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特別展関連講演会「古墳時代の船」

特別展「埴輪の世界」も折り返し地点に近づいた10月27日(日)、
特別展関連講演会 第2弾「古墳時代の船」を開催しました。
講師は当館学芸課長の中村 弘がつとめました。



袴狭遺跡(豊岡市)の発掘調査を担当し、出土品整理では
船団を線刻した古墳時代前期の板状木製品を確認しました。
当館のテーマ展示室にある全長11mの準構造船「ひぼこ」の
復元プロジェクトも中心メンバーとして関わりました。


はじめに開館時の「ひぼこ」造船のエピソードとともに、
船の基本的な構造を説明しました。
「ひぼこ」は、袴狭遺跡出土の板状木製品に描かれた船を
復元したもの。全国の遺跡から出土した古墳時代の船や
船形埴輪などをもとに復元した「準構造船」で、進水から
日本海での航海実験を重ねたのち展示室に運び入れるまでの
ダイナミックな話でした。

一本の木をくりぬいて作る「丸木舟」が一番古い船の形
ですが、丸木舟のように船底をつくって、その上に木を
組んで船体をつくるものを「準構造船」といいます。
板を組んでも、つなぎ目から水が漏れない技術ができて、
船体すべてを板で組み立てる「構造船」が生まれました。
 古墳時代の「準構造船」は、船の先端が上下に分かれる
二股型(二体成形型)と分れていない一体型(一体成形型)の2種類が
あるとのことでした。

*   *   *


余談ですが…と途中で、面白い資料の紹介も。
当館の石野名誉館長が、松岳山古墳(大阪府柏原市)の墳頂にある石を、
「準構造船を模した船形石槨で、手前の石は竪板だ!」と言っておりますが、
さて、皆さんはどう思われますか?

*   *   *


いよいよ話題は、古墳や遺物から見える船形埴輪の役割と
古墳時代の人々が、「あの世」をどんなイメージでとらえ、
船にどんな思いを託したか?という話になりました。


船形埴輪は、1つの古墳から1体または2体程度しか見つ
からず、造出や前方後円墳のくびれ部、墳頂部など、祭礼
を行ったと考えられる場所から多く出土する特徴があります。



一方、水があった周濠に置かれていたとは限らないため、船団の
交易などを表現したとするよりも、「死者の魂をあの世に送る」
象徴として古墳にたてられたと理解できる、とのことです。



世界に目を向けると、中国や韓国、エジプトなどの古代の
遺跡で、墓に船を描いたり船の形をしたものを供えたり
しています。特に墓に描かれた船の絵には、先端に
鳥が描かれ、舳先を右に向けているなどの共通点があります。



鳥が「飛び立つ死者の船」を先導して、船が右向きなのは、
太陽の世界から月が沈む世界を意識したものとする意見があります。
このことから船が「魂をあの世に送る乗り物」ととらえる考えが、広く
世界で共通することがわかる、とのことです。


埴輪のように、死者に対する思いを形にする意識が、時間や
空間を超えて、広く共通しているところにも、注目してほしい
と締めくくりました。

*   *   *



終了後は、特別展示室で、講演のテーマである「船形埴輪」のほか、
埴輪から古墳時代の人々が抱いた「あの世」のイメージについて、
講師が説明しました。

*   *   *

準構造船「ひぼこ」は、テーマ展示室で見学いただけます。
毎週日曜日、14時30分から15時までは、実際に「ひぼこ」に
お乗りいただける「古代船にのろう」も開催していますので、
興味のある方は是非どうぞ。

また「ひぼこ」復元プロジェクトの様子は、当館地下1階の
映像コーナーでご覧いただけます。
 船形埴輪はじめ、様々な埴輪がご覧いただける、特別展
「埴輪の世界」は12月1日(日)まで、好評開催中です。

*   *   *

-講演会ご案内-
11月16日(土)13時30分~15時(開場12時)
 「埴輪の源流-古代中国と日本-」
講師:和田晴吾(当館館長)
講堂にて行います。
定員120名 先着順 無料
埴輪の世界もいよいよ大詰です。ぜひご聴講ください。


11月16日(土)、17日(日)は、関西文化の日です。
テーマ展示が無料! 特別展は割引料金でご覧いただけます。
この機会にぜひご来館ください!



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