現在開催している春季特別展の展示担当者、篠宮正学芸員による講演会で、満員御礼でした。 惜しくも抽選に外れてしまった方、申し訳ございません。またの機会にお待ちしています。 兵庫県の古墳の数は日本一(なんと18,707基!、文化庁令和3年度資料)。 特に但馬地域には半数近い9,481基があり、その中でも豊岡市が多く、豊岡市だけで6,396基にもなるそうです。 古墳の数を把握しやすいのは、発掘しなくても目に見えるためで、特に但馬地域の古墳は尾根上にあって、目に付く尾根は全て古墳群といってもいいぐらいだそう。 昨年度は、津門大塚町遺跡(西宮市)から埋没していてわからなかった古墳群が見つかりました。まだまだ兵庫県の古墳数は増えていきそうです。 講演会で特に力を入れてお話されたのは、「竈(かまど)」。なんでも縄文時代以来の伝統にはなく、朝鮮半島から「甑(こしき)」(蒸すための土器)といっしょに伝わった外来の道具で、お湯を沸かす「甕(かめ)」などといっしょに使われたのだそう。 移動式のかまどまであるそうで、今ならキャンプにでも使えそうですね。 こしきを詳しく観察すると、底に孔が開いていて蒸気が通るようになっているのですが、底の形は平底・丸底、孔の形は多孔・小孔・長細孔、口縁の形は直口・外反、といった種類があるそうで、その組合せによって朝鮮半島のどの地域の影響を受けてつくられたのかがわかるのだそうです。 具体的には、 尼崎市若王寺遺跡・・・加耶東部系 加古川市砂部遺跡・・・新羅系 姫路市市之郷遺跡・・・百済系 となり、兵庫県の瀬戸内側は朝鮮半島のいろんな地域から影響を受けていたんですね。
弥生の村、史跡大中遺跡に隣接したフィールドミュージアムです。