冬季企画展「兵庫津-中近世の港湾都市-」が今週末に開幕します。列品作業がだいぶ進んできましたのでご紹介します。
今回の展覧会では、昨年11月にグランドオープンしました、兵庫県立兵庫津(ひょうごのつ)ミュージアムの開館を記念して、兵庫津遺跡からの出土品を展示します。
兵庫津は古くは大輪田泊と呼ばれ、近世まで千年以上の歴史ある港湾都市でした。それを物語る土器や陶器が多数出土しています。
手に持っているのは、金属の粒を詰めた袋です。底の小さい土器が倒れないように土器の底に置く重しです。
塊を重しにすると土器を傷つけますが、小さな丸い金属を袋にたくさん積めることで、傷がつきにくく、形成もしやすいんだそうです。技ですね。
解説パネルの設置作業です。寸法を測って位置を決めます。
パネルが水平になるように水準器で確認しながらの作業です。
位置が定まったら釘を打って固定します。パネルの表面から釘を打つのではなく、パネルの側面から斜めに釘を打ちます。これも技です。
小さな遺物は、展示品リストと照らし合わせて、漏れがないか、間違いがないかを確認します。細かな作業です。
これは、五輪塔と呼ばれる石製品です。丸や四角、三角などの石を縦に5つ並べて塔になります。写真はいずれも一石五輪塔といって、一つの石を五輪を重ねたように削り出したものです。お墓や、供養塔として使われるものだそうです。
今回は、こういった石の塔や、社寺などでよく見かける石柱と思われるものなどを並べてご覧いただく予定です。
兵庫津遺跡からは、ミニチュア土製品も多数出土しています。
左端のものは、橋を作ったもののようです。いろんなものを模して作られています。大人が作ったと思われるものや、子どもが遊びで作ったようなものまであり、今でいうフィギュアのような感覚だったんでしょうね。
今回の展示では、中国の天目茶碗や、肥前の染付磁器、和鏡や銅銭(天保通寳)などを展示し、物流の拠点であった兵庫津の実像に迫ります。
ぜひご覧ください。
冬季企画展は、1月14日(土)~3月12日(日)まで開催します。
皆様のお越しをお待ちしております。