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9月 27, 2020の投稿を表示しています

兵庫考古学研究最前線2020「縄文時代早期の兵庫」

注目の発掘調査や最新の研究成果など、 兵庫県内の考古学情報をいち早くお伝えする連続講演会「兵庫考古学研究最前線」。 今年度の第2回目は「縄文時代早期の兵庫」と題して、 (公財)兵庫県まちづくり技術センター埋蔵文化財調査部の青山 航主任が講演を行いました。 講演のはじめは、縄文時代早期とはどんな時代か、という説明です。 縄文時代は約1万年続いた非常に長い時代で6期に区分されますが、早期は2番目に古く、気候的にも変動が激しい時期から安定へと向かう中間段階であり、狩猟・漁労・採集の3つの生業が成立した時期だと見られています。 兵庫県の縄文時代早期遺跡の特徴は、 ①早期後葉の遺跡は少ない(関西の他県と同様の傾向)、 ②現在のところ貝塚の出土例がなく、比較的標高の高い地域に遺跡が多いこと、 ③遺跡数は関西の中では多い方であること (早期前葉・中葉の遺跡が87遺跡確認されている。ただし土器の出土量が後期や晩期と比べると少ないことから、比較的少ない人口であったと考えられる)、などです。 縄文人らしい生活のスタイルができあがったのが、兵庫県では早期の前葉と中葉です。 家原遺跡(宍粟市)では、 クルミなどの堅果(けんか)類を擦っていたとされる石皿やすり石が出土し、 早期のものとみられる落とし穴遺構が検出されています。 西岡本遺跡(神戸市)では 、竪穴住居跡が検出されています。 これより古い 縄文時代草創期の竪穴住居は兵庫県では確認されていないため、この時期に 定住化が進んだと考えられます。 今後の発掘調査により、県内ではまだ見つかっていない早期の貝塚など、新たな発見があるかもしれません。                *    *    *  今後の「兵庫考古学研究最前線2020」の予定は以下のファイルをご覧ください。  → チラシPDF (サイズ0.2M)  講演会参加のご予約は、当館ホームページで受け付けております。   【こちら】 の予約ボタンからお申込みをお願いします。 (応募多数の場合は抽選となります)

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