今年の3月に定年を迎え、再任用として県立考古博物館埋蔵文化財課に勤務しています。 最初の仕事は、新名神高速道路建設関連の遺跡発掘調査です。 場所は、神戸市北区有野町二郎(にろう)で、「二郎イチゴ」で有名な場所です。 日下部遺跡(くさかべいせき)といい、中世から近世の集落遺跡として知られていましたが、 山裾の斜面地に河原石を積み上げた「塚」が見つかりました。 調査地は山の斜面で、10年ぶりに発掘調査するには、肉体的に少々きついですが、心は ワクワクです。 張り切って調査を開始しました。この塚はなんだろう?お経を納めた「経塚(きょうづか)」か、 それとも、火葬した骨を納めた中世墓か?期待は膨らみます。 積まれた石をひとつひとつ取り除くと、素焼きの土器に入った中国の銅銭が11枚も出土。 さらに鉄鏃や刀が出土しました。 遺跡の遠景(東から) 河原石を積み上げた塚(南から) 中国銅銭出土状況 出土状況を写真に取り、実測をして取り上げます。写真はデジタルカメラにお任せですが、 詳細な測量は、方眼紙が見えにくくなっている自分に愕然。 でも、なんとかみなさんの助けを借りてクリア! 調査の結果、この塚は「経塚」の可能性が高いと考えています。 そんなこんなで4月から始めた調査は、5月の連休前に終了しました。
弥生の村、史跡大中遺跡に隣接したフィールドミュージアムです。