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5月 14, 2023の投稿を表示しています

メインホール展示「2個掛け造り付け竈の支脚として使われた高坏」

5・6月のメインホール展示は、春季特別展に関連して、柿坪遺跡(朝来市)で出土した竈(かまど)に使われていた高坏2個と、関連資料2点を展示しています。 下の写真は、出土状況の写真です。 古墳時代中期の竪穴建物の壁際に造り付けられた竈(かまど)で、手前が焚口。そして、奥から屋外へ煙を出していたとみられます。この時期の西日本では珍しい2つ掛けの竈(2口のコンロ)だったようです。 (水色の線が竪穴建物の壁ライン、黄色の線が竈、赤い矢印が煙が出る方向です) 土師器の高坏2個は伏せて置かれ、甕(かめ)を乗せるための台にしていたようです。 展示ケースの中の高坏を見てみると…なるほど、逆さまに置いたほうが、甕が安定しますね! (メインホールに展示中の高坏2個) (同じ竪穴建物で出土した土師器の甕と平底の土器。 高坏の上に乗せていたか?)  このような2個掛けの竈(かまど)は東日本に多く、西日本は1個掛けの竈が主流のため、珍しい出土例とのこと。兵庫県では、ほかに市之郷遺跡(姫路市)や沖代遺跡(太子町)で見つかっています。 ちなみに、ただいま特別展示室では、このような竈の状況を、詳しく紹介しています。 当時のキッチンの一部が想像できますよ。 ぜひ、ご覧ください。 (特別展示室にあるのは“1つコンロ”ですが…探してみてね!) ◆春季特別展「古墳時代の技術革新」(有料ゾーン)  開催中~7月2日(日)まで   [時間]9:30~17:00まで(入場は16:30まで) ◆メインホール展示 (無料ゾーン)   今回ご紹介した柿坪遺跡出土の土器の展示は6月30日(金)まで  [時間]9:00~17:00まで   メインホール展示 配布資料のデータはこちらからダウンロード(PDF)

特別展 展示解説のご案内

5月13日(土)、和田館長の講演会が終わった後、特別展示室で当館学芸員が特別展の展示解説を行いました。今年度から学芸課に配属となった渡瀨学芸員が講師をつとめました。 渡瀨学芸員の専門は古墳時代の武器、武具ですので、今回は年ノ神6号墳(三木市、県指定品)の鎧(よろい)である三角板革綴短甲(さんかくいたかわとじたんこう)の解説をしました。  さて! このブログを見て興味を持ってくださった皆さまへ、 お知らせです。 今週末5月20日(土)と6月3日(土)にも、 特別展解説 を開催します。 展覧会の見どころを詳しくご紹介しますよ。 時間は、両日とも13時半から30分程度。当日受付で観覧券があれば無料です。 どうぞお楽しみに! また、各特別展関連講演会のあとにも、特別展展示室にて ミニ解説 を行います。 こちらも当日受付で、観覧券があれば無料です。 講演会の参加者以外の方もご参加いただけますので、お気軽にご参加ください。 お待ちしております。 ◆特別展展示解説  ・5月20日(土)13:30~14:00  ・6月 3 日(土)13:30~14:00 [会場]特別展示室 ※特別展示室入口にお集りください [料金]無料(要観覧券) [対象]どなたでも ◆講演会後のミニ解説  ・5月27日(土)※15時までの講演会が終了した後に行います  ・6月10日(土)※15時までの講演会が終了した後に行います  ・6月24日(土)※15時までの講演会が終了した後に行います [会場]特別展示室 ※特別展示室入口にお集りください [料金]無料(要観覧券) [対象]講演会の参加有無は関係なく、どなたでもご参加いただけます

春季特別展関連講演会「古墳の変遷」

5月13日(土)に、春季特別展『古墳時代の技術革新』関連講演会の第1弾「古墳の変遷」を開催しました。 講師は、当館の和田晴吾館長です。今年度最初の講演会であり、さらに和田館長が講師とあって、事前の申し込みには定員の3倍近くのご応募をいただきました。ありがとうございます。 講演では、特別展の見どころとあわせて、古墳の編年検証からみえる様々な古墳の見方や、古墳時代の社会が劇的に変革していく様子のお話でした。 編年とは、モノの形や大きさ、系統などを整理し比較することで、時間や社会の移り変わり(変遷)を調べる目的の研究作業のことです。 古墳は、多少の地域差や階層差はあれど画一的であり、墳墓や埋葬施設などの型式差が比較的顕著なことから、古墳や古墳の副葬品などの編年・時期区分を検証することは、当時の社会の推移を知ることの大きな手がかりになります。 和田館長は、なかでも「古墳時代中期(4世紀後葉~5世紀中葉)には、近代の明治時代にあったような大きな文明開化があった」と言います。 それは、ヤマト王権下で中国や朝鮮半島諸国との交流が活発に行われ、多くの人が行き交い、モノや情報が伝来した結果であり、 例えば、 ・牛馬の飼育と乗馬が始まった→馬具が使われる。 ・新しい衣食住の情報が入り、米を蒸して食べるようになった→甑(こしき)が使われる。 などが、その一端にあたります。 この技術革新については、今回の特別展で実物を紹介しておりますので、ぜひ展示をご覧ください。 最後に、最新の発掘情報として、奈良市教育委員会が調査を行っている富雄丸山古墳の話題にふれました。盾形銅鏡と蛇行剣が出土したことで、この春、テレビニュースでも大きくとりあげられましたね。館長が奈良市から特別にお借りした写真も見せていただきました。 *  *  *   館長の講演会の参加者の方から、 「講演会が始まる前と終了後の2回、特別展を見せていただいたのですが、お話しを聞いて  展示がより深く理解できた。面白かった」と言っていただきました。 当館の展示は、当日のチケットを提示していただければ何回でも出入りできますので、またご利用ください。 ありがとうございました!              

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