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週末の古代体験-臨時休館前日の博物館-


 新型コロナウイルス感染症対策で、兵庫県は緊急事態宣言が発令され、4月25日から当博物館も臨時休館になりました。
 ここでは休館前日の週末(土曜日)の様子をお伝えします。


 午後から、特別展の展示解説が講堂で行われました。いつもは展覧会場の特別展示室で実際の資料を見ながら解説しますが、今回は講堂で、弥生時代についての基本を学んでいただくこととしました。

 講演会のような雰囲気に参加者の皆さんは、若干緊張気味のご様子でした。

 解説は、展覧会担当の松岡学芸員が行いました。昨年新型コロナウイルスで開催できず、1年延期になったことから話がスタートしました。
 今回の展覧会、「弥生時代って知ってる?」では、皆さんが小学生のころ教科書で見た弥生時代の資料を多く見ていただきたいという思いで企画したそうです。

 かつての研究では、弥生時代は6~700年程度の期間とされていましたが、近年の科学分析を用いた研究により1,000年以上の長い時代であったと言われるようになりました。

 大陸から伝わった頃の様子がわかる遺跡も紹介されました。
 ざっと、弥生時代とは何かを学んでいただいて、実際の展示物を見ていただくという、いつもとは違った特別展解説でした。


 次に、不定期で開催する週末の古代体験が行われました。博物館に来て、週末の古代体験に出会えたら、ラッキー! と、密かに評判になっています。
 この日は紙コップに塗り絵を貼って作る「紙コップ銅鐸」です。

完成見本です。こんな感じになります。ちゃんと音も出るようになっています。

 「銅鐸って知ってる?」 せっかくなので銅鐸の勉強もしました。

 紙コップに貼る塗り絵の下絵です。いろいろあります。


思い思いに色を塗ったり、絵を描いたり…。時間を忘れるひと時ですね。

 完成!
世界に一つだけのオリジナル銅鐸。楽しんでいただけましたか。
 少しの時間で楽しめる「週末の古代体験」、次回をお楽しみに。

*  *  *  *  *

 博物館は、5月11日まで臨時休館になります。再開しましたら、ぜひ足を運んでください。
 HPで常に最新情報をお知らせいたしますが、電話(079-437-5589)でお問い合わせいただいても結構です。
気軽にご連絡ください。

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