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6月 26, 2022の投稿を表示しています

無料開放のお知らせ 『ひょうごプレミアム芸術デー』 

7月12日(火)から18日(月・祝) までの一週間は「 ひょうご プレミアム 芸術 デー 」で、観覧無料となります。 「 ひょうご プレミアム 芸術 デー」とは、9つの県立芸術文化施設で展覧会の無料開放や劇場等で無料特別イベントを開催するものです。  この機会にぜひ、芸術・歴史・自然に関するさまざまな展示や体験を気軽にお楽しみください。 <参加施設> 県立美術館、横尾忠則現代美術館(県立美術館王子分館)、県立人と自然の博物館、県立考古博物館、古代鏡展示館(県立考古博物館加西分館)、県立円山川公苑美術館、兵庫陶芸美術館、ピッコロシアター(県立尼崎青少年創造劇場)、県立芸術文化センター     <県民プレミアム芸術デーの取り組みについて> 各参加施設の期間中の展覧会やイベントの内容についての詳細は 兵庫県ホームページ でご確認ください。 <当館でのもよおし> ・「石棺に入ろう」    7月16日(土)14:30~15:30         ※ 先着6組様(1組5人まで) ・「古代船にのろう」7月17日(日)14:30~15:30   ※ 先着6組様(1組5人まで)   ・「火おこし」  ◎7月12日(火)~15日(金)11:00~14:40   ◎7月16日(土)~18日(月・祝)10:00~14:40      ※ 予約は当日、9時から体験学習室1またはボランティアルームで行います。        先着順で定員に達し次第、〆切りとなります。      ※ 天候により中止する場合があります。 ・「発掘ひろばではっくつ体験」期間中毎日    9:30~17:10   ※ 17:10まで受付 先着24組(1組約5人まで)     先着順で定員に達し次第、〆切りとなります。 加西分館「古代鏡展示館」も「ひょうごプレミアム芸術デー」に参加します。 ぜひこの機会にご観覧ください。  ※ 7月13日(水)は休館です。  ※ 別途県立フラワーセンターの入園料が必要です。

講演会 弥生時代の兵庫②「石・鉄・銅の武器-弥生時代の兵庫-」

兵庫考古学研究最前線2022、『弥生時代の兵庫』第2弾は「石・鉄・銅の武器-弥生時代の兵庫-」と題して開催されました。 本日の講師は、公益財団法人兵庫県まちづくり技術センター埋蔵文化財調査部の園原悠斗さんです。 原始古代における武器は、弓矢、剣、刀、ヤリなどで、中でも弓矢は弥生時代から中近世に至るまで主たる武器として用いられており、特に矢の先端 の鏃(やじり)の部分の材質や形態、寸法などの違いは、当時の社会像を復元するうえで、考古学研究では欠かすことのできない注目点だそうです。この講演会では、弥生時代1,000年における武器の変容と、古墳時代に向かっての社会の変遷について、弓矢(鏃)に焦点を当てて解明してくださるとのこと。 会場は今回もほぼ満員のお客様、いつもありがとうございます。 鏃の材質には、石、鉄、青銅、木材、動物骨、牙などがあるそうですが、木材や、骨、牙などは大半が地中で朽ちてしまい、分析するほどの数がないそうです。そこで、多く出土し、ある程度原形をとどめている石、鉄、銅について分析するとのことです。 矢は、大まかにいえば、先端の鏃と木製の柄の部分(柄の後方は矢羽を設える)と、柄の先端に鏃を取り付けるための根挟みという部材でつくられています。鏃には獲物に刺さる先端部分(刃部)と、根挟みや矢の柄に取り付けるための部分(基部・茎部)に分けられ、先端の形状や基部の形状も時代や地域によって特徴があるそうです。 1 石の鏃について 石の鏃の基部の形(上図2段目及び3段目)を見ると、弥生前期は凹基式(2段目左端)が8割以上で、これは縄文時代の影響が色濃く残っているのではないかということです。武器と土器とでは縄文時代の影響の受け方に多少差があるようです。 弥生中期前葉では凸基式が出現しますが、兵庫県は近畿地方では遅い出現だそうです。前期と同じく最も多いのが凹基式で、次に平基式(2段目の左から2番目)が多いそうです。 中期中葉からは地域によって差が出始め、西播磨では凹基式か平基式、東播磨では凸基式、続いて平基式、西摂地域では凸基式、続いて短茎式(上図2段目右から2番目)、弥生中期後葉では、短茎式が一番多く、凹基式、平基式は3割以下になり、近畿地方的文化の西方波及が読み取れ、弥生後期になると、出土量が激減し、短茎式、平基式に加えて、凹基式が散見される程度となったようです。 な

