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1月 23, 2022の投稿を表示しています

古代体験講座 子持まが玉のレプリカをつくろう

古代体験講座「子持まが玉のレプリカをつくろう」を開催しました。 今回は、当館では珍しく2日続きの講座です。そのせいか、参加者の皆さんは気合十分の雰囲気でした。 南あわじ市の雨流(うりゅう)遺跡から出土した子持勾玉(こもちまがたま/県指定文化財)を参考に、2日間(計8時間)かけて作ります。 ( 雨流遺跡出土の子持勾玉 ) 素材は比較的やわらかい石、滑石(かっせき)を使います。今回の体験講座では、事前にスタッフが半月状に加工した石を提供し、それを受講される皆さんに削り、磨いていただきます。 (工程の模型/右端が完成図) *  *  * <1日目>  石を削り、おおまかな形をつくるところまで進めます。(目標:上の図の左から3~4番目くらいまで) 最初は側面から取り掛かります。パーツのまわりを削り、凹凸を出していきます。 だいたいの形ができたら不要な部分をやすりで削り、背・腹の部分も同様につくっていきます。 本体の周りにくっついた小さな勾玉を削り出すのは難しいですが、根気強く作業を進めます。 現代の工具も駆使して、とにかく削ります! 1日目はここまで。あとは翌日、細部を磨き仕上げます。 *  *  * <2日目> 石を磨いて、仕上げていきます。 まが玉の内側(腹)のくぼみの部分は、まるい木の棒に紙やすりを巻き付けて削ります。 いよいよ仕上げです。丁寧に面取り作業をして、 まが玉らしい丸みをつけます。 完成です! 雨流遺跡のまが玉そっくりですね。日常的に使う首飾りとしては重いかな? 世界に一つだけのまが玉づくり、楽しんでいただけましたか。2日間の体験、お疲れさまでした。

講演会「竪穴住居が語るひょうごの歴史」

 約2カ月ぶりに講演会が開催されました。  兵庫考古学研究最前線2021の第6弾、テーマは「竪穴住居が語るひょうごの歴史」です。  講師は、兵庫県企画県民部地域創生局の山下史朗参事です。  山下さんは、考古博物館設立準備から開館まで担当され、大中遺跡や播磨地域の古代の遺跡に精通されており、当館の竪穴住居復元プロジェクトにも立ち上げの時から尽力されてこられました。  はじめに竪穴住居とはどんなものか、日本各地の復元された住居の写真で説明していただきました。竪穴住居といいますが、住居だけでなく、倉庫や工房などに使われたこともわかっているので、最近では住居と限定せずに、竪穴建物と言われることもあるそうです。  兵庫県は竪穴住居の発掘調査事例が多く、特に播磨では1000棟以上の調査例の蓄積があるそうです。  竪穴住居は、建物そのものが残っていたわけではないので、復元はあくまでも住居跡の竪穴と、柱が建てられていた地面の痕跡から想像して復元されます。それらは、弥生時代の土器や古墳時代の鏡に描かれた住居らしい絵を参考に復元されたそうです。  続いて播磨地区の竪穴住居の特徴の説明です。写真のような4本柱のものが一番多く、中央に穴があけられ、その中には炭や灰が残っていたので、この周りで火を使用し、調理や暖をとったことが十分考えられます。また、サヌカイトなどの石器の破片が見つかったことから、食材を切る作業もここでしていたのではないかと想像できます。  播磨地域の大きな特徴として、弥生時代中期後半頃に、住居の中央に短い楕円形で深さが30~40㎝程度の穴と、長い楕円形で深さが10㎝程度の穴の二つが並んで作られたものが多く発見されました。兵庫県では、その形状から「“いちまる”(10)形土坑」と名付けて呼んでいるそうです。  その後、阪神・淡路大震災で全国から調査員が復興の応援に駆けつけてくださり、一緒に復興作業をしていた時に、みんなが “いちまる” と呼ぶようになって、この呼び方が全国的に広まって使われるようになったという、エピソードも紹介してくださいました。  さらに播磨の竪穴住居の特徴について、円形だった竪穴住居が中期末ごろになってやや四角い平面形の家が出現したこと、播磨の平野部では後期前半までは円形か多角形の住居が残るが、後半にはほとんどが方形に変わったことなど、時間いっぱいまで詳しく

ワークショップ「竪穴住居の模型をつくろう」ー竪穴住居復元プロジェクトー

当館と明石工業高等専門学校・建築科が連携して行っている「竪穴住居復元プロジェクト」の一環で、ワークショップ「竪穴住居の模型をつくろう」を開催しました。 明石高専の学生が講師になり、模型製作を通して竪穴住居のことを詳しく説明しました。 現在、大中遺跡公園には7棟の復元した竪穴住居があり、博物館敷地内にある1棟を建設中です。 講座では、建設に向けての設計、木材や屋根を葺く材料となるヨシの準備、そして建築作業や屋根葺きまで、自分たちが実際に行っているプロジェクトの活動内容を経験談を交えて解説しました。 (リーダーの小林さん) 受講者の方々は、木材(割り箸)を組み合わせ、少しずつ模型を"建築”していきました。 完成しました! 模型を作り終わったあとは外へ出て、現在建設中の竪穴住居について説明を聞きました。 竪穴住居の構造や、屋根を葺(ふ)く材料について、また「この後どんな作業をしていくのか?」などの質問がとび、楽しそうな声がしていました。 *   *   * 竪穴住居復元プロジェクトは月2回、原則第2土曜日と第4土曜日の翌日曜日に活動しています。公園内で見かけたら、気軽にお声がけくださいね。

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