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9月 25, 2022の投稿を表示しています

秋季特別展 列品作業のようす

10月1日開幕の秋季特別展「丹波焼誕生-はじまりの謎を探る-」の展示会場の準備が大詰めです。いつものように列品作業のようすをご紹介します。 今回のテーマは、日本六古窯の一つとして知られる丹波焼です。大きな壺も展示しますので、いつにも増して力仕事です。 覗きケースの並べ方を思案中。いかに資料を活かすように展示するか大事なところです。 壺の破片です。どのように置いたら見やすいか、どの部分を見ていただきたいかを考えています。 安定の悪い破片なので、円筒形の文鎮を重ねて支えにし、持たせかけました。文鎮はシックな色の布で目立たぬように品よく細工しました。 隣の覗きケースです。全体のイメージとバランスを考えていきます。 数時間後、特展室をのぞきに行くと、このようにきれいにまとめて展示されていました。確かに置き方ひとつで違って見えますね。キャプションを置けば完成です。 愛知県陶磁美術館からお借りした渥美灰釉芦鷺文三耳壺(あつみかいゆうあしさぎもんさんじこ)の展示作業です。 平安時代末期の重要文化財で、倒れないようテグスとチューブでしっかりと固定します。 「ここの展示台はどの色にしましょか?」 どのように展示されているか、お楽しみに。 メインホールのチケットカウンターのバナーも設置しました。 受付スタッフの皆さんも、特別展に向けて準備中です。 「次回開催」のラベルをはがすまで、もうあとわずかとなりました。 特別展は、10月1日(土)から11月27日(日)までです。 重要文化財も4点展示します。皆さんのお越しをお待ちしております。  

メインホール展示が変わりました

9月27日、メインホール展示を入れ替えました。テーマは「丹波焼が出土した中世墓」で、丹波市の喜多(きた)中世墓群についての展示となります。 10月1日に開幕する秋季特別展「丹波焼誕生-はじまりの謎を探る-」に関連する展示です。 喜多中世墓群は、丹波市市島町の喜多集落東側の丘陵斜面に位置する中世墓群で、昭和58(1983)年に近畿自動車道舞鶴線の建設に先立ち発掘調査が行われました。 斜面を段状に造り出した3箇所の平坦部に総数44基の墓が設けられていました。出土した土器からみて、14世紀前半から後半にかけて次々と造墓されたと考えられています。 展示されている壺は、34号墓から出土したもので、浅く掘りくぼめた穴にすえられ、当初は石材で覆われていたようです。壺の中に火葬骨が残っていたので、蔵骨器として利用されていたと考えられます。 この丹波焼の壺は、還元色の強い青みがかった色調で、肩から上に緑色の自然釉が淡くかかっています。伝世品の丹波焼は赤みを持つ色調に自然釉が流れ落ちるような作品が多いのですが、それに比べると、だいぶ印象が異なるものです。 *  *  *  *  * 丹波焼は日本六古陶の一つとして知られていますが、そのはじまりについては長らく謎に包まれていました。その解明のきっかけは、昭和52(1977)年に行われた丹波焼最古の窯の一つである「三本峠北窯跡」の発掘調査で、それまで周辺の窯跡では見つからなかった菊花文、連弁文などが刻まれた刻画文陶器が多数見つかったことです。 秋季特別展「丹波焼誕生-はじまりの謎を探る-」では、近年行った三本峠北窯跡の資料調査の成果をふまえて、他地域産の刻画文陶器も紹介しながら、刻画文陶器と丹波焼の成立について考えます。 秋季特別展は、10月1日(日)から11月27日(土)まで。 メインホール展示と併せてご覧ください。 まだまだ暑いですが、10月になると秋らしい雰囲気に変わっていくことを願っています。 文化の秋は、考古博物館でお過ごしください。お待ちしております。  

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