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11月 17, 2019の投稿を表示しています

特別展関連講演会「埴輪の源流ー古代中国と日本ー」

現在好評開催中の特別展「埴輪の世界」における関連講演会の第3回目。 最後を締めくくる講師は、当館の和田晴吾館長です。 特別展の内容である「埴輪の世界」をより深く知るために、 埴輪がもつ意義や、その源流として古代中国との関連を論じる内容でした。 今回の特別展が、和田館長自身も評価や位置づけに深く関わった 「池田古墳出土品 重要文化財指定記念」ということもあって、 はじめに展示に込めた思い入れも触れていただきました。 講演は、「埴輪とは何か?」という話題からスタート。 埴輪は、壺や家や鳥といった身の回りにあった実用品や実物をモデルにしており、 現実社会の延長を表現しようとしたもの、と位置付けられました。 過去の埴輪研究は、形や組み合わせなど「埴輪そのもの」を考えるもので、 意味を考えるには、置かれた場所である「古墳」との関係に注目する 必要がある、と指摘されました。 古墳は、時代を重ねるとともに、造り方も複雑になります。 理由として、葬る意識が手厚く複雑に変化したことが考えられ、 亡くなった人の魂を邪悪なものから防ぐために、密封した棺と 保護するための槨を作るように変化した、とのこと。 また古墳が、埴輪や葺石を並べて何らかの「世界」を表現している点に注目。 「墓」だけでなく、古墳は死後の世界=「他界」を表現した場所でもあり、 埴輪も他界を表現するために、様々な形を整えてきたことがわかる、 様々な形は他界での生活に必要なものを表現したものと考えられます。 「他界」を表現した点は、古代中国の王墓と共通する特徴です。 中国皇帝の墓には、時代とともに出入り口や扉、通路などが登場し、 死者の「動き」を想定して墓が造られるように変化した、とのこと。 さらに家形の柩、壁画や明器、俑などが時代とともに発達して、 中国の王墓では「他界」の表現が複雑で多彩になったと指摘。 他界を目に見えるよう表現したところが、埴輪の意義も共通し、 その「源流」と捉えられると論じました。 最後に古墳について、我が国において「死んだ後の世界を表現」した 初めてのもので、埴輪はその表現のため古墳に並べられたものと、

体験講座 古代の技に学ぶかごづくり

当館の特徴の一つに、様々な古代体験をお楽しみいただくことがあります。 古代の人々が暮らしの中から生み出した技や工夫は、 現在の私たちにも、様々なことを教えてくれます。 今回の古代体験講座では、天然のつるを使ってかごづくりに挑戦していただきました。 木に寄生する紐のような植物を編んで作ります。 今回は大人の方が対象です。 まず、担当学芸員から講座について説明がありました。 どんなものを作ることができるかをイメージしていただくため、 ボランティアさんがつくった見本も説明に使います。 交互に組み上げて、形をつくるイメージ湧きましたでしょうか。 いよいよスタート。 指導役のボランティアが具体的な作り方について説明されました。 参加者の皆さんは、興味津々で耳を傾けておられました。 材料の「天然のつる」です。 乾燥して折れたり、切れたりしないよう水に浸しています。 この材料の長さ、太さによって、出来栄えが違います。 ボランティアさんたちが、たくさん集めてくださいました。 皆さん一斉に取り掛かりました。 ボランティアさんもしっかり応援します。 最初にかごの底の中心を作る(編む)ことから始めます。 縦横に3本ずつのつるを直角に交差させて、 そのうちの1本を使って、しっかり編み込みます。 ゆるまないように結構力を入れます。 だいぶ底が出来てきました。モノを入れるサイズまで編んでゆくのは一人では大変です。 だんだん緩んでくるので締めつける手助けがいります。 時間がたつと、つるが乾いて折れやすくなるので、 次の工程の説明をする合間は、編んでいる途中でも水に浸して柔らかくします。 底ができたら、今度は側面を立ち上げるように編んでいきます。 上向けで編んでいた底を横に倒して、今度はかごの側面を作ります。 側面が編まれると、少しかごらしい雰囲気になってきましたか? 側面を編むときも、ゆるまないようしっかり締めつけます。 自然のつるは、ところどころ硬かったり、すきまが生まれます。 うまく工夫しながら編んでいきます。 だんだん様子がわかってくると、皆さん思い思いの形に仕上がって

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