2005年に報告された南あわじ市の「珉平焼窯跡」
この窯跡からは日本で初めて大量生産された近代の「タイル」が多量に出土しました
これらは明治時代に淡陶社(だんとうしゃ)が珉平焼を引き継ぎ、タイルを生産したものです
このタイルの表の文様や裏の滑り止めの型文様から生産者や年代が判りました
タイルの老舗である淡陶社のタイルの編年を確立し、当時多数存在したタイルメーカーのタイル
日本の近代化を考えるうえで重要な「タイル」
各地に残るタイルの裏型と比較することで、日本のタイルの年代が判るよう、調べています
今回、京都市北区の
「さらさ西陣」
旧藤ノ森湯(国登録有形文化財)を訪ねました
ずらりと並んだ「マジョリカタイル!」
1930年ごろ昭和5年ごろに建築された銭湯
京都市北区紫野東藤ノ森町、鞍馬口通に面しています
この通りの西方約200mにはマジョリカタイルが残る現役の銭湯
「船岡温泉」(国登録有形文化財)があります
「さらさ西陣」唐破風をもつ堂々とした正面
築80年の旧「藤ノ森湯」を2000年にリノベーション(改修)し、オープンしました
正面両脇にはマジョリカタイルがずらり!(改修時に貼り付けか)
黒タイルに囲まれて紫基調の花柄タイル
メーカーは判りませんが、淡陶カタログでは№580に該当します
そのほか、佐治タイルや佐藤タイルのカタログにも同じ文様があります
元の脱衣場から浴室を望む
ご覧の通り!
マジョリカタイルのオンパレード!
旧浴室から脱衣所方向をみる
壁という壁にはすべてマジョリカタイルが!
旧浴室の壁のタイルと湯気抜きの天井に注目!
これだけふんだんに当時高価なマジョリカタイルを使った銭湯が
奇跡的に残った建造物
必見です!
次回につづく
さらさ西陣のホームページ
国登録有形文化財に登録されています
文化遺産データベース
【お知らせ】
珉平焼窯跡から出土した淡陶タイルが
美の壺「日本のタイル」
4月15日11:00~11:30
NHK BSプレミアム
にて再放送されます
是非ご覧ください
兵庫県立考古博物館では
4月19日(土)から
風土記1300年記念特別展・阪神・淡路大震災20年展
「古代官道 山陽道と駅家(うまや)ー律令国家を支えた道と駅ー」
開催いたします
是非ご観覧ください
詳しくは下記をご覧ください
タイル情報は下記まで
深井明比古
Akihiko_Fukai@pref.hyogo.lg.jp