夏季企画展『ひょうご発掘調査速報-五国の逸品-』が、開幕しました。
昨年度までは、冬季企画展でご覧いただいてましたが、今年度から夏季企画展で展示することにしました。
まず令和3年度に発掘調査報告書を刊行した遺跡の紹介です。
西脇市の津万遺跡群から出土した副葬品の化粧道具セットなどは大変珍しいそうです。会場でじっくりご覧ください。
このコーナーでは、他に太子町の鍛冶田遺跡、たつの市の竹原1号及び9号窯跡、朝来市の音谷古墳群を紹介しています。
続いて令和3年度に発掘調査を実施した遺跡のコーナーです。
神戸市の中村群集墳や玉津田中遺跡、曙町遺跡など兵庫県の最新発掘調査成果の紹介です。ここでは他に、小野市の池尻東山遺跡、市場南山1号墳、姫路市の登リ田遺跡、丹波篠山市の住吉川右岸遺跡を紹介しています。
住吉川右岸遺跡出土の中世の木棺墓に副葬されていた、口の部分が丸みをもって膨らむ「玉縁口縁」の特徴を持つ白磁椀が鑑賞のおすすめです。完全な形が残る逸品です。
締めくくりは、県指定文化財の「五国の逸品」を展示しているコーナーです。覗きケースの資料は、たつの市の小犬丸遺跡出土の鳥形木製品です。
チラシやポスターでも紹介している南あわじ市の雨流(うりゅう)遺跡出土の子持勾玉が逸品の代表格です。
長さ8.1㎝の大型の勾玉(親)の背面・腹面・側面に10個の小勾玉(子)が表現されています。古墳時代に製作された石製祭祀具の中でも極めて特異な形態を示しており、遺物としては小さいですが、丁寧なつくりで存在感があります。
会場には、今回の展示資料が解説されている『ひょうごの遺跡』((公財)兵庫県まちづくり技術センター埋蔵文化財調査部発行)の101号から最新の106号までをそろえていますので、ご自由にお持ち帰りください。ただし残部がなくなり次第終了となりますのでお早めに。
展示会場の外では、遺跡の発掘調査の様子をまとめた動画を鑑賞していただくことができます。
神戸市西区の中村群集墳(3分35秒)、赤穂市の有年牟礼・井田遺跡(5分15秒)、加東市の天神条里(4分20秒)と、3本ご用意しています。