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9月 20, 2020の投稿を表示しています

#自宅でも考古博 34「弥生時代の鳥形木製品」

当館のテーマ展示室の環境コーナーに、米作りや銅鐸の祈りをする弥生時代の風景が展示されています。 その入口に、竿の先に取り付けられた鳥形の木製品がありますが、気付いていただいていますか? テーマ「環境」の入口両脇に立てられた 鳥形木製品(弥生時代)の再現 これは、神戸市西区の玉津田中遺跡から出土した弥生時代の鳥形木製品の使われている様子を復元したものです(感染症対策をした旧石器人が手前にいますが、、、)。 鳥形木製品とは、別々につくられた胴体と羽を組み合わせて鳥形にした木製品のことで、集落や田んぼ、井戸、お墓など、村の入口や異界との境界に立てられた祭祀具であると考えられています。 このような鳥形木製品は、大阪府和泉市の池上曽根遺跡や、愛知県名古屋市・清須市の朝日遺跡など、近畿、東海地方の弥生時代の遺跡から多く見つかっています。 弥生時代になって登場することから、稲作と共に朝鮮半島から伝えられた風習とも考えられますが、北部九州ではあまり見つかっていません。 吉野ヶ里遺跡で復元されている 鳥形木製品 朝鮮半島といえば、お隣の韓国でも同じような形態をした鳥形の木製品があり、「ソッテ」(솟대)とよばれています。近年まで風習が残っていて、多くの場合、村の平和、守護、豊作を祈願し、村人たちが共同で村の入口に立てていました。 日本において鳥の信仰は古く、『日本書紀』や『古事記』などに登場するほか、考古資料としては、鳥の絵画が弥生時代の土器や銅鐸、古墳時代の装飾古墳や埴輪に描かれています。また、古墳に立てられた鳥形埴輪や鳥形木製品の事例も報告されています。 神社の「鳥居」の起源とも噂される弥生時代の鳥形木製品ですが、鳥への信仰は多くの地域、長い時代にわたって認められることから、直接的な関連を証明するのはそう簡単なことではないようです。 しかし、時空を越えた鳥に対する思いは、過去から未来へと、羽が生えて飛んでいくようです。 学芸課 中村 弘

「週末の古代体験」紹介

 コロナウイルス感染防止対策の中、少しでも体験をしていただこうと、9月から新しく始まった「週末の古代体験」、本日は “弥生土器にふれよう” が実施されました。 メインホールに設けたテーブルで、本物の弥生土器を手に取ってみることができます。 当日フラっと来られても気軽に体験できる企画です。 約2000年前の本物の土器です。学芸員が時代背景や、遺跡からどのように出土したかを説明しています。 土器の底には穴が開いていて、その穴は…と聞いて、思わずのぞき込みます。興味を持ってくれると嬉しいですね。 土器が出土したときの状況を調査報告書の写真で説明します。とても熱心に聞いてくださってました。学芸員もわかりやすいように何度もページをめくりながら質問に答えます。 この黒い焦げたような部分は火にかけたところかな? この土器にフタってあったんですか?どんなものを入れてたんですか? 2000年前に思いを馳せます。 「週末の古代体験」は、以下のように予定しております。何をするかはその日のお楽しみです。  9月26日(土) 13:30~15:30(受付13時から) 10月 3 日(土) 12:30~15:30(受付は特にありません 短時間で参加できます) 10月24日(土) 13:30~15:30(受付13時から) 10月31日(土) 13:30~15:00(受付13時から) 入館料不要で体験できます。お気軽にご参加ください。お待ちしております。

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