2万5千年前、兵庫県内で15センチもの火山灰が積もった!
その名も「姶良Tn火山灰(あいらたんざわかざんばい)」
略して「AT火山灰」
火山の正体は、鹿児島湾。
だれもが知っている鹿児島市の南に広がるあの海!
湾に浮かぶ桜島は現在も噴火しているが、その昔、湾全体が大噴火した。
湾の周囲にはその時の噴火でつもった火山噴出物でできた「シラス台地」が広がる
もちろん、あたり一帯の旧石器人は全滅した。
空高く舞い上がった火山灰は偏西風にのり北東側に飛散し、
兵庫県でも至る所で確認されている。
丹波市七日市遺跡(舞鶴道春日インターチェンジ付近)の発掘で
2万5千年前の火山灰が発見された。
おねえさんの膝上あたりに、幅15センチ程度のオレンジ色の層が見えるでしょ
それが「AT火山灰」2万5千年前、鹿児島から飛んできて積もったんだ
2万5千年前もまえのことだが、1週間程度でこの厚みが積もったと考えられているんだよ
そのAT火山灰層の下の淡い黄色の土層や上の灰色の土層から
旧石器時代の石器が出土したんだ
パネル真ん中の茶色に塗られているのが「AT火山灰」
その下から斧などの石器が出土
約3万年前
磨いた石斧(せきふ)
旧石器人はナウマン象などの大きな獲物に、この斧を持って襲いかかったんだろう
先を尖らせた石器
弓矢の先につけて飛ばして獲物を射たんだろう
「AT火山灰」の上層から
約2万年前・1万2千年前の石器が出土
ナイフ型石器と呼ばれる弓矢の先につける石器
先頭器と呼ばれる石のやり
左写真の下のほそい石器は「細石器(さいせっき)」と呼ばれる組み合わせの石器
現代人でもなかなか作られない高度な技術をもった「旧石器人」
いろんな動物を狩りで獲ったり、木の実を採ったりして食料にしたんだろう
これらは兵庫県立考古博物館 テーマ展示室「環境」コーナーにあります
是非ご観覧ください
【お知らせ】
兵庫県立考古博物館は12月24日(火)~1月1日(水祝)まで休館です
1月2日(木)から開館します
2日(木)13:30~14:30「古代の文字でカレンダーづくり」要予約 参加費200円
3日(金)11:00~12:00新春もちつき(ふるまい餅あり)無料
3日(金)13:00~14:00考古博カルタ大会無料
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