古代体験イベント「古代のお祓い ひとがた流し」

6月 30 日は「夏越しの大祓(なごしのおおはらえ)」。1年の前半のなかで心身にたまった厄を祓い、残り半年間の無病息災を祈る行事です。 考古博では一足早い6月 26 日(日)に、当館のボランティア団体「考古楽倶楽部」の皆さんが人形(ひとがた)流しの体験イベントを開催されました。夏の恒例行事です。 はじめに、「“ひとがた”とはどういうものか?」を講堂の舞台で教えていただきました。 古代では自然災害や疫病などの災いは、自分や周りの人の行いが招いた厄(やく:罪やケガレという言い方もされる)によって起こると信じられており、人々は折々に、自分の身についた悪いものを “ひとがた” に移して水に流すことによって、災いから逃れようとしました。 特に一年に2回、6月末と 12 月末には大祓を行い(6月を夏越の大祓、 12 月を大晦日の大祓または年越しの大祓ともいう)、次の半年を新たな気持ちで迎えられるようにと祈りました。ひとがた流しは、飛鳥時代にはすでに行われていたようです。 当館でも豊岡市の袴狭(はかざ)遺跡群から大量に出土した奈良~平安時代のひとがたを展示しています。 イベントでは、ひとがた流しの前に平安時代の文献「延喜式」に基づいたかたちで宮殿の中で行われていた儀式を行います。ボランティアさん扮する中臣(なかとみ)が「大祓詞(おおはらえのことば)」を唱え、儀式は完了です。 さあ、いよいよ「ひとがた流し」の開始です。 儀式後に配られた、人のかたちをした木の板に、自分の姿を描きます。 描けた人から屋外へ出ましょう。 榊(さかき)の葉が入ったきれいな水で手を清めます。 祓いどころで「お祓い」を受けます。 お祓いが済んだら、脇にある祭壇に一礼をしてくださいね。 では、ひとがたを流しに川へ向かいます。考古博では、館敷地内に復元された溝を、川に見立てています。 自分のなかの悪いものをひとがたに移すため、ひとがたをなでて、それから「ふうっ」と息をふきかけます。 これで、ひとがたに移りました。祈りを込めて流しましょう。「えい!」「いけ~!」 いかがでしたでしょうか? 来年もきっと6月末に開催するはずですので、当館ホームページ等をのぞいてみてくださいね。 これから暑い夏が始まります。みなさんが穏やかな日々を過ごせますように。

展示づくりの裏側 ~大中遺跡のタコツボと土錘~

 令和4年度春季特別展「弥生集落転生 ―大中遺跡とその時代―」も残すところあと一週間となりましたが、みなさんはもうご覧になられましたでしょうか。 こんにちは、学芸員の藤原です。講演会などで何度かブログのネタにはなっていますが、実は今回が初投稿。この特別展を作るにあたって工夫した展示のポイントをご紹介します。 発見60周年を迎えた大中遺跡は、当初からタコツボがたくさん見つかることが特徴的だと言われていました。タコツボと言っても、私たちが日ごろスーパーで見かける大きなタコを捕まえるためのものではなく、小さなイイダコを捕まえるためにつくられた手のひらサイズのタコツボです。大中遺跡では竪穴住居跡などから、こうしたイイダコ壺がたくさん出土しています。また、タコツボだけでなく、魚を捕る網のおもりとして作られた土錘も見つかっており、大中遺跡に生きた人々の生活と海が密接に関わっていたことがわかります。 今回の展覧会では、タコツボや土錘が使われていた様子がわかるように、縄や網に取り付けた状態で展示をしています。実はこれ、今回の展示図録を作る際に、タコツボや土錘の使い方がわかる写真があればいいなぁと探していたけれど、思うようなものがなかなかみつからず、「どうせなら撮影してみるか!」と思ったのがきっかけになっています。 写真を撮影するにあたって「こんな感じにしたい」というイメージを簡単に紙に書いて、ほどよい縄がないか…天然素材の網がないか…など、他の学芸員に相談し、色々な意見をもらいました。 上のイラストと最初の写真、違うところがあったのですが、気づきましたか? イラストでは縄を直接タコツボに結びつけていますが、過去に考古博物館でタコ壺を使ってイイダコを捕まえた際は、メインの縄から枝縄を分岐させてタコツボを吊るす「延縄(はえなわ)」で海に沈めたようで、そうしたアドバイスを基に修正しています。 天然素材の網も、なかなか好ましいものが見つからず苦戦していたところ、100均で売っているネットバッグが素材も色合いも良さそうだということを教えてもらい、購入し解体して網を調達しました。そうしてできたのが次の写真です。 なかなか雰囲気のある写真に仕上がったんじゃないかなぁと思います。 シンプルに見えますが、タコツボは30点以上・土錘も20点以上あるので、並べるだけでも地味に手間がかかります。カメラのレ

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