弥生時代の家はどんなふうに使われていたのか?それがわかるのが火事で焼けてしまった竪穴建物です。
発掘ひろばの竪穴建物
発掘ひろばに展示している大中遺跡の竪穴建物(SH2202)は火事で焼けたものです。テーブルの上に展示しているのが、ここから出土した土器や石器です。土器は液体や穀物をたくわえる壺が10個、ご飯をたく甕が3個、イイダコ壺が16個あります。
発掘ひろばに展示している土器や石器
それぞれの土器が出土した場所を見ると、大きな壺は南側の壁に近いところに固まって置かれ、小さな壺は北側の高床部の内側に固まっています。甕は西側の高床部と中央の炉の近くにあり、イイダコ壺は東側の高床部にちらばっています。
土器が出土した場所(報告書より)
これを見ると、土器の用途によって置く場所が決まっていたようです。イイダコ壺は縄に通して、梁にでも掛けられていたのかもしれません。
発掘調査時の竪穴建物SH2202
ただこの竪穴建物の不思議なところは、ご飯を食べるための鉢や高杯といった土器がほとんど見られないことです。食器がないということは、ここでは食事をしなかったということです。
甕でご飯を炊いてどこか他の場所で食べたのか、火事になった時は物置として使われて、ここでは生活していなかったのか、いろいろな可能性が想像できます。
(企画広報課 多賀茂治)