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2月のメインホール展示は津門大塚町遺跡出土品

2月のメインホール展示は、県内で今話題の西宮市にある津門(つと)大塚町遺跡の出土品です。2月4日に現地説明会を開催しましたら、730人の方がお越しになりました。


県立西宮総合医療センター(仮称)整備に伴って発掘調査を行っている津門大塚町遺跡では、古墳時代から鎌倉時代にかけての多くの遺構と遺物が見つかりました。中でも、古墳時代の調査成果は目を見張るものがあり、竪穴建物33棟、埋没古墳10基、土器や鉄器製作関係の遺物などが多数出土しました。


           【 写真は10号墳周濠の土器群出土状況 】
竪穴建物からは、鉄器の素材となる「鉄塊」や鉄器製作時に生じる不純物である「鉄滓(てっさい)」が多く見つかり、大規模な鉄器生産がこの地で行われていたことが判明しました。
また、古墳の周濠からは埴輪や須恵器の他に牛や馬の歯、陶質土器と呼ばれる朝鮮半島でつくられた土器も見つかりました。


【 写真:陶質土器(左/把手付鉢、右/甕)】
陶質土器には朝鮮半島南西部の栄山江流域でつくられた甕と、朝鮮半島南部の伽耶(かや)で作られた把手付鉢があり、複数の地域との交流が伺えます。


【現地説明会資料】

津門大塚町遺跡は、南北にはしる阪急今津線と東西に延びるJR神戸線の交差するところの北西部にある大きな遺跡ですので、電車で近くを通られる時は、ぜひ目を向けていただければと思います。

メインホール展示は2月末まで。
現地説明会資料(A3両面刷二つ折り)も置いてますので、早いうちにぜひご覧ください。

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