されました。
広根遺跡出土の愛くるしい「犬形土製品」
新名神高速道路(兵庫県域)の埋蔵文化財発掘調査は佳境を迎えており、
発掘完了にむけて鋭意調査を進めています!