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10月 15, 2023の投稿を表示しています

古代体験講座「粘土でつくる古代の駅鈴」

  今回作成する「駅鈴」は”駅家”を利用するためには、必ず許可を得て携えておかなければならない重要な通行証のようなもので、公的な使者にのみ支給されていました。 これがなければ駅馬を利用し食事・宿泊などのサービスの提供を受けることができませんでした。 本来は青銅でつくられていましたが、この講座では粘土で作成します。 まずは、駅鈴がどのようなものか特別展の展示品(模造)を見学です。学芸員さんからの解説がありました。 現在残っている現物は 、 島根県隠岐の島町の玉若酢命(たまわかすのみこと)神社が保管している2口のみで国の重要文化財に指定されています。この駅鈴は昭和51年の郵便はがき(当時は20円)の切手部分のデザインに採用されています。 いよいよ体験学習室で作成に入ります。 駅鈴の設計図にあたる型紙をはさみで切ります。 のし棒を使って板状に成形していきます。 型紙のサイズに合わせてカッターで切り、側面、底面、上面、そして中に入れる玉をつくります。 これらを接合して組み立てていきます。 頂部分には紐を通すための穴を、そして側面には飾りの突帯を付けます。 駅鈴の形ができあがったら鈴口(鍵穴のような開口部分)を開けて、全体をきれいに整えていきます。成形には竹やつま楊枝を使って丁寧に行いますが、粘土が柔らかいので優しく扱わないといけません。 倒れないように底面に足を付けて、最後に側面に「驛」「鈴」と書き入れて完成。 できあがり! この後、乾燥させてから焼き上げます。 駅鈴のお渡しできる日は10月29日(日)以降になります。 どんな音が鳴るのか、完成をお楽しみに!

講演会②「賀古駅家と邑美駅家を語る」

  講演会「播磨の駅家を語る」シリーズ全 4 回の第 2 弾になります。 講演は、それぞれの駅家の発掘調査を担当した中村館長補佐が賀古駅家(かこのうまや)を、中川学芸員が邑美(おうみの)駅家について解説を行いました。 賀古駅家(加古川市野口町)は印南野台地の西端に位置し、様々な古文献から古大内遺跡がその駅家であると注目されていました。 平成 19 年に当館は開館しましたが、まず取り組むべき調査研究事業として「古代官道と駅家」が決定すると同時に、最初の発掘調査対象として賀古駅家が選定されました。 当館にとっても大事な駅家となっています。   古代官道の駅家に備えられる馬の数は重要度により 5 ~ 20 頭と定められていますが、この賀古駅家にはなんと 40 頭の馬が備えられていたということが、平安時代の文献『延喜式』に記されています。 全国一のものが私たちの近くにあるということで、もっと注目されてもいいのではないかと思いました。           邑美駅家(明石市魚住町)は印南野台地の東端に位置し、崖上から南東方向の明石駅家に延びる山陽道を見下ろせる、駅家としてまさに好適地に立地しています。 この遺跡は、当初地形図を作成していたところ、水田の畦の方向がこの部分だけ違う東-西、南-北の方向に向いていたため、周辺をレーダー探査で地下の調査を行った結果、畦の内側に明瞭な輪郭が確認され、それを基に発掘調査を行うこととなりました。   発掘してみると大量の瓦片が出土しました。このことから駅家には瓦葺きの立派な建物群が存在していたと考えられます。駅家を利用できるのは駅鈴を携えた使者のみであったことから、海外からの賓客に対して、我が国日本でもこのような施設を作る国力があるということを示したかったのでしょう。 講演会「播磨の駅家を語る」シリーズも半分が終了し、残り2回となりました。 まだ、2回とも申込みが可能ですので、ご興味のある方はご参加ください。ただし、第③回は既に申込期間を過ぎているため先着順での受付となります。ご了承ください。    10月21日(土) 播磨の駅家を語る③「高田駅家と大市駅家を語る」   先着順  11月25日(土) 播磨の駅家を語る④「出土遺物からみた山陽道の駅家」 申込11/7まで

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