(ほったん)
いよいよ秋の特別展も12月3日(日)で終わりだね。さみしいな。
でも、やっぱり駅家は身近なテーマだったので、興味のある人が多かったんだね。
本も「売り切れになった」って聞いたよ。
ボクは早めに買っといてよかったよ。
(学芸員)
本は秋季特別展の『展示図録』っていうんだけど、好評で完売したんだ。
どうしても見たい場合は情報プラザにあるのでそちらで見ることができるよ。
それから、各地の図書館や博物館にも送っているよ。
この駅家や古代官道の考古学的研究は、兵庫県が全国でも最先端を進んでいるんだ。
その理由は、全国で初めて駅家であると確認された遺跡「小犬丸遺跡(こいぬまるいせき)」【布勢駅家(ふせのうまや)】(たつの市)があること、さらに、全国で唯一の国指定史跡となっている
駅家【野磨駅家(やまのうまや)】(上郡町)があることなどが挙げられるよ。
考古博物館もいろんな駅家について積極的に発掘調査を実施したんだね。
駅家の位置を確定したり、出土品の収集などで多くの成果をあげることができたみたいだね。
僕も鼻が高いなあ~。 ナウマンゾウだけに。
調査は平成20年から行っていて、実は僕も最初の調査に参加して賀古駅家(古大内遺跡/ふろうちいせき)を担当していたんだ。その時に山陽道から駅家への進入路の発見や石製の唐居敷(からいじき)の発見をしたんだよ。
へーすごいなぁ。じゃあここにその時の出土品もあるんだね。
ところで「からいじき」って何のこと?
唐居敷(からいじき)は門の下にあって門の柱を受けたり、扉の軸受けとなるとても重要な土台のことだよ。板や石で作られていたんだ。
発見したのは左右一対の唐居敷で、石材は竜山石(凝灰岩)、大きさは縦115~130cm、横60~85cm、厚さ40~50cmで、格式の高い大きな門が備わっていたと考えられるんだ。
大きな石だったんだね。
場所は加古川市野口町の大歳神社って書いてあったけど、そこに駅家で使われた唐居敷や礎石(そせき)が集められて庭石などに使われているらしいね。
でも、ここで疑問が・・・
さっき「発見した」って言っていたけど、実は神社の境内に転がっていただけだから、見つけるのは簡単だったんじゃないの?
これまで、神社に礎石が集められていたことは知られていたんだけど、そこに唐居敷が含まれていたことはわからなかったんだ。
国史跡の野磨駅家(上郡町)の発掘調査で見つかった経験から、改めて観察し直したことでわかったんだよ。
なるほど、いろんな調査や研究が積み重なっているんだね。
今の話を聞いて大歳神社に行って実物を見たくなったよ。
その後でもう一度、閉幕間近の秋の特別展を見てみようかな。
ぜひ、そうしてほしいな。
そうすれば、もっと想像(ゾウ)力が深まって新しい発見があるよ。