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珉平焼のタイルとプラナカン文化(シンガポール編その3)

兵庫県南あわじ市北阿万伊賀野で発掘された
珉平焼窯跡(みんぺいやきかまあと)
江戸時代から明治・大正・昭和にわたり、やきもの失敗品が捨て続けられた
その資料の中には「タイル」の生産に関わる品々もあった
それらは考古博の地下1階、収蔵展示コーナーの一角に展示されています
同じ柄のタイルがPeranakan(プラナカン)文化が花開いた
シンガポールにみることができる

今回は道路脇にある建物(ショップハウス)に使われているタイルたちを紹介しよう

珉平焼窯跡から出土したタイルなど
(左側:湿式タイル・右側:乾式タイルの失敗品、上左:タイルのさや、湿式タイル型など)
これらの中のしあわせなタイル(完成品)は、はるばる海をわたって使われ、今も活きている

ブレア・ロード付近のショップハウス群から摩天楼を望む


ニール・ロードの青い館がBaba Museum(House)
(シンガポール国立大学(NUS)の管理施設)
NUS MUSEUMのH.P.

プラナカン(15世紀以降、中国の男性とマレーの女性との間に生まれた融合文化の人たち)
政治・経済・教育に熱心で、近代になり子弟はイギリスに留学させた結果、
タイル文化を持ち帰った!

事前に申し込んだ「ツアーガイド」に参加した

外壁には陶器や磁器の造形品がいっぱい!
これが富豪の住まい(ショップハウス)
残念ながら内部は撮影できなかったが、
許可をえた撮影画像は「タイルの本 2011.9に掲載されているので参考にされたい
H.P.は下記を参照願います

この付近のショップハウスは時価1億円程度で売り買いされるとか・・・

Baba House(タン・チェン・ロック邸)の説明

Baba Museumのすぐ横の家には日本でも多く生産された文様のタイル
(淡陶も生産しているが、イギリス製の可能もある)

ニール・ロードのバーにもタイルが・・・(イギリス製と思われる)

ブレア・ロードのショップハウスのファイブフットウェイ(軒先通路)
これでもか!と言わんばかりのタイルタイルタイル

日本の各社が生産した柄のタイル
裏面の型(メーカー名)がみられないのが残念!

珉平焼窯跡で出土した淡陶が生産したタイルの風合いに似る
淡路島で生産された「しあわせなタイル」では・・・
(ブレア・ロードにて)

中央のクジャク柄タイルは日本製、両脇の花柄はイギリス製と思われる 
(エバートン・ロードにて)

 タンジョン・パガー・ロードのショップハウス
タイルは少なかったが、なんともかわいく、な建物に見とれていました

仏教寺院

ヒンズー教寺院

プラナカン、中国系、インド系など
多民族国家が実感できる「シンガポール」

1920~1940年ごろまで大量に日本製タイルが使われた建物はシンガポール各所に
ナイトサファリ、セント・ソーサ島、マーライオンもいいですが
タイルを見に、ぷらっと出かけてはどうですか

兵庫県立考古博物館では収蔵展示コーナーに
珉平焼窯跡出土タイル(淡陶製)が展示されています
是非ご来館ください


タイル情報は
深井明比古までご連絡ください
Akihiko_Fukai@pref.hyogo.lg.jp




















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