南あわじ市北阿万で発掘された「珉平焼窯跡」(みんぺいやきかまあと)からは、多量の陶器やタイル、土製型、窯道具など28リッター入りコンテナに約1千箱出土遺物があります。
その中には”なんじゃこれ?”とも言える見慣れない遺物があります。
4本指の龍文様皿
この文様はどのようにしてつけられたのでしょうか。
この遺物は地下1階にある「収蔵展示室」に展示されています。
丸い皿の内側にも5本指の龍文
割れ口は鋭いことから
「珉平焼は硬質陶器製作が得意!」
小判皿にも4本指の龍文が
菱形皿内面の3本指の龍
三彩方形皿の内側に4本指の龍
「珉平焼は派手な釉薬を用いた三彩が得意!」
これらの器形はすべて土型に陶土を押し当てて文様をつける「型作り」です
小判皿の土型(写真)
小判皿の土型(実測図)
方形皿の土型(写真)
方形皿の土型(実測図)
踏ん張った脚の上には円形や方形の皿の形と文様があります
この上に土を乗せて、よく押しつけて文様をつけます
「珉平焼は型ものが得意!」
足の指が3本から5本まで各種あります。
一説によると中国明時代の皇帝に捧げられたものは5本指だとか・・・
その真意はわかりません。
もっともこの珉平焼が生産された時期は明治時代や大正時代ですから、
皇帝云々とは関係なさそうです。
主にこの文様が編み出された中国などの東アジアや
東南アジア向けに生産されたものと考えられます。
【予告】
10月26日(土)特別展講演会「戦国山城の実像ー見せる・住む・籠る-」
中井 均(滋賀県立大学教授)
10月27日(日)「三木合戦絵図」絵解き
開催されます。
乞うご期待!